〜*第2話-4*〜
「なんだ」とこちらを見ることもなく発せられる言葉。
心底私の事が嫌いなのね。
ーまぁ、私もだけど
バレないように溜め息をつき本題に入る。
「殿下が以前より仰っていた、婚約破棄の件ですけれど。私も同意致しますわ。婚約破棄致しましょう」
その言葉に漸くロナルドと視線が合わさる。一瞬困惑の表情を浮かべたかと思うと、直ぐに鋭い目付きに戻る
「……何を考えている。婚約破棄を受け入れるだと?どういう事だ。」
「なにも?殿下の意見を尊重したまでですわ。」
ーうぅ、カフェインを飲むとより胃が痛む
紅茶を飲む手を止め、近くに立つテラス専属のメイドに水を持ってくるよう頼む。
その間もロナルドの視線は外れる事はない。
重苦しい空気を敢えて無視し、メイドから受け取った水を口に含む。
ー何か色々考えているんでしょうね。
アルベルティ公爵家の令嬢と破談になったところで、エクスタリア王家には痛手ではないだろう。
「さて、私はこれで失礼致します。今まで殿下には私の我儘にお付き合いさせてしまい、申し訳ありませんでした。御機嫌よう」
にこりと笑みを浮かべ、立ち上がると殿下も勢いよく立ち上がり、護身用の短剣を私の首元に押し当てる
『殿下!何を!』『お止め下さい!ご令嬢になにをなさってるのですか!』
ロナルドの従者が慌てたように、口早にロナルドを止めに入るも、まるで聞こえていないようだ。
スッと軽く手を挙げ、従者達を落ち着かせる。
「何か気に障る事でも言いましたか?」
世間話をするように、まるで何事もないように話しかける。そんな私が気に入らないのか、ギリッと唇を噛み締める。
「……本気で俺と婚約破棄をする気か?」
「勿論ですわ。殿下のお望みでしょう?」
「俺は其方にそのような事を言った事はない。何の話をしている。何を考えているのだ」
ーーーは!?婚約破棄を言っていない!?
途端にズキズキと頭が痛む。あぁ…なんて事。婚約破棄はあの女と出会った後に言い始めた事だと言うの?
じゃあ現在は、あの女が現れる前だと言う事??
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