〜*第2話-11*〜
その後戻ってきた父と継母は、慎吾が上手く言ったみたいでドア越しに「明日に備えゆっくりしなさい。もし体調が戻らないなら、私が引越しをしてくるから」
と優しく声を掛け離れていった。
血で汚れたシーツは慎吾が交換して持っていき、洗濯をしたようだ。
痛みと羞恥心と憎悪がグルグルと頭を支配する。
やっと、約1年の地獄を終えたと思ったら、義弟にこんな思いをさせられるなんて。
…どうして、私がこんな目に合わないといけないのか
ようやく収まったと思ったら、また溢れ出す涙。
2度と同じ思いはしたくない。
明日にはこの町から出ていけるんだ。
今後の生活は、望まれた人物像で過ごして生きていってやる。
*****
それからは極力家には寄り付かず、女子校・女子大に進む事で男絡みのトラブルはなく、周りの望む人物像で過ごす事で、穏やかに過ごした。
そして、無事社会人となりOLとして働き始めた時1人の男性と出会った。
男性を前にするとトラウマから、萎縮するようになっていた。そんな私の教育係として着く事になり、迷惑をかけてしまったらどうしよう…と悩んでいたが
そこまで萎縮すること無く、仕事を教えて貰うことが出来た。
この人のもつ穏やかな空気感のおかげかもしれない。
ーまぁ、だからどうって事じゃないけど。
出会って数年後。その後もその人とは普通の先輩・後輩として接することも多く、新人だった私も色々な仕事を任されるようになっていた。
「お疲れ様です。神谷さん今宜しいですか?」
「うん。どうした〜?」
本当この緩さは変わらない。最初は緊張させない為かと思って居たが、これがデフォルトらしい。
「A社に送る商品のサンプルなんですが……」
「あー、その時はここの……」
色々アドバイスを貰い、お礼を伝え離れようとすると
「本当…お前は出会った頃と全然変わらないねぇ」
と珈琲を飲みながら、唐突に言われた。
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