〜第3話-3*〜
ーNo side
俺の声に振り返りもせず、遠ざかっていく姿。
今まで1度もそんな事なかったのに。
「恐れながら王太子殿下、アルベルティ公爵令嬢にあのような無礼は赦されません。どれほどエクスタリア家に貢献なさっているか、分かっておられるはずです」
……分かっている。それこそ何度も何度も言われた
アルベルティ公爵家は我が王国に、ずっと遣えている一族である事。
それこそ、我々王族と近しい関係だ。
『初めまして。アメリア・アルベルティです』
『ロナルド、この子がお前の婚約者だ』
たどたどしい挨拶に、ふわふわな淡いピンク色の髪をした少女。
父からそう紹介され少し心が踊る。
しかしその子の側には、憎い男が立っている。
以前剣術の試合が開催された時、為す術なく負けてしまった相手。
それからも何度か戦う機会があったが、どうしても勝てなかった。たった2歳差なのにそれが悔しく、勉学以外にも剣術を頑張るが勝てず、以降出来損ないの王子、等不名誉な声を王宮でも耳にするようなった。
それからは、悔しさから関係ない婚約者に当たってしまっていた。
アメリアは何も言わないから…それに甘えきってしまっていたのだ。
「分かっている…謝罪する。追いかけるからお前達は付いてくるな」
クラスに戻ったかと思い、立ち去っていった後を追いかけると、少し離れた茂みから小さい呻き声が聞こえた気がして、近寄ると横たわるアメリアがいた。
食事中は全く気付かなかったが、顔色が青白く魘されているようだ。
……それになんて格好で寝ているのだ。
どうするか悩み、取り敢えず声を掛ける為、手を伸ばすと背後より声を掛けられる。
「これは、これは。崇高なるエクスタリア殿下ではありませんか。我が妹になにか御用ですか?」
声は普段通り柔らかく微笑んでいるが、鋭く俺を睨み付けるその瞳。1度も勝てる事が出来ない、大嫌いな男がそこに立っていた。
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