〜*第4話-12*〜
あぁ・・また真っ暗な闇の中。
何だかこの空間にも慣れてきたな。キョロキョロと辺りを見渡すも何もない。
馬車の中で倒れたと思うんだけど、どうなっているんだろうか。
『あれしきの魔法で倒れるとは・・なんと軟弱な』
その声のするほうをバッと振り返ると、真っ白で豪華な服を着た男性にも女性にも見えるキラキラと輝く人間?が立っていた。
いつからそこに居たのだろうか。
ん?待って。この声はもしかして
「・・貴方はサーシャ?」
『いかにも。我が名はサーシャだ。よく覚えていたな』
どうしてこうも高圧的なのか。
「えっと・・私は倒れたと思うんだけど。どうなっているの」
『そうだな、魔力を使ったことで倒れたようだ。其方と話しをする為にここに呼んだのだ。』
なんと迷惑な。リリィが責任を感じていなければいいのだけれど。
「それより貴方は何者なの?どうして私をここに呼んだの?あの魔法はどうして使えたの」
まくしたてるかのように質問をすれば、面倒くさそうに待て待てと私を制する。
『落ち着け。説明をしていくから』
サーシャがパチンと指を鳴らすと、突然椅子が現れ座るよう促される。大人しく従うとゆっくり説明を始めていく。
『我が名はサーシャ。先の戦の魔法使い。エクリア国の建国の立役者の一人だ』
・・まさか、あのエクリア王国が独立する時に凄い力を発揮した魔法使いの事!?
ビックリして何も言えずに居ると、特に気にしていないのか話を続ける。
『そして、アメリア・アルベルティは・・我が魂の生まれ変わりだ。』
「・・・・えっ!?貴方の生まれ変わりがアメリアですって!?」
驚愕の真実に驚きの声を上げると、煩そうな顔をしながらサーシャは耳を塞ぐ。
・・そんなに嫌な顔しなくて良いじゃない。そりゃ驚くでしょうよ。
『あぁ、火炙りになって死ぬ直前になって私の力を発揮した』
その言葉にヒュッと息を飲む。
あの時の火の熱さ・苦しさ・痛みを思い出し、思わずギュッと身体を抱きしめる。
『その時どういう訳か、其方の世界とリンクし、アメリアの魂と混ざり合った。』
サーシャに心臓部に指を刺されると、黒と赤色が混ざり合って輝いている。
…心臓ってこんな色なのか。とどうでも良い考えが頭をよぎるが、それは飲み込み黙り込む。
『…。それにしても、其方も中々な人生だったな』
「えーと、何が起こったか少し覚えているんだけど、詳細が思い出せないんです」
すると『ふむ…』と顎に手を当て思考し始める。
その隙によくよく観察してみると、金色の瞳に整った顔立ち。なんと神々しいのだろうか。
この人は所謂、神様的存在なのだろう。
「でもどうして、急に貴方の声が聞こえるようになったの?夢…も見たのだけれど」
ふと疑問に思った事を尋ねると、顔を上げ私に目を向ける。
『あぁ、それは私の目的の為だ。だから其方に死なれては困るのだ。』
「目的?私に何かして欲しいの?」
『・・いや、今はまだ良い。時期ではないのでな』
きっとこれ以上聞いても教えてもらえないだろう。
「そう」とだけ返事をしてため息をつく。
『あぁ、だからそれまでは我が守ると約束しよう』
守って貰わなくて良いんだけど。それよりも、私の唯一の今の願いを叶えて欲しいんだけど。
『ふん、其方が死ぬ事のサポートや、仮に死んだとしても、我の願いが叶わぬなら、アルベルティ家も助けんぞ』
どうして心が読めるのよ。丁度良いと思ったのに。
『まぁ目的を達成するまでは、互いに協力し合おうではないか。我が目的を達成した際にはその願いを考えてやらん事もない。』
「本当に!?約束よ」
『・・あぁ。承知した。さて、今回はこの位にしておこう』
椅子から立ち上がり、サーシャが私の頭に手を当てると急激に眠気が襲う。
『それでは、また会おう』
この人と協力し合えば、私の目標も達成できるかもしれない。
「えぇ、これから宜しくね。サーシャ」




