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死にたがりな悪役令嬢  作者: 緑茶
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〜*第5話-8*〜

「完璧ですわ!アメリア様」

リリィとエミリーの2人掛かりで、化粧・髪のセット・ドレス選びを喜々として行っていくものだから、私は何も言えずされるがままの状態。

そして鏡に映る私は本当に見違えている。満足そうに私を見つめる2人には悪いけど、こんなに気合を入れなくても。

ピンクと白のドレスをベースに、綺麗な花柄の刺繍が至る所に施されており、髪の毛も一つに束ねてはいるものの、宝石のような飾りを使用し豪華に仕上げられている。


「ここまでしなくても…ただ演劇を観に行くだけよ」

寮から出る時、他のご令嬢達に会ったらどうしよう。きっと行くだけでも目立つわ。


「何を言っているんですか!殿下とデートなんですから」

「そうですよ!気合を入れないと!」


最近は地味目な落ち着いたドレスを好んで着ているから、2人はよく不服そうだったけど、今日は久々の機会に力を入れ過ぎた気もしなくはないが、2人を咎める事はできなかった。

こんなに気合いれて、殿下が勘違いしないといいのだけれど。


「デートじゃないと言っているのに」

苦笑いを浮かべながら、時間も迫っていたのでリリィ達にお礼を言って寮の扉を開けると、待機していた護衛の騎士2人も、私の姿をみるなり息を飲むのが分かった。


…男性からしたら、似合ってないのかしら。

少し心配になると、頬を少し染めながら『とても美しいです。お嬢様』と褒めて貰えた。

良かった。照れていただけだったのね。


「ありがとう。嬉しいわ」

気恥ずかしい気持ちを抑え、お礼を言って殿下が待つ門まで向かう。


◇◇◇


待ち合わせの門の前には既に殿下が待機しており、声を掛けると騎士同様に息を飲み私から視線を逸らす。

『すまない、君が綺麗過ぎて直視できない。勘弁してくれないだろうか』と甘い言葉を囁くものだから、つられて私の顔も赤くなる。


それからも、どこかギクシャクした感じになって、劇場に向かう馬車内でも言葉数が少なくなった気がする。


そして無事劇場に付き、VIPスペースに誘導され椅子に腰を下ろし幕が開くのを待つ。

ここは王都でも1番豪華な劇場で、どこか違う世界に訪れた気持ちになる。


今日観る演劇の内容は、平民出身の彼女は公爵家の彼との身分の差から認めて貰えず、2人で駆け落ちするも、公爵家の力で直ぐに見つかり引き離される話。

しかし、それから2人は逃げず家族と向き合い、長い月日をかけ漸く説得でき幸せを掴んだ。

その数年後、旦那となった彼が何者かに暗殺される事になった。

犯人を捜しながら復讐心だけで生きると決めた時、子供が宿っている事が分かり、困難な生活の中強く生きていく。という話。


そして、彼女の結末は・・・。


「……」

なんでだろう。既視感を覚え所々感情移入してしまう。

愛した人を殺されながら、強く生きる彼女を凄く尊敬すると同時に、どうしてそんなに強く生きていけるのか。私には分からなかった。


知らない間に涙が頬を伝い流れており、殿下がそっとハンカチーフを手渡してくれて気付いた。

慌てて涙を拭い、恥ずかしさから頬を抑える。


「お見苦しい所をおみせしました・・。」

「いや、すまない。令嬢達に人気だと聞いたので楽しめるのかと思ったが、泣かせてしまうとは」


心配そうにこちらをみつめる瞳を見つめ返す。

この人は激しい恋をするのよね。愛する人を傷つけられたら、その人物を惨殺するほどに。


「殿下は、彼女の気持ちが分かりますか?」

彼女の結末を知って、私は彼女の気持ちが分からなかった。

この人はどうなんだろうか。

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