〜*2話-17*〜
それから直ぐにプロポーズをされ、今日は私の家に挨拶の日。
今は年に1度帰省するかしないか位の付き合いになっている、実家に奏汰と一緒に帰った。
毎回家に入る度、ドクドクと心臓が早まる。
そんな私の異変に気付き、ギュッと手を握りしめてくれる奏汰の温もりに心底安心する。
***
家に入ってからは、当たり障りなく無事に結婚の報告が終わる。
「もぉ、結婚の報告がいきなりなんだもの」
「本当にな。これからは更に帰って来る回数も減ってくるのか…」
「……」
変わりない継母と父。しかし慎吾は口数少なく何を考えているのか分からない。
それからも、問題なく時間は過ぎていく。
「じゃあ、私達そろそろ帰るね」
「え、もう帰るの?久々に帰って来たんだから、泊まって行けば良いのに」
「…いや。それは」
「そうだな、奏汰君も泊まって行きなさい」
ーもぉ、勘弁してよ
ついつい溜め息がもれる。
「そうだよ。久々に泊まって行きなよ。お姉ちゃん」
不気味な程に綺麗な笑みを浮かべる慎吾に、ドクンと嫌な心音が鳴る。
「申し訳ありません、せっかくのお誘いですが、どうしても明日外せない用事がありまして…」
「そうかい?残念だな……菜々美は泊まらないのか?。1文字違いだが、神崎として過ごすのはあと僅かだろう。今日位は泊まって行かないか?」
ーお父さん…
チラリと奏汰の様子を伺うと優しく頷く。
まぁ、お父さん達が居るから大丈夫…かな。
「分かったよ…今日は泊まっていく」
また明日ね、と玄関で奏汰を見送りリビングに戻ろうとした所で、鞄を持った慎吾が2階から降りて来た。
「ちょっとコンビニ行ってくる」
そう…この時奏汰と一緒に帰っていれば、慎吾を引き止めていればと…一生後悔する事になる。
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