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聖女、制作に取り掛かる



さて、材料はあるということなので、私は作るための道具やらを取り出してすぐに取り掛かれるようにしよう。


ニュッとどこからかビーカーやすり鉢などを取り出し近くの机に置いた。


「……あえて何も聞かんが、どこから出したのだ?」

「ガッツリ聞いてるじゃん」


聞かないって言ってるのに、何で聞くのよ。

それにこれは、秘密道具シリーズのものだから何も言わないよ!


「あぁ、言えないよな」

「うん、秘密道具シリーズは秘密じゃないとね」


どこかのおじさんがそう言ってた。

それにこの中には切り札も仕込んでるんだからおいそれと言うわけにはいかない。


「よくわからん理論だが、まぁ、わかった」

「じゃ、材料取りに行くから……どこにあるの?」

「案内する。ついてこい」


ちょっと疲れたように言葉を溢す魔王。

だが、その声の中に少しだけ、嬉しそうなものを感じたのは気の所為、かな?


言及は魔王のためにやめた。



魔王に連れられ私は城の地下に来た。

ここには前に泊まっていたときには来なかったので初めてだ。


正直なことを言うと、ここはお宝の宝庫と言えるような場所で今かなりはしゃいでいる。

どれくらいか?今すぐに素材に飛びかかって懐に入れて持って帰りたいくらいだ。


「リーリア」


あぁ、これは前から欲しかったやつ。これがあれば面白いものを作れるんだよねぇ。


「リーリア?」


あっ、こっちは展開石!これなんて一度だってオークションで見たことのない幻のものだと思ってたのに!

これがあれば色々と便利になるんだよね。ちょっと位……はっ!駄目駄目。


「リーリア!」


あっちには、魔剣がある!

聖剣と対をなす剣でその能力は未だわかっていないものでーー


「リィーリィアァ!!!」

「フミャァィやァン!?!」


怒声と奇声が上がった。


すんません!本当にすんません!

体を張って全力で謝罪した。


それが功を奏したかはわからないが普通に許してくれた。


いやぁ、怖かったですなぁ。

魔王様が怒るときってマジで魔王様だから。

なるだけ怒らせないようにしないと。


「さっさと行くぞ」


うん、わかっ……何で手を繋いでるんですか?


「リーリアがまた道草しないように」

「私しゃ犬か!」

「犬よりも質の悪いものだろう!」

「酷くない!?」


私も流石に泣くよ!?

えっ?心当たり?ない……はず。多分、きっと。


「あぁ、ごめんなさい!謝るから、謝るから引きずらないでぇ!」


その後、しばらくの間、魔王は話を聞いてくれなかった。

犬みたいに扱われるのもしばらく続いた。



そんなこともありつつ制作のために必要なものは揃っていた。


「瓶以外ね」

「それは今すぐに用意させてるから、とりあえず大きめなつぼにでも入れておけ」


問題はないためそれで行く。


まずは素材を完成させないとね。

吸帯石に私の聖女の術を付与する!


「ふっ!」


付与するならば何でもいいかと聞かれたらノーである。

理由はこの術の効果を十全に保ったまま付与できるのはこの吸帯石のみなのだ。


「よし」


吸帯石が僅かに白い光を帯びた。

これで成功だ。


「次、粉砕!」


粉砕する。しっかり粉末状になるまでね。


ちなみに、この吸帯石にした理由の2つ目がこれである。

粉末状にして、水に溶かすのだが、その際水にしっかりと溶けるのだ。不思議だ。

それはそうと、


「これは……魔王お願い」

「えっ!?」


突然話を振られたので戸惑ったが、今からやることは事前に言っているので聡い魔王ならわかってくれるだろう。


「リーリア、面倒なだけだな?」

「そこまでわからなくてもいい」


聡すぎるのも問題だね。


その後普通にやってくれた。

その間私はどんどんと付与をしていった。

ちなみに一回の付与につき3個ずつしかできません!

理由は、それ以上は出力を上げられません。上げたらスキルが発動しかねません!

面倒くさいがやるしかない。



付与する、付与する、を繰り返して半日。

全ての付与が完了した。

粉砕にはまだ時間がかかるが出来上がったものを使い薬を作っていこう。


さてと、3分お料理の時間です。


「まずは、つぼにいれた水を用意します」


薬のベースです。


「そこに吸帯石の粉末を入れます」


薬の核です。


「ここでは混ぜず、お次に繋ぎの草を投入します」


この草は素材同士を結びつきやすくする効果があります。


「そして混ぜます」


今回は時間もあまりないので、魔法を使わせていただきます。

水魔法のスクリューで一気にかき混ぜます。


「水が仄かに白く光れば完成です」


と、薬自体はここまでで終わりです。

ですが、売るためにはここからもう一手間かけましょう。


「封魔の草と水魔草を混ぜ合わせた特殊な梱包材、これに包みましょう」


これがなければ水に溶けた魔力が逃げたり、水自体が蒸発してしまい効果が落ちる、最悪なくなってしまうのです。また、外からの魔力も混ざらなくなります。

外の魔力は基本的に無害ですが時々、変な魔力もあり、それが体に害を及ぼすこともあります。

なのでそれも遮断できるようにこの梱包材を選びました。


「これで包めば、はい、どんな病にもこれ一本で効く、聖女(元)印の完治薬の完成です」

「そんな茶番はいいから手を動かせ!」


茶番じゃないけど、お叱りを受けたので黙って制作を続けます。

私は手を動かし続けた。

特に話す内容もなかったのでひたすら無言で、私は調合を魔王は粉砕を続けた。


途中で魔王が粉砕を終わらせ、調合を手伝うと言ってくれたが、これに関しては私がやらないといけないので私がすることにした。

断ったとき申し訳無さそうな表情をされたので、後で謝っておこう。


だけど、今は制作を続けないと。

まだ百万だ。全員の手に渡るようにするにはまだまだ足りない。予備は最悪あとでもいいが、それを引いても終わりはもうちょい先のことだ。


終わりは遠いが終わりがあるだけマシだろうし、これの一つ一つが人を救うのだと考えれば嫌な気持ちにはならない。

むしろ積極的に作りたいくらいだ。


その後も私は無言の集中力で作り続けていった。 




ブックマークや評価が結構増えてて驚いた。

評価をしてくれた皆様ありがとうございます。



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