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死にたがりな悪役令嬢  作者: 緑茶
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〜*3話-14*〜

教室を離れ久々に庭園に向かう。足を踏み入れるとふわりと花のいい香りが広がる。

あの日以来、恥ずかしいのとロナルドに捕まる事が多く立ち寄ることが出来ていなかったが、やっぱりここは静かで落ち着く。


腰を下ろし、不要な事は何も考えず目を瞑る、ただただ静かに流れる時間が好きだ。


…あ、でも早くランチ食べないと授業が始まってしまうな。

教室から出る時持ち出した鞄からパンを取り出す。


不安だったけど、ここの世界の料理は案外美味しい。でも、日本食を食べたいと思う時も正直ある。

物思いにふけ、食べる手が止まる。


神崎菜々美の頃の夢を見ることがある。ただ、起きた時には詳細は全く覚えて居ない。


…過去の内容は全て覚えているのに、まるで霧が掛かっているように、まるで他人の記憶をみているような。激しい衝動が襲ってくる事はないが、とてつもなく悲しく、虚しい気持ちに陥る。


前世では得られなかった、素敵な家族が今は居る

ただ…それでも…思ってしまう。


あの幸せな日々が続いてくれていたら、どれほどの幸せだったのだろう…と。

過去は美化しやすいと言うが、29年の生涯のうちで、あの人と過ごした短い数年間が1番の幸福だった。


思い返していると、誰かに呼ばれている事に気付き、慌てて俯いていた顔を上げる


「あ、大丈夫ですか?アルベルティ嬢」


「…ハリソン様?」


目の前で心配そうな顔をして、この庭園で出会ったハリソンがしゃがみこみ、こちらの様子を伺っている


「大丈夫ですか?どこか調子が悪いのですか?医務室に行きますか?」


「いえ、本当に大丈夫ですから!」


反応するのがそうとう遅かったのだろう。心底心配しているのが伝わってくる。

「考え事をしてて、何も聞こえなかったんですよ。本当に申し訳ありません」と伝えると、少し安心したか「それなら良かったです」とハリソンも隣に腰を下ろす。


本当に優しい人なんだなぁ。前も花束くれたしね


ハリソンもここにご飯を食べる為来た。との事だったから雑談をしながら一緒にランチをする事に。

そして色々話す内に、バロン、アメリアと呼ぶまでに距離が縮まった。

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