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聖女、女神になる その2



「さて、魔王。これから私がやることはある?」


心も落ち着いた。

今の私はたとえ神が相手でも勝てる自信があるわ。


「いや、特にないが」

「………ガーン」

「それを言うやつを初めて見た」


なんでよ、折角張り切りすぎて爆発しそうなくらい今の私は力強いのに!

いや、わかってた。なんとなくわかってはいた。

薬が完成した今、あとはそれを配るだけだと言うことくらい。


それでもさ?何かしたいんだよ。なにかさせてよ。

ね?と口に出さずに顔だけ魔王に詰めよる。


「何が、ね?だ!近いわ!」


すみません。


「だが、そうだな……」


ん?なんだろう、なんか魔王が笑ってる?

いや、気の所為だよね?

表情の変化はないとはいえ、なんだか、怖いんですが?


言い出したの自分ですが、断ってもいいですか?

何も言われる前から断ろうとする私。


「なら魔族たちの救いの女神になってもらおうか」


女神?女の神様、訳して女神?

女髪と間違ってない?いや、これも意味がわからない。


よくわからない。けれど


「それは辞退できますよね?」


と、魔王に聞いている。


すると魔王は笑みを浮かべて


「なにかしたいのだろう?させてやろう。功労者を英雄と称えるようなものだ。これまでとは対して変わらん」

「いや、確かに聖女のときと変わりませんけども!」


やることは変わらない。

けどさ?神だよ?聖女の仕える存在みたいなもんだよ?

いきなりそれを名乗れとかアホなの?


魔王のジト目が刺さる。


「すみませんでした」

「許す」


それはさておき、意味はあるのだろう。

象徴的存在があれば心の拠り所というものができる。

なおかつ、今回の件、それに加えて畑作りの件を私の功績にするためには確かにそういうのは必要だろう。実際そんな優しさはあるのだろう。 

まぁ、一番はそれを成したのが人間である私だと、色々あるからだろうが。


次に、女神と名乗らせる理由は、恐らく手の届かぬ存在、ということにしておきたいのだろう。

心の拠り所といえども何度も何度も頼るのは違う。

それでは私がいなくなった瞬間に瓦解してしまうような脆い国になるのだろう。

ついでに言えば私と交渉できるのは魔王だけとすれば政治的な面でも色々と楽なのだろう。


最後に人間国への牽制といったところか。

自分たちには女神がいる。そう言えば女神というのは否定しても魔王と同等かそれよりも強いなにかがいると判断される可能性は大きい。

そうなればおいそれと手を出してはこないだろう。


正しく、私と魔族の平和の女神だ。


確かに色々考えられてるから、根っから否定はできない。


それでもさ?


「恥ずかしいので断りたいです」

「無理だ」


んー、ですよねぇー。


「言っておくが、もともとそういうのは計画されていたが形になったのはリーリアが事を成してからだ」


英雄を作ろうみたいのはあったのね。

多分平和、でなく、戦いのだろうが。


「これ幸いにと、頭の硬い開戦派の連中を抑えるためにこれを決めたのだ」


まぁ、それはいいとして、今すっごく怖いことが聞こえたのですが?

開戦派って、派閥争いみたいのしてたの?そんなふうには見えないけど?


ここに来てからしか見てないけど、皆さん優しくて争いを望まない人ばかり、だと思ってたのですが?


「そういうのはどの種族にもいるわけね」

「まぁ、ほんの一部だが」


ほんの一部ね。本当に少数派の意見ではあるけどそれを唱えているのが偉いさん何でしょうねぇ。


「仕方ないかぁ」


私も争いの火種を消せるならそれに越したことはない。

優しくしてくれた人たちが死ぬのは私は見たくない。

それはどちらに対しても同じだ。

優しい人がなくなるのは見ていられない。

涙が流れるのは見たくない。


そして何より私自身が涙を流したくない。


だから私はその提案を受けることにした。


「いいよ。私で良ければ」

「すまない。こちらの都合を押し付ける形になってしまって」

「私もこの国にお世話になってる身。それに魔王様の友達だよ?これくらいで良ければ受け入れるよ」


正直恥ずかしいとか色々とあるけれど、それでも私の中では羞恥心などのものは私の中で割り切っている。

それに手がないわけじゃないから。


「それでは、打ち合わせと行こう。メリアが戻るまでとことんな。少しでも負担を減らせるように」


魔王はやっぱり優しい。

こうやって気づかってくれてるから。普通なら王様が一番上なんだから気を遣うなんてないでしょ?あっ、嘘、例外はある。

じゃあ魔王は、例外に並ぶ。


それは置いといて、私と魔王は演出、設定、作り話、色々と調整をいれ、当日の日程などを組み立てていった。


日程は当然お披露目のだ。


一通り話し終えたところでメリアさんが戻ってきた。






まだまだ続くよ。多分その五、六までは覚悟してます。(もしかしたらいつもの何倍かを一気に書くかもしれない)


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