〜*第4話-10*〜
『…思い出せ。我が力を』
遠くからこちらに声を掛けて来る人物。綺麗なローブを着て私に話し掛けてくる。
前の夢と違うのは、身体を動かす事が出来ない。まるで金縛りになっているかのよう。
『思い出せ…我が名は××』
名前が聞き取れなかったが、身体がビクッと反応すると目覚めた。
夢のせいか、寝すぎたせいなのか分からないが頭痛と吐き気が襲う。
最近へんな夢ばかり見るな。
身体を丸めてうずくまる。心臓も何だか痛い気がする。
「誰・・子供のアメリアとフードを被ってるあの子とは別人よね」
暫くすると痛みが緩和しそのまま横たわる。
ジトっした汗もかき気持ち悪い。お風呂に入ってスッキリしたい。
外は明るくなって来ているからもうそろそろリリィが起こしにくるだろう。
今日も予定はないし、明日に備えて体調を整えよう。
◇◇◇
ー翌日
無理はしないように、と家族に釘をさされリーリエ嬢の家に出向く。
昨日はお風呂に入った後ゆっくり過ごしたからか、幾分体調が回復した。
リーリエ嬢用に購入したプレゼントを持って、馬車に揺られる事数時間。
「お待ちしておりました。アメリア様。来てくださって本当に嬉しいです」
「こちらこそ。ご招待頂きありがとうございます」
キラキラとした笑顔で出迎えくれるリーリエ嬢とあいさつを交わし、テラスに案内される。
綺麗に手入れされた花が咲き、とても癒される空間だ。
「アメリア様と一緒にお話し出来て嬉しいです。」
「本当ですわ。まさかこんなに気軽に接してくれるなんて思っていませんでしたもの」
他にも参加している令嬢たちにそう言われて、そうとうアメリアは接しにくかったのだろうと苦笑いが出てしまう。
まぁ、仕方がない事なんだろうけど。
リーリエ嬢もプレゼントを喜んでくれたし、一安心だ。
心配していたマグノリア嬢も、やや冷たくあしらわれている気がするが、今は伯爵家という事もありぞんざいに扱われていない。
その後も終始穏やかに進み、漸く解散の時間となる。
挨拶を交わし帰路につく際、マグノリア嬢に呼び止められた。二人きりになるのは初めてで少し緊張が走る。
「あの、謝らないといけないと思って・・。」
「何をでしょうか」
視線を外し、言いよどむ姿に疑問しか出てこない。
今はまだ謝られるような事はされていないはずだが。何かあったのだろうか。
「他のご令嬢達に言われましたの。殿下と仲良くするなと」
あぁ…そういう事か。まぁこの子が殿下を狙っているのは知っているし、どうでも良いんだけど。
「気にしなくて結構よ。殿下が誰と仲良くするかは、本人の自由ですから」
「・・はい。ありがとうございます」
お礼は言っているものの、不服そうな姿に違和感を覚える。
私が切れるとでも思ったのだろうか。
ジッとみつめていると、パっと表情が変わり
「あ、そういえばアメリア様は魔法使いの話って信じますか?」
と急に話を変えてきた。どうして急にこんな話を振るんだろうか。
「お父様に話しを聞いて、私凄く魔法使いに会ってみたいんです」
頬を赤らめ、恍惚とする顔にゾクリと寒気が走る。
ーなんだろう。この顔どこかでみたような気がする。
「存在は消えたって言われているけど、どこかでひっそりと暮らしているんじゃないかって思っているです」
「そう…なのですか。そうだと良いですね」
「はい!頑張って探します」
ニコリと愛らしい笑み浮かべる姿に、鼓動が早まり落ち着かせるためにギュッと胸を抑える。
何なんだろうか。嫌な感じだ。




