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聖女の復讐は楽しみながら その5



「ヤッホー」


私は勇者の誘導を終え、一先ずグランに報告に来ていた。


「予定通り進みそうだよ。そっちは?」

「こっちも予定通りだ。教会では手を出せないレベルで進めてあるから問題ない。邪魔するならそれを理由に叩き潰すがな」


たっのもしぃ。

準備は順調。


「あとは決行だけだね」

「しくじるなよ」

「誰に言ってるの?」


私、失敗しないので。

できないことはやらないとも言う。


「違いない」


そんな談笑も終え、私は帰宅。

その後魔王城へ転移した。

一度帰宅したのは変装道具を置くためだ。



「というわけで、全部成功したので、あとは待つだけです!」

「来て早々それか。まぁ、いいのだが」


呆れた顔で見ないでよ。

これでも多少の苦労はしたんだから。


「そうだ。魔王、一つだけ話すことがあるんだけど」


流石に何も言わずに行うことは後々面倒なので、今のうちに多少の説明だけはすることにした。


「なんだ?」

「勇者たちを倒さないでほしいな」

「はい?」

「そんでもって逃げるところを私が捕まえるから」

「んん???」


説明終わり。


「もっと詳しく言え」

「と言われてもほぼこの通りだよ?」


上手いことグランとの作戦は伏せ、説明をした。


「まぁ、了解した。もとより勇者は殺すつもりはなかったし、逃げたあとのやつのことなど我は知らんからな」


ありがとう魔王。

理解早くて助かるよ。


それに地味に私がどんなこと企んでるかも薄々気づいてない?


何でそう思うかって?

だって、口角がヒクヒクしてるんだもん。


「魔王様、隠せてませんよ」


メリアさんも気づいて指摘してあげた。

そういうメリアさんも、少し口角が上がってません?


「それを言えばリーリアも、三日月のように口が割れてるぞ」


えっ?!嘘!


……あっ


「隠し事は向かんな、リーリア」


それは魔王限定ですぅ。

鉄仮面女なんて言われた時期もあったんですからね?!


「何を考えてるかわからんが、とりあえずそんな面影もないな」

「魔王が私の心の中を読んでくるぅ!」


絶対魔王はエスパーか何かだぁ!



一度落ち着いて。

まぁ、別に知られても問題はないわけだし、本気で隠そうとしていたわけでもない。


「詳細がわからんからなんとも言えないが、何か人の間で必要なことなのだろう?なら我は何も知らんからな」


つまりは、黙認してくれるわけね。

勇者は勝手に逃げただけ。

その後、たまたま事故があったり、たまたま捕まっても知らんもんは知らんってことだね。


ありがたいわ。

一応魔王の命を取りに来たわけだし、一応一度は取ってるわけだし、処刑にしないといけないとかそういうのを考慮していたけど問題ないみたいだね。


「さてと、あとは待つだけだから。本気で暇だなぁ」


問題は全て解決した。

あとはちょくちょく勇者を見るだけで大丈夫だ。

つまりは暇だ。


忙しくしていたから(前に比べたら少ないが)手持ち無沙汰になると途端に寂しくなるというか。


「何やろうかな」


暇とはいえ、実際まだ解決まで行ってないので、変なことには手をつけられない。

いつでも切り上げられるようなものがベストだ。


「なら、少し頼まれてくれるか?」


と、魔王。


なに?頼み?

いいよ暇だから。



私は魔王に連れられ、広場にきた。

いや、広場というよりかは、闘技場だね。


そんなところに何をしに来たのかと言うと


「リーリア、我と勝負しよう」


という、魔王の頼み事である。

無論オッケーは出したが、今さらいいのかな?

なんて。


「突然なんで?」

「ここ最近、我は運動をほとんどしておらん。万が一、億が一でも負ける可能性はなくしておきたい」


真面目ぇ。いや、そんなことないでしょ。というか最悪私もいるんだし。


いや、まぁでも、いいか。


「わかった。……とか言いつつ、ホントはただ私とやりたいだけとか……って、んなわけないか」

「も、も勿論」


モ·桃チロンってなに?

って、そうじゃなくて、ホントに私とやりたいだけ?

意外とそういう面、あるんだ。


「ジトー」

「声で言うな」

「別にいいじゃん」


ジト目で見てるんだから擬音の一つや二つつけても何も罰は当たらないわ。


「まっ、そういうところも可愛い。それに私もわりとワクワクしてるんだよね」


体動かすのは私も久しぶりだし。


最近は基本転移ばっかりだし、戦闘もしてたけど魔法で一発だからね。

体が鈍ってるのは間違いない。


「二人とも準備はよろしいですね。審判は私が勤めましょう。勝敗はどちらかが降参を宣言するか、意識を失うかです」


審判はメリアさんがやってくれる。

というかメリアさんは止めないのね?

一応、主を殴るって言ってるのに。


「一度発散させた方が後で有利なので」


あっ、はい。

魔王、涙目。

仕事、忙しいのね。


「まぁ今はこれに集中しようか」

「そうだな。行くぞ、リーリア!」

「どーんとこいっ!魔王!」


「それでは初め!」



リーリアは暇になってしまった。残り日数を飛ばすのもありだけどこれだけやったらかな。



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