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死にたがりな悪役令嬢  作者: 緑茶
24/92

〜*2話-15*〜

「本当…なのか?」


その泣き顔に胸がギュウッと締め付けられる。

ハンカチを取り出し隣に座る神谷さんの涙を拭う。


「…こんな嘘吐くわけないじゃないですか」


その言葉に私に腕を伸ばすが、急いで引っ込める

ーどうしたのだろうか?

首を傾げると


「神崎…抱き締めても良いか?」


あぁ、この人はどこまでも私を優先してくれる


「勿論ですよ」


私から神谷さんを抱き締め、その後苦しいくらいに抱き締め返される。


「本当に夢みたいだ…神崎…愛してる」

「私もです…。愛してます」


もう触れられる事に嫌悪感なんてなかった。

陽だまりに包まれているような、そんな多幸感から私からも涙が頬を伝う


****


それからは、普通の恋人のようにデートを重ねていった。そして数ヶ月後

付き合って居れば必ず訪れる、夜の営み


今までも、手を繋いだりキスをしたり、まったく嫌悪感なく受け入れられた。

神谷さんとなら…とデート終わりに神谷さんの自宅に向かう。



ーーそんな甘い考えは一瞬でひっくり返された


服を脱がされようとした瞬間に、一瞬であの光景がフラッシュバックしてきて、ガタガタと身体が震える

そんな異変に気付いたのか、手を止め子供をあやす様に抱き締められる。


こんなに好きなのに、奏汰となら、と思えるのに心がどうしても拒絶してしまう。

……あの事実を知られて軽蔑されたら?付き合ってからはそんな事ばかり考える。



「……菜々美。大丈夫。急がなくていいよ。付き合うまで何年でも待つつもりだったんだ。こうやって側にいて、抱き締められるだけでも幸せだよ」


「……ッ、好き…なのに」


奏汰の服に子供のようにしがみつく。実際きっと何年でも待ってくれるだろう。

……でもこれはフェアじゃない。抱いたあと知られて後悔されるより、今伝えた方がいいのではないか?


振られたら、また1人に戻るだけだ


「……奏汰…貴方に話したい事がある」


***


それからは嗚咽混じりだったと思うが、今までの経緯を話した。

何で人間不信、主に男性不信になったのか

義弟の事、学校の事、全て話し終えた。


ー捨てられるかな、気持ち悪いって言われるかな


振り払われたら悲しくなるから、しがみつく手を緩めると、離れさせないようにかキツく抱きしめられた。


「…ありがとう。話してくれて…」


奏汰の声が震えている。顔は見えないが泣いているのが分かる。


「そんな怖い思いしたのに、、馬鹿だな。身体の繋がりなんて些細な事だよ。本当にしたいと思えた時教えてくれたらいいから」


「うん…うん…ありがとう」


親に縋り付くように、その温もりを感じ大泣きしながら眠りについた。


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