〜*2話-15*〜
「本当…なのか?」
その泣き顔に胸がギュウッと締め付けられる。
ハンカチを取り出し隣に座る神谷さんの涙を拭う。
「…こんな嘘吐くわけないじゃないですか」
その言葉に私に腕を伸ばすが、急いで引っ込める
ーどうしたのだろうか?
首を傾げると
「神崎…抱き締めても良いか?」
あぁ、この人はどこまでも私を優先してくれる
「勿論ですよ」
私から神谷さんを抱き締め、その後苦しいくらいに抱き締め返される。
「本当に夢みたいだ…神崎…愛してる」
「私もです…。愛してます」
もう触れられる事に嫌悪感なんてなかった。
陽だまりに包まれているような、そんな多幸感から私からも涙が頬を伝う
****
それからは、普通の恋人のようにデートを重ねていった。そして数ヶ月後
付き合って居れば必ず訪れる、夜の営み
今までも、手を繋いだりキスをしたり、まったく嫌悪感なく受け入れられた。
神谷さんとなら…とデート終わりに神谷さんの自宅に向かう。
ーーそんな甘い考えは一瞬でひっくり返された
服を脱がされようとした瞬間に、一瞬であの光景がフラッシュバックしてきて、ガタガタと身体が震える
そんな異変に気付いたのか、手を止め子供をあやす様に抱き締められる。
こんなに好きなのに、奏汰となら、と思えるのに心がどうしても拒絶してしまう。
……あの事実を知られて軽蔑されたら?付き合ってからはそんな事ばかり考える。
「……菜々美。大丈夫。急がなくていいよ。付き合うまで何年でも待つつもりだったんだ。こうやって側にいて、抱き締められるだけでも幸せだよ」
「……ッ、好き…なのに」
奏汰の服に子供のようにしがみつく。実際きっと何年でも待ってくれるだろう。
……でもこれはフェアじゃない。抱いたあと知られて後悔されるより、今伝えた方がいいのではないか?
振られたら、また1人に戻るだけだ
「……奏汰…貴方に話したい事がある」
***
それからは嗚咽混じりだったと思うが、今までの経緯を話した。
何で人間不信、主に男性不信になったのか
義弟の事、学校の事、全て話し終えた。
ー捨てられるかな、気持ち悪いって言われるかな
振り払われたら悲しくなるから、しがみつく手を緩めると、離れさせないようにかキツく抱きしめられた。
「…ありがとう。話してくれて…」
奏汰の声が震えている。顔は見えないが泣いているのが分かる。
「そんな怖い思いしたのに、、馬鹿だな。身体の繋がりなんて些細な事だよ。本当にしたいと思えた時教えてくれたらいいから」
「うん…うん…ありがとう」
親に縋り付くように、その温もりを感じ大泣きしながら眠りについた。
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