〜*第3話-8*〜
それから数日が経ち、学園での気になっていた視線も落ち着いて来た気がする。
最近は、わがまま姫、横暴な公女と言われなくなって来た気がする。
それもあってか、のんびりと自席で、家から持ってきた歴史書に目を通す。
もっとこの世界の事を知る必要がある。どうして私はこんな世界に送られる事になったのか。
しかし、どんなに調べても魔法については詳しく残っていない。それ所か魔法使いの事すら残っていない。
ー 情報が全く残って居ないし、魔法を使える者の仕業なのかしら...?
でも、魔法使いは居ないとされているし。
分からない事だらけだ。
それでも家に帰れば可愛い弟に、優しい家族が居る。
自分の家族で幸せを感じる事は無かった
だからこそ、あの悪夢を止める責任がある
「...嫌な家族だったら切り捨てて、こんな意味の分からない人生終えられるのに」
「...終えられる?」
つい口に出てたみたいで、その声に顔を上げる。
ー ヤバい。聞かれてしまった。
「あ、あら、アリス嬢にリーリエ嬢。どうしましたの?そんなに心配そうな顔をして」
ここ数日で、仲良くなった2人が心配そうな顔をしていた。しまった...油断してたな。
「...いいえ、アメリア様...大丈夫ですか?」
名前呼びを許してからは、距離が近付いているとは思う。
ー それでも、どうしても距離を作ってしまう。
「大丈夫よ、ありがとう」
そう言って笑顔を作る。
申し訳ない気持ちが無い訳じゃない。ただ思ってしまう。
この子達も何かあったら、簡単に私を裏切るんだろうと。
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それからは、普通に話をしつつ過ごした。
「そう言えば、本日からアルベルティ小公爵様が、殿方の剣術を教えるのですよね!楽しみですわ!」
「是非見学したいですわね!」
「初めて拝見した時から、胸がドキドキしてますもの」
2人ともキラキラした目で、エリック兄様の話をしている。やっぱり有名な人なのね。
それに、他の令嬢達をこんな簡単に虜にするなんて。
我が兄ながら恐ろしい人だ。
「お兄様が聞いたら喜ぶわ」
どうかこの2人が、兄の毒牙に掛かりませんように。
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