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死にたがりな悪役令嬢  作者: 緑茶
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〜*第4話-9*〜

ーエリック side


「お帰りなさいませ、エリック様」


自宅に帰宅すると、執事のケイレブが荷物を受け取りに来る。

上着を脱ぎながら帰宅後の予定の確認をしていると、アメリアの侍女が何やら手続きをしている。何をしているんだろうか。


そんな視線に気付いたのか、手続きが終わった侍女がこちらを振り返り慌てて駆け寄る。


「ご挨拶が遅れ申し訳ございません。お帰りなさいませ。エリック様」

「あぁ、それより何か手続きをしていたようだが」

「はい、お嬢様より手紙を出すよう依頼されましたので、その手続きを行っておりました。」


アメリアが手紙を・・。一体誰にだろうか。

顎に手を当て考えていると、それに気付いたのか『ボルジーア伯爵家のご令嬢宛ですよ』とケイレブが補足してきた。


流石専属の執事だ。考えている事がバレてしまっていたか。


「そうか。最近は交流が増えているようで何よりだな」


一緒に居る所を最近よく見るし、楽しんでいるようなら結構だ。

ただ、最近はどうも様子がおかしい。


「アメリアの様子に変わりはないか?」


侍女にそう尋ねると、少し言いにくそうに口を開く。


「先ほどお話をした際、少し疲れていらっしゃるようでした。顔色も少し優れない様子で」


ふむ、やっぱり体調が優れないのかもしれないな。

侍女にお礼を言い、執務に入る前にアメリアの様子を見に行く。

ドアをノックするも返事が無いため、こっそり中の様子を伺うとベッドに寝ている姿が目に入る。寝ていたからノックに気付かなかったのだろう。


よほど疲れていたのか。頭を撫でながら「ゆっくりおやすみ、愛しい子」とおまじないを掛ける。この子が幼い頃は母と一緒に良く言っていたな。


◇◇◇


夕食の時間になっても、アメリアが起きる事なくアメリアを除いた家族で食事を摂る。


「どうかしたのかしら、体長を崩していないと良いのだけれど」

「んー、もし熱が出るようであれば、医師を呼ぶ準備だけはしておこう」


婚約破棄の件だったり、最近のアメリアの様子が違う事で、母も父も気がかりだったようだ。

アベルに至っては、アメリアが居ない事が寂しいのか、いつもの明るさがない。


「そうですね、残りの仕事をある程度終えた後、様子を見てきます。父上も明日の仕事の準備で忙しいでしょう」

頼むとお願いをされ、夕食後自室で残りの仕事を片付けていると、あっという間に時間が過ぎていた。もうこんな時間になっていたのか。

キリの良い所で仕事を終わらせ、アメリアの部屋に向かう。その前にケイレブに厨房で念の為にスープを用意しておくよう指示をしておいた。


まだ寝ているだろうか、と思いながら扉を叩くと今度は返事は返ってきた。

安心して、直ぐに扉を開くと思わず息を飲んでしまった。


暗い部屋の中、アメリアが座っている所だけ星の光で照らされている。

身体を小さくして、顔だけこちらを見ているその姿があまりにも儚くて。


この子はいつか、どこかにフラッと消えてしまうんじゃないかってそんな感覚に襲われる。


大丈夫じゃないくせに、無理をする姿をみるのが嫌で。なにより妹に頼って貰えない自分があまりも情けなくて自分に腹が立ってしまう。


元々細かったのに、最近より痩せたのは分かっていた。ただ抱きしめた際実感し恐ろしくなった。こんなにも細く脆く、力一杯抱きしめてしまったら折れてしまうんじゃないかと思う程だ。


今後はより一層守らないといけない、と誓った夜でもあった。

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