〜*第3話-15*〜
「そういえば、本日は殿下と過ごされなくて宜しいのですか?最近は良く一緒に居ると伺ったのですが」
ふと思い出したように、そう言われて思い出しズーンと頭が重くなるのを感じる
「えぇ。本日は良いのです。そもそも婚約者でもないのに、ずっと殿下といる方がおかしいのです」
ニコリと笑みを張りつけ、これ以上は踏み込んで来ないよう牽制し、
パンと手を叩き「そう言えば、バロン様には婚約者の方はいらっしゃるの?」と話を切り替える。
ちょっと興味がありこの機会に尋ねてみた。
その話題を振った途端、スっと表情が暗くなり
「えぇ、父から縁談の話があるのですが、全て断っているんです」
「あら…そうなんですか」
そう言って切なげに笑みを浮かべるバロンに、何と声を掛けて良いのか分からなくなる
「ずっと慕って居た人が居るんです…でも優しい彼女を傷付けて僕は逃げてしまった」
本当に慕っていたのだろう。遠くを見つめる瞳にうっすらと涙が溜まっている。
「大丈夫ですよ。バロン様が誠心誠意心を込めて謝罪すれば相手の方も許してくれます。だって…貴方は優しい人じゃないですか」
ハンカチで涙を優しく拭う。
こんなに綺麗な花を咲かせるんだもの。きっと相手の方とも理解し合えるわ。
「……」
私の行動に目を見開き、驚き隠せない様子のバロン。
失礼な事をしてしまったのか、少し心配になり
「あの、大丈夫ですか?どうかされましたか?」
ハッと我に返ったのか、バロンは顔色を隠すように慌てて立ち上がる
「いえ、突然失礼致しました。私は急用を思い出したので、本日は失礼致します」
礼儀正しくお辞儀をして、スタスタと庭園から出ていってしまった。
……なんだろう。どうかしたのだろうか
ザワザワとした感覚が拭えず、私も庭園を後にするのだった。
ぼちぼち更新再開して行きます( * ॑꒳ ॑*)
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