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死にたがりな悪役令嬢  作者: 緑茶
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〜*第4話-13*〜

「…はぁ、何だか疲れたわね」


目を開くとそこは見慣れた自室で、上半身を起こし室内を見渡す。

眩しい。日が昇っている事から結構眠ってしまったようだ。

ポヤーっとしていると、コンコンと音が鳴った後、リリィが入って来た。

そして私の顔を見るなり、手に持っていたカップを落とし、『アメリアお嬢様!』と泣きそうな顔で私の名前を呼ぶと、凄い速さで部屋を出て行ってしまった。


呆然と見送る事しか出来なかったが、直ぐにお父様、お母様、アベル、医師と大人数で私の部屋に集結する。一体何があったの。そんなに心配を掛けてしまったのだろうか。


「あぁ、良かった、本当に無事で」

「僕も心配したんだからね!お姉さま」


涙を流すアベルとお母様。母の肩を抱き心配そうに私に視線を送るお父様。


「本当に心配したんだぞ。お前が襲われた事もそうだが、目も覚まさないから生きた心地がしなかった」


状況が飲み込めず、触診している医師に話し掛ける。


「倒れてしまって心配をかけたのは分かるけど、心配しすぎじゃないかしら。私そんなに具合悪かったの?」

「それはそうですよ。お嬢様は4日間眠っていたんですから」


・・・・え!?

そんなに眠ってしまっていたの!?だからこんなに身体が怠いのかしら。


「そ、そんなに眠っていたの・・。ごめんなさい。ご心配を掛けました」

「なに、お前が生きていてくれただけ良かった」


父に頭を撫でられながら抱きしめられると、母と弟にも抱きしめられる。

3人の温もりを感じ、生きていると実感する。


状況を把握したのち主治医の検査を受ける。


「まだお熱は下がっておりませんので、もう1週間は安静にして下さいね。あとこのお薬は食後にお飲み下さい。」

「分かったわ」


苦そうな色をしているけれど、飲まないと駄目そうね。

説明を受けた後『侍女から詳細は聞いている。また話はするから今日はゆっくり休みなさい』とお父様に言われ、室内から全員出て行こうとしていたが、こちらを心配そうに見つめるリリィに「後でね」と声を掛けると、少し表情が晴れた。

完全に1人になり、再度ベッドに身体を沈める。

まさか、4日も眠っていたとは。


「サーシャ、貴方のせいだからね。魔法を使ったからでしょ」


なんて独り言を呟くと、ベッドの淵にサーシャが腰掛けた状態で現れた。


『心外な。其方の体力が軟弱なだけだ』

「ッッ!?いきなり出て来ないでよ!!心臓に悪いわ!それより姿を現せられるの!?」

『見えるのは其方だけだがな』


・・。だから最後に、また会おうなんて言っていたのか。

それだったら最初からそう言って欲しかったわよね。


『ふん、聞かれなかったから言わなかったのだ』

「心の中読まないで。ねぇ、それより私の名前、アメリアなんだけど」

『…?。存じておる』


意味が分からないというように、首を傾げ私を見下ろす。

「貴方、其方としか言わないでしょ。協力関係を結んだんだから、名前で呼んでよ」

『・・・承知した』


嫌々っぽいけど、まぁ気にしないでおこう。

『それでは、今日はゆっくり休むといい。良いな・・アメリア』

「ふふ、えぇ分かったわ。ありがとう」


照れ隠しなのか、直ぐに姿を消してしまった。

これから1週間は静かに過ごせると思うと、悪い事ばかりでは無いわね。

目を瞑ると、沢山寝たはずなのに途端に眠気が襲ってくる。


◇◇◇


ガチャっと扉の開く音で意識を戻す。誰か部屋に入って来たようだ。分かっているけれど、眠気が強く、目を開く事が出来ない。

「アメリアが起きたのだろう」

「は、はい!ただ体力が回復されていないのか、また眠っていらっしゃいます」

「そうか・・。もう下がって良い。少し2人にしてくれ」

「かしこまりました」


リリィとお兄様の声だわ。コツコツと一定の足跡がした後、ギシッとベッドが揺れ、暖かい温もりが頬に触れる。

まるで壊れやすいガラス細工を触るような、宝物を触れるかのような手付きだ。


「リア…すまない。もう2度と、決して誰にもお前を傷つけさせないから」


切羽詰まったような声に、眠気より心配がまさりどんどん覚醒してきた。

「心配性ですね。大丈夫ですよ」そう言いながら頬に触れる手をギュッと握り締める。


目を開くとそこには、ベッドの淵に座り私を心配そうに私を見下ろす兄が居た。

まだ外は明るい。仕事中にも関わらずきっと聞いて直ぐに来てくれたのだろう。

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