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聖女の復讐は楽しみながら その6



「どっせい!」


チュギャァン


「はぁっ!」


バコーン


「いやぁ、久しぶりだよ。ここまで運動できるのは」


ホントに、聖女縛り外してからは本気の運動はしてなかったからね。

だからまともに打ち合える魔王の存在ってありがたい。


「はぁっ、はぁ。少しは手加減せんか!」


あれ?思ったよりバテてる。

体力随分落ちてますねぇ。


「ちっがぅわ!リーリアが強すぎるだけだ!」


照れますねぇ。


「照れるな!」

「あと、手加減はしてるよ。だってオリジナル魔法とか使ってないし」


私はオリジナルの魔法を多く持っていて、そのどれもが強力と言う言葉では物足りないくらいの力を持つ。

それらを使ったら流石に危ないので、使ってない。

それ抜きにしてもまだ全力は出してない。


「オリジナルって……ロストマジックを使える時点で今さらか」


呆れ顔で私の顔を見つめる魔王。

それをなんとも言えない表情で見つめる私。


「インフェルノ!」

「バーニング!」


と、無言で何の前触れもなく二人の魔法が激突。

その二つの炎は相殺し合うように消滅した。


「あっぶな!」


不意打ちはずるいよ。

ちょっと遅れたら危なかったよ?


「あのタイミングで返されるのは流石に自信なくすぞ」


魔王は魔王で卑怯な手を使っても全くダメージを与えられない状況に少し心が折れそうになっていた。


「我は一応魔王なのだがなぁ。聖女ってなんだったっけなぁ」


聖女って言うのは、神に仕える聖なる力を持った女性、だと思う。多分!

正しくは知らん!


「そういうことじゃないのだが」

「魔王様、聖女は聖女です。どんなことをしてもどんな力を持っても、聖女は聖女です」

「なんか最近私が言おうとしたことよく取られるのだけど」


まぁ、いいか。


「ホーリーランス」


私はホーリーランスを放たず、発動させて手に取った。


「魔法だけど、こういう使い方もありだよね」


私はホーリーランスを振り回して見せる。

しっくりこないなぁ。どちらかと言えば杖か剣がいいけど、まぁいいや。


「ちょっと待とうかリーリア。それで向かってくるつもりじゃないか?」


何を当然のことを。


「当たり前だよ。だって槍なんだし、投げないならもう突撃するしかないよね?」

「非常識め!」


どこが?

普通に槍を持って戦うだけですが?


というわけで槍を構え、魔王に向かって突撃した。

強固な障壁を張りながら。


「非常識が鎧を纏って迫ってくるぅ!!」


誰のこと?私のことだよね。


「くらえぇ!」

「ヒィッ!」


ドォォォーン



「やりすぎです!」

「すみません」


私は正座でメリアさんに叱られていた。


あの後、魔王には攻撃は避けられた。

そこまではいい。

だけど、突撃したとき、避けられてその勢いのまま壁に激突→そして貫通→最後に崩壊。


というわけで突撃した方向の闘技場の壁が、というかその方向の地面が丸々吹き飛んだ。

その時点でストップをくらい、説教に至る。


「何をどうしたら、こんなことになるんですか!?」


それは、その、


「魔法を発動するときに余剰魔力を込めておいて、それを手に持つことで制御してたの。それを攻撃の時に放して魔力を解放させて、強い衝撃波が起きるって」

「それで?」


目が笑ってない。けど顔は笑ってる…というか青筋が浮かんでる。

じゃなくて早く言わなければ。


「その魔力を思いの外込めすぎちゃって、まさかあんなになるとは思わなかった♪」

有罪(ギルティ)

「ひぃ!」


黒い影が、何かとてつもない影が取り憑いた?!


「リーリア♪」

「ご、こめんなさーーい」


その後、先程よりも大きな音がしたとかしなかったとか。

結局、何が起きたかは闘技場は綺麗に修理されておりその惨状から推測することはできず、その当時その場にいた人しか知らない。

その場にいた一人の証言によれば、盤若さんが非常識をボコボコにしたとかなんとか。その証言をしたその人もそれを語る際に酷く震えていた。



「うっうぅ。怖かった。怖かったよぉ」


メリアさん、いえ、メリア様には勝てないかも。


「わかる」


魔王が泣いている私を慰めてくれる。

振り返り、顔を見ると、何か遠い目をしていた。


「(これは慰めじゃなくて同情だ……)そ、そうだね」

「何を話しているのですか?」

「「ひぃやぁぁ!?」」


二人で話していたら等の本人が、二人の間からニュッと顔を出してきたから、二人して飛び上がった。

弱々しい悲鳴を上げて、二人のトップクラスの実力者が、ただのメイドに。


「な、なななにも、話していません」

「そ、そそうだ。何も話してないぞ。うん」


動揺しまくり、声震えまくり。

苦笑い、作り笑いを張り付けて話すものだから、メリアさんがジト目で見てくるから、余計に乾いた笑いがなるのは仕方がないことだと思うの。


「さて、魔王様。運動は済ませましたね?さっ、勇者がくるまで仕事ですよ」

「はい」


がっくりうなだれる魔王。

まぁ、逃げられないものね。


「リーリア。大人しくしてろ」

「は、はい」


命令口調で有無を言わせず私はメリアさんに従い、帰宅した。


それから本当に大人しくしてました。

家でゴロゴロしたり、実験したり、作戦を見直したり、寝たり、二度寝したり、三度寝したり、食事したり。

何だかんだで大人しくしていました。


そうして日々はあっという間に過ぎ、一週間が経過した。


そしてついに勇者が魔王城に到着した。


ようやく復讐は楽しみながらが終われる。

「これが終わったら色々とやるはやるけど、私は悠々自適に過ごすの。勇者め覚悟しろ!私の悠々自適生活のために犠牲になれぇい!」

てな感じかな?


あっ、ついでによろしければ、ブックマークや評価、いいねをお願いします。

今の今まで言ってこなかったけども、一応モチベに繋がるので。


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