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死にたがりな悪役令嬢  作者: 緑茶
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〜*第5話*〜

それからの日々は、休学したことで心配したリーリエ嬢達がお見舞いにきてくれたり、学園の様

子を話してくれたり、穏やかな日々を過ごしていた。


そして、『旦那様方からは口止めされたんですけど』とリリィが私の眠っていた日の、家であった出来事も教えてくれた。

兄と父の行動は予想の範囲内だったけど、その中でも1番ビックリしたことが、殿下が私が眠っている間に毎日通ってきてくれていたこと。ここ数日は忙しく来れていないことを知った。


部屋に飾られた花は、殿下からの贈り物だったらしい。


…おかしい。私を嫌っていたはずなのに。急に手のひら返しするなんて。

さっさとマグノリア家の令嬢とお付き合いすればいいのに。

殿下が何を考えているのか本当に分からない。


いや、そういえばまだ嫌っていないって言ってたかしら。

何て事を考えていると「お嬢様。お手紙が届きましたよ」と

リリィから差し出された手紙を受け取ると、王家の紋章が入っている。


…これは殿下だわ。頭を押さえ手紙を読むか悩む。うーんと悩んでいると『読まれてみませんか?殿下は本当にお嬢様の事を心配されていましたよ』と後押しを受け、封を開ける。


手紙には私が目を覚ました事を知った事。体調は大丈夫か。等私を気遣う言葉が沢山書かれていた。

ギュッと手紙を握るとシワがより、慌てて力を緩める。


この人にこんな風に優しい言葉を掛けられた事は、出会った頃・・幼い子供の頃以来だ。

一体どんな心境の変化なのだろうか。自分に興味をなくした私に興味がでた?それとも私が大人しくなったから?


”アメリアが大人しければ、あんな事はしなかった?”


そんな思考が頭を過るが、あの苦しみを思い出し手紙をテーブルに放り投げる。

そうよ。そんな事は関係ない。起こりえる可能性を少しでも無くす為に行動しないと。


だから・・お願い。私の心を揺さぶらないで。

貴方は私と同じ悪役で、女に溺れる愚かなままでいてよ。


◇◇◇


その翌日も、起床する時間を大幅に遅れて起床した。この自堕落に生活に慣れてしまってはいけないと分かっているが、この生活が今一番幸せを感じる。

ブランチを済ませ、窓際の椅子に座り今後の対策について考えこんでいると、コンコンとドアを叩く音と、『お嬢様、今宜しいでしょうか』と少し慌てたリリィの声。


招き入れると、開口一番に『殿下がいらっしゃいました』と爆弾発言をした。


◇◇◇


「ちょっと待って、そんな急にいらっしゃるなんて、どういうこと?非常識よ」

「私もその事お伝えしたのですが、手紙に書いていた、と仰られています」


・・え?噓でしょ

慌てて手紙を確認しなおすと、最後にサラッと書かれていた。

私の確認漏れが原因か。いやいや。でも、来客する事に対する返事はしていないわ。


そもそもまだ身支度も済んでいないし。

それに、手紙を見直した事でドクドクと心臓がどんどん高鳴っている。

この状態で殿下に会ってしまったらどうなるのだろうか。


あの人を嫌いなままで、今までのように冷たい態度を取れるのだろうか。

・・きっと同情する気持ちが芽生えたら、私は冷たい態度をとる事は出来ない。


「お帰り頂いて。また後日お会いする時間を設けるわ」

「お嬢様、それが・・もし断る事があっても、会ってくれるまで待つ。との事です」


申し訳なさそうに発せられる事言葉に、何も言えなくなった。

平穏が崩された事に、憤りを感じるがこれ以上対応している使用人にも迷惑をかける訳にもいかない、と諦めて準備するのに1時間待って貰う事を条件に、拝謁する事になった。

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