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聖女、薬配布



お茶会が終わり、私は数日暇な時間を過ごした。

本当はすぐに配布を始める予定だったが、私の案を実行することになったので細かいところの調整が必要となったので(主に貴族方面)魔王は忙しく動いていた。

メリアさんはそのお付きで世話をしていたので忙しいとまでは行かなかったが暇ではなかった。


そうして数日後、私はメリアさんとともに薬の配布を始めようとしていた。


「さて、どこから回っていこうか」

「最初は人の集まる都市、ではなく人間の国に近い村から回ろうと思います」


確かにそのほうがいいね。


ちなみに私はどこから回るとか言われても、魔族側の地理に関して全くと言っていいほどわからないので計画は知らない。

それと、私に関してだが、今回は普通のリーリアとして、お手伝いとしてメリアさんについていく形で参加する。

理由は、いらん反乱をする暇はないから、だ。


メリアさんは魔王おつきのメイドさんなので、メリアさんに文句やら何やらを言う=魔王への侮辱などと取れるのでそれを盾に反乱とかいらない時間は取らないようにする。


「さて、行きますか」

「うん」


私は浮いた。


「飛んではいきませんよ」


えっ?

……涼しい顔して実はメリアさんも?


「私は魔王様と違って平気です。が、飛んでいくと変に警戒されます」


あぁ、確かにそうね。

飛んできたら、敵か?!ってなるもんね。

うーん、最近は魔法を解禁したからか何でも魔法で解決しようとする思考にあるなぁ。気をつけないと。


私は自分の行動を戒めた。

これからはちゃんと自力で解決できるようにします!……できる限り。


「一人で考えるのはいいですが早く乗ってください」


言われて顔をあげると、ハッキリとはよせい、と顔に書かれたメリアさんが業者台からこちらを見ていた。


「すんません!」


大急ぎで馬車に乗り込む。


そう言えば、メリアさん、馬車の運転に関して全く譲ってくれなかったなぁ。

なんて、業者台に座るメリアさんを見てそんなことを思い出した。



座って見て思ったのは、座席が柔らかいということ。

以前に乗った馬車(畑作りの時)は衝撃こそあまりなかったが、これほど柔らかくはなかった。


なんでだろ?


そう思ったが、その答えはすぐにわかることとなる。


「それでは、それいけ!」


ん???

なんかメリアさん、いつもとテンションが違っあぁぁ!?


メリアさんのテンションの違いに戸惑い疑問に思ったのも束の間、私の体は宙に浮いた。


「ひゃっ!?痛っ!?」


そして私は今の自分の状況に気づいた。


私しゃ、ボールか!?


よく跳ねるボールのように私の体は馬車の至るところに激突させられていた。

これから導かれるのはつまり、馬車が異常なスピードで、異常な機動で動いているということだ。


どんな運転かは中からじゃ全くわからないが、ただ一つわかったこと。

それは、決してメリアさんの運転する馬車になんぞ二度と乗らん!と誓った。


そして、今の私の感想はこの一言に尽きる。


あァァんまりだァァア!


村につく頃にはリーリアは心身ともにボロボロになっていた。

しかし不思議なことに薬に関しては傷一つついていなかった。

確かに梱包には包んでいたが、それはごく普通のそれだけなのに。あの運転で普通のそれで傷一つつかないとか、ありえないのに。

リーリアはそのことに気づきはしたものの気にすることはできなかった。


ちょっとだけ、魔王に空が怖い云々に関して謝罪を送るとしよう。

こういうことなのね。ごめんなさい。



その後、なんとか持ち直した私は、メリアさんと共に簡易テントを張り(目印として、防犯として)、拡張魔法で声を村中に届け配布を開始した。


ちなみにこの拡張魔法は風魔法でもあるが、私が使ってるのはそれとは別のものだ、ということを勘違いしないでもらいたい。


「使用上の注意は特にありません。普通の薬と同じようにお使いください。ですがこれは数に限りがありますので横流しなどはしないようにしてください。それと自分は大丈夫だからと使わないのはやめてください」


この注意はあのあと、決めた注意だ。

薬に関してはその通りなのだが、あえて言うことで知らないや忘れたなどは通させないようにするためのものでもある。

横流しなどについては脅しの意味も込めて言わせてもらってます。

横流しすんなよ?してもわかるんだからな?ちゃんと自分で使えよ?みたいな言葉が裏に隠されている。


半分は冗談だけど。


それを配る度に告げていき、薬を渡していく。

それと同時に予めこのために作っておいたもの、数える君が人の数を数えている。


この数える君、命名は魔王である。

最初はカウントウォッチとかで良いかと思ってたけど、その名前を言って渾身の出来だと胸を張る魔王を前に渋々とつけさせてもらった。


人の数を数えているのはこの前の案のためだ。

苦労は特にない。自動カウントだからね。

仕組みはセンサーで人を捉えカウントしていく。

また、センサーに引っかかる度にカウントが増えてもらっても困るので魔力の波長も今回は搭載している。同じ波長の人に対してはカウントしないようになっている。


人には誰しも魔力があり、その魔力は十人十色であり、一から十まで全て同じ人はいない。

それを利用したのが今回のだが、当然例外はある。

例えばゴーレムとかゾンビとかだ。あれは魔力によって動いているがその魔力は製作者の魔力なので全く同じ時がある。

って、こんなところにそんなものがいるわけないので今回に関しては関係ない。


さて、どんどん配らないと、まだ始まったばかりだからねぇ〜。






あァァァんまりだァァアの部分、アァァと悲鳴を書こうとしてたら変換に何故か出てきて面白いかなと思ってそっちにした。(どうでも話)


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