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成り代わり令嬢「後編」(転生者視点)

私が森の散策に出かけている間に、入れ替わった事を唯一知っているマリルレーゼが城から逃げようとしていた。

しかし間者の疑いがあるとして傭兵団、今は騎士や衛士として取立てた彼らに監視させていたので適切に処置したと報告があった。

そこまではすべてが順調だった。

だけど学園に入学してからは、なにもかもが上手くいかない。

私は選択肢だけじゃなく、全ルートの台詞を完璧に覚えている。

ヒロインが攻略対象に言うはずだった台詞は私が先に伝えた。

ところが好感度は上るはずなのに、どうにも様子がおかしい。

なにを間違えた?

あの逃げ出した本物のライバル令嬢、平民になる前に何か余計なことをしたんじゃないでしょうね。

学園での私は猫を何重にもかぶっている。

「リーゼロッテ嬢、移動教室ですが荷物をお持ちしましょうか?」

モブのおまえに用はない!

「ヒラタガオ様、ありがとうございます」

私は本音を隠して笑顔でお礼を言う。

なんですり寄ってくるのは爵位の低いモブばかりなの。

私は希少な光の魔力保持者で学園の成績もヒロインより上よ。

それに領地の悪人たちを懲らしめ、攻略対象の心の問題に助言したりしたわ。

なのにみんな私の功績を認めず、問題解決の糸口を与えた私の言葉に感謝しないの!



そして運命のダンスパーティが目前に迫ってきた。

ゲームでは来週おこなわれるダンスパーティに一番好感度が高い相手がパートナーになってほしいと申し込んでくる。

これはヒロインに限って起こるイベントではない。

ヒロインよりライバル令嬢の方が好感度が高ければ、バッドエンドとして攻略対象者はライバル令嬢と結ばれるのだ。

狙いは王太子殿下だが、保険として他の攻略対象者の問題にも助言をしたり、イベント発生場所で偶然を装い接触して好感度パラメーターを上げておいた。

私はヒロインより成績や爵位も上であり、攻略対象者にはそれなりに恩を売っている。

これはレベルや好感度を上げてライバル令嬢に勝ち、攻略対象をゲットする目的のゲームだから、当然初期状態はライバル令嬢の方がかなり有利に設定されているので十分勝算があるはずだ。

だけど私には誰からもパートナーの申し込みがなかった。

おかしい!

今まで色々なことがあったが、途中で失敗しても最後には上手くいっていた。

私は転生者だ。

転生者は幸福になるのがセオリーだ。

ならなにがおかしい。

それは世界だ。

私は真理に到達した。

そして天啓をを得た。

当日ヒロインがダンスパーティにパートナーとして出席できなければ、代わりに私がパートナーとして出席出来るはずだ。

安心してヒロインさん、殺したりしないから。

私はよく効く便秘解消薬を準備した。

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