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聖女、女神になる その3



「メリア、戻ったか」


魔王がメリアさんの姿を見るなり声を出した。

口には出してないが多分報告はよ、ってところだろうか。


「ただいま戻りました」

「早速報告を」

「はい」


メリアさんは淡々と現在の状況を話し始めた。


感染の確認された村にはすでに薬を配布したそうだ。

それにより、回復の兆しが確認、しばらく様子を見ると、完治したそうだ。


とりあえずよかった。

私はそこまでの報告でホッと一息ついた。


その後、同じく確認された村を周り感染者、また感染者の身内への薬の配布を終了した。


ちなみに、ここで村の全員に使わなかったのはたんにメリアさん一人が一度に運べる量などたかがしれてるからだ。

メリアさんの行いはあくまで応急処置。

全ての国民への情報共有のあと、魔王と私が国の全土を回るつもりだったのだ。


前の調べで確認された村はそこで終了したが、念の為に周辺の村、また風下にある村への確認を行ったそうだ。

するとそれらしき症状が確認され、同じく薬を飲ませた。

そこで切り上げ帰ってきたというわけだ。


「ご苦労。メリアも薬を飲んでおけ」

「はい、私は一度薬を飲んでから休みますので」


それだけ告げてメリアさんは私たちの前から姿を消した。


いや、普通に部屋に行こう?

と、ひっそりと心のなかでツッコミをしたのは秘密だ。


「さて、さっきの話の続きと行くか」

「そうだね」


作り話の内容はこう。



ある日、ある村で恐ろしい病が流行った。

その病は人々を蝕み、死へと誘った(死んだとは言ってない)。

そんな魔族の姿を見て悲しんだ女神は我々に力を貸した。

村の人々全員を治したのだ。

しかし、村の人々は言うのだ。

他の村の人々も助けてくださいませんか、と(国という名の村の魔王だけど)。

その時すでにその病は国中を蝕もうとしていた。


しかし、今から全てを救うには難しい。

そう判断した女神は国中に行き渡る数の薬を作ったのだ。

これで安心、そう思ったが、女神は見てしまったのだ。

満足に食べ物が手に入らず死にそうな人々を(見てはいないがそう報告がある)。

これでは病が治ってもいずれ餓死してしまう。

しかし、力はむやみには使うことはできない(まぁ、スキルはそうですけど、それ以外は普通に使ってます)。

だから魔王と話し協力してこの国の畑を作り直したのだ。栄養のある、豊かな畑に。


女神はしばらくの間この国に留まることを決めた。

我らの成長を見届けるために……。



と、こんな感じになりました。


「随分と都合のいい話だが」

「なにせ相手は女神ですし、いいんじゃないんですかね」


そうだな、そうそう、と二人は笑い合う。

女神が相手ならば我ら人類の考え至らぬお考えがあるのだよ(笑)。


「それに、実際にあったことだし、嘘はほとんど言ってない」


時系列が違ったり、他の人を助けてとは言われてない。そんな

些細なことにイチャモンをつける輩はいないだろうし。


魔王のことを入れたのは、私たちは仲がいいんですよ、って言うことをさり気なく理解しやすくするためだ。

だって何もないのにいきなり仲良かったら怪しいじゃん?

その点、しっかり協力したことを伝えれば魔王とその時仲良くなったんだなぁ、と自然に考えられ、ついでに評判も上げておこうかと。


「筋書きは問題ないな」

「次は私の見た目について」


ちなみに私の外見は白みがかった金色の髪、ほんの少しだけふくよかな胸(平均よりちょっとだけ大きい)と、綺麗な体のラインと、割とスタイルはいい。

顔も平均よりは上なはずだ。


「そうだな。そのまま出てもいいのだが」

「私が普通に生活できなくなる」


私が望むは普通な生活。

決して、特別な肩書はいらない。


「確かに面倒だろうな」


魔王がかなり深いため息を吐き、疲れたような顔をした。


多分、すでに味わった身だろう。

そりゃ魔王ですから。


「そのためにも、あとは、見た目から疑われないためにも変装をさせていただきます」

「疑われる?」

「女神なのに美しくない、とか」


いつかは忘れたがどこかの馬鹿に、聖女らしくないと言われた。

理由が美しくないから、だと。

確かにあのときは厚化粧で誤魔化さないといけないほど顔は酷かったからね。というか私の顔は平均くらいだからね。


ちなみにそのことを言ったやつは、その後『私の方が美しい!私こそが聖女なの』みたいなことを吐かしたが実力は私の足元にも及ばなかったので笑われて終わっていた。よっぽど自分の顔に自信でもあったのかしら?

あのときは深く考えられないほど疲れてたから考えなかったけど、今にして思えばあの子は馬鹿ね。甘やかされて育った感じの馬鹿ね。


ま、それはそれとして、私の言いたいことは女神が微妙な顔だったりしたらちょっと変でしょ?って話し。


私は魔王にそんなふうに説明した。


「そんなもの、素のリーリアが女神と言われてもおかしくないくらい可愛いし、美しいんだから問題あるまい」


ヒュングサッ。

私の心にクリティカル。


か、かわっ?!私が美しい?!そんなバカな。今まで言われたことない。お世辞に言われたことはあるけど。


魔王の率直な言葉は私の心へ的確にクリティカルを当ててきた。私の顔は真っ赤に燃え上がるように赤く染まる。


「も、もし、魔王さん?私をからかってるのかえ?」


ど、動揺して変な言語を使っちゃった。


「な、なんだその言語。いや、そうじゃないくて事実だぞ?誇張なしにこの評価を与えられるほどお前の見た目は完成している」


な、なんだと?

普通な顔だと、ずっと思ってたわ!スタイルは多少良いと思ってたけど。

いや、魔王にそう見えるだけで私は普通。絶対美人なんてことはない!


「な、何をそこまで否定してるのだ?」


そんな様子を呆れながら見ていた魔王だった。




リーリアの見た目について書いてこなかったのを思い出しついでにと。

前に書いた記憶はないのですが矛盾などがあったら申し訳ありません。


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