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死にたがりな悪役令嬢  作者: 緑茶
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〜*第5話-5*〜

それからは、学園に通いながら急ピッチで入寮の手続きや準備を進めた。

そして3日後には入寮できる事になったのだが、家を出る前日は中々会えなくなるアベルが寂しがったため、一緒に眠りについた。


アベルの寝顔を眺めながら、頭を撫でていると扉の外から小さな声で『アメリア、起きているか』と兄の声がした。

出迎えると、少し疲れた顔の兄が扉の前に立っていた。


「どうしたんですか、こんな夜遅くに」

少し隈も出来ているような気もする。最近は父の仕事も忙しいと聞いていたため、夜勤の侍女にハーブティーをついでに持って来てもらった。


「いや、明日から学園以外では顔を合わせる機会も減るからな。直近の仕事も落ち着いたので、起きていたら顔をみたいと思って来たんだ」


…もう、そんな寂しそうな顔されたら罪悪感が湧いてしまうじゃない。


「全く、お兄様とあろうお方が情けない顔をして」

隣に移動して兄の頭を撫でる。


「アベルにも言いましたが、頻繁に帰ってくる予定ですし、一生帰ってこないわけじゃないから安心してください。それに会いたいと思って下されば帰ってきますよ」


「…そうか、じゃあ何度も呼び出さないとな」

フッと軽く笑みを浮かべると、優しく私の両頬を掴む。


「何かあれば私に必ず言いなさい。あとは、護衛が目につくかもしれないが、私が鍛え育てた精鋭だ。安心して過ごせばいい」

「…そんな沢山はつけないで下さいね。」

「本当は、父上からお前が魔法を使えると聞いてから、この家の中にずっと閉じ込めておきたいくらいなのだ。そこは許してほしい」


…父も兄も私が魔法が使えると知ってから、過保護っぷりに拍車がかかっている。

何か私が知らない事でもあるのだろうか


「そのことで、私に秘密にしていることがあるんですか?」


兄の手がピクッと反応したが、「…まだお前は知らなくていい事だよ」と言って額に軽くキスを落として、『ゆっくりおやすみ、私の愛しい子』と眠りの言葉を残して部屋を出て行った。


あれ・・この間も同じような事があったような?気のせいかな。

っていうか、幼い子ども扱いをして。…もうデビュタントも済んでいるのよ。

何て思いながらも、兄の優しさが嬉しく思うあたり私も大概ブラコンなのかもしれない。

その日の夜は、明日に向けゆっくり眠る事が出来た。


◇◇◇


翌朝、今生の別れかのように見送られて苦笑いを浮かべ寮に向かう。

片付けは付いて来てくれた、リリィとエミリーと、護衛に任せて久々に学舎に向かった。


「アメリア嬢・・?」

後ろから声を掛けられて、振り返ると殿下が立っていた。

周りには、侯爵家・宰相の息子等身分の高い貴族の息子が居た。

…まぁ、私の父の方が身分は高いけど、私の悪名のせいで軽蔑した視線を感じる。

もう殿下に迷惑をかける予定はないから、気にしなくても良いんですよ。と言いたいが反感を買うだけと分かっているので、咎めず無視をする。


「ごきげんよう。王太子殿下」

挨拶を済ませ、離れようとすると『待ってくれ』と駆け寄って来て『もう身体は平気なのか?』と耳元で囁かれ、急いで距離を取り耳を抑える。


「はい、おかげ様でご覧の通り元気です。あとこのような事はお止め下さい。」

「……。すまない、気を付けるよ」

謝ってはいるが、殿下の顔はほころんでいる。反省の様子はないみたいね。

弱点をさらした気分だ。


「それより…君が寮に入ると聞いたが、本当なのか」

少し視線を外しながら、何だかそわそわしているように見える。


「えぇ、本日から寮生活です。何か問題でもありまして?」

「そうか、本当だったのだな。いや、君は寮生活は初めてだろう。何かあれば言ってくれ」


本当は寮生活なんてする必要はないけど…原因は貴方なんですよ。と嬉しそうに笑っている殿下には言える訳もないけど。


「ありがとうございます。宜しいのですか?後ろの殿方は殿下を待っているのでは?」

その言葉に「そうだな、また昼食の時に話そう」と言って戻って行った。


教室に入ると、リーリエ嬢達が嬉しそうに駆け寄って来て労りの言葉をくれた。

久々の学校で疲れるけど、こうやって心配してくれるのは嬉しいわね。

今月から新しい職場になり、半年間研修等も始まるため、今後は以前のように2カ月等間隔が空く可能性もありますが、お付き合い頂ければ幸いです。

ブックマーク・いいね・コメントありがとうございます。とても励みになっています!!

暑い日が続きますが、皆様もお身体ご自愛ください(*^-^*)

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