死ねばもれなく敗北者
久しぶりの投稿でええsっすううううううううううううううううううう!!!
遅れてさあせん!!戦闘描写で行き詰まってたんです。
『時間かけ過ぎって言ったでしょ?』
〈陸竜落仔〉の死体を見た冴子さんの言葉であったが、それは果たして正しかった。
腸をぶち抜かれ臓腑を撒き散らしながら絶命した〈陸竜落仔〉の死骸、血が流れたことにより七層の有り様が明らかに変化したのだ。
肉の生臭い匂いは腹の空かせた迷宮生物のことを、血の芳醇な匂いは迷宮生物の闘争本能を湧き立たせるものだ。
事実として〈陸竜落仔〉の死骸が放つ死臭に、第七層に棲息する凶悪な迷宮生物が当てられて寄ってきた。
遠く離れても尚、明確に感じられる殺意、敵意戦意その他諸々の重厚な悪意。それが大群を列挙して、地響きと共にやって来る様子が、壁に反響して複雑に乱反射した音から察せられた。
―俺の直感だが足音から察するにそいつ等はどいつもこいつも強い。
『5秒で倒せなきゃお話にならない』
とは冴子さんの発言であったが、それは恐らく最小限の出血に抑え且つ血肉の匂いの充満を抑える目的があったのだ。更に〈陸竜落仔〉より強くより凶悪な迷宮生物がうようよしていることも考慮すると5秒で倒せることが最低条件になる。
だからだろう。俺が、深部に潜っても死なない様になるために強化する。
『特訓だね。にししっ』
5秒で〈陸竜落仔〉を倒せるようになる為の特訓の開幕である。
深部とは人間にとって過酷な世界である。一見すると美しくても、訪れる者何人たりともを阻むかの如き想像を絶する恐怖と脅威が潜んでいる。
それは環境に限った話ではない。
深部を舞台に繰り広げられる弱肉強食の生存競争は、力のない〈冒険者〉を容易に蹴散らす。例え高級冒険者であっても、油断すればあっという間に塵になる。慢心する者がなれるのは、精々壁の染みか地面の汚れ、……あとは餌くらいだろう。
――そしてそれは何も人間に限った話ではなく、強者たる迷宮生物にも適用される。
〈天蜘蛛の巣糸〉の糸を巻き取ると同時に、大地を蹴って一気に加速する俺。
糸の先端は、〈陸竜落仔〉に固定されていて、あっと言う間に肉薄する。糸を巻くことをそのまま、固定された先端を基点に輪を描くように跳ぶと遠心力を活かしながら〈陸竜落仔〉を斬り付けた。ここまでの時間約3秒。
そしてそのまま〈衝撃斧〉が〈陸竜落仔〉に突き刺さり、その首を吹き飛ばした。
俺は及第点を取れたのかと冴子さんを見やるが、偶々やって来た2体の〈動く石像〉を相手していた。割とどの迷宮遺跡の深部にも置いてある言わばセキュリティの様な迷宮生物なのだ。……単なる動くだけの石像を生物と言っていいのか疑問ではあるが。
一体の核を突きで潰すと冴子さんは、もう一体の攻撃を掻い潜りそのまま攻撃を利用した。迫りくる腕に飛び乗るとその上を駆け抜け一瞬で踏破し、勢いよく跳び踵下ろしを繰り出す。
刀の如き鋭利さと勢いを以て繰り出された単なる踵下ろしが石像を頭部から両断した。核を砕かれた2体の〈動く石像〉は事切れたかの様に崩れ落ち、そのまま動かなくなる。
……A級になると単なる突きが砲撃となり、単なる蹴りが斬撃へと昇華されると言うのだろうか。俺が目指す所は一体……。
「久々に石を蹴り斬ったけど、やっぱし鈍ってるなぁ」
蹴りで石像を両断するという離れ業を行っても尚、冴子さんにとって納得が行く結果ではなかったようだ。
「やるじゃん。3秒ちょいか。上々上々……だけど、気を抜くにはまだ早いよ?」
〈陸竜落仔時間かけ過ぎって言ったでしょ?』
〈陸竜落仔〉の死体を見た冴子さんの言葉であったが、それは果たして正しかった。
腸をぶち抜かれ臓腑を撒き散らしながら絶命した〈陸竜落仔〉の死骸、血が流れたことにより七層の有り様が明らかに変化したのだ。
肉の生臭い匂いは腹の空かせた迷宮生物のことを、血の芳醇な匂いは迷宮生物の闘争本能を湧き立たせるものだ。
事実として〈陸竜落仔〉の死骸が放つ死臭に、第七層に棲息する凶悪な迷宮生物が当てられて寄ってきた。
遠く離れても尚、明確に感じられる殺意、敵意戦意その他諸々の重厚な悪意。それが大群を列挙して、地響きと共にやって来る様子が、壁に反響して複雑に乱反射した音から察せられた。
―俺の直感だが足音から察するにそいつ等はどいつもこいつも強い。
『5秒で倒せなきゃお話にならない』
とは冴子さんの発言であったが、それは恐らく最小限の出血に抑え且つ血肉の匂いの充満を抑える目的があったのだ。更に〈陸竜落仔〉より強くより凶悪な迷宮生物がうようよしていることも考慮すると5秒で倒せることが最低条件になる。
だからだろう。俺が、深部に潜っても死なない様になるために強化する。
『特訓だね。にししっ』
5秒で〈陸竜落仔〉を倒せるようになる為の特訓の開幕である。
深部とは人間にとって過酷な世界である。一見すると美しくても、訪れる者何人たりともを阻むかの如き想像を絶する恐怖と脅威が潜んでいる。
それは環境に限った話ではない。
深部を舞台に繰り広げられる弱肉強食の生存競争は、力のない〈冒険者〉を容易に蹴散らす。例え高級冒険者であっても、油断すればあっという間に塵になる。慢心する者がなれるのは、精々壁の染みか地面の汚れ、……あとは餌くらいだろう。
――そしてそれは何も人間に限った話ではなく、強者たる迷宮生物にも適用される。
〈天蜘蛛の巣糸〉の糸を巻き取ると同時に、大地を蹴って一気に加速する俺。
糸の先端は、〈陸竜落仔〉に固定されていて、あっと言う間に肉薄する。糸を巻くことをそのまま、固定された先端を基点に輪を描くように跳ぶと遠心力を活かしながら〈陸竜落仔〉を斬り付けた。ここまでの時間約3秒。
そしてそのまま〈衝撃斧〉が〈陸竜落仔〉に突き刺さり、その首を吹き飛ばした。
俺は及第点を取れたのかと冴子さんを見やるが、偶々やって来た2体の〈動く石像〉を相手していた。割とどの迷宮遺跡の深部にも置いてある言わばセキュリティの様な迷宮生物なのだ。……単なる動くだけの石像を生物と言っていいのか疑問ではあるが。
一体の核を突きで潰すと冴子さんは、もう一体の攻撃を掻い潜りそのまま攻撃を利用した。迫りくる腕に飛び乗るとその上を駆け抜け一瞬で踏破し、勢いよく跳び踵下ろしを繰り出す。
刀の如き鋭利さと勢いを以て繰り出された単なる踵下ろしが石像を頭部から両断した。核を砕かれた2体の〈動く石像〉は事切れたかの様に崩れ落ち、そのまま動かなくなる。
……A級になると単なる突きが砲撃となり、単なる蹴りが斬撃へと昇華されると言うのだろうか。俺が目指す所は一体……。
「久々に石を蹴り斬ったけど、やっぱし鈍ってるなぁ」
蹴りで石像を両断するという離れ業を行っても尚、冴子さんにとって納得が行く結果ではなかったようだ。
「やるじゃん。3秒ちょいか。上々上々……だけど、気を抜くにはまだ早いよ?」
〈陸竜落仔〉狩りに関しては冴子さんのお眼鏡に叶った見たいだが、血の匂いに釣られて新たに迷宮生物がやってくる。
ごつごつとした大岩の如し蟹型の迷宮生物が3体、鋏をガチガチと打ち鳴らしながら返り血をふんだんに浴びた俺に近付いて来た。眼を真紅に光らせながら、重厚な殺意を身に纏いながら。
互いに威嚇しあいながら俺との間合いを詰める様子を見るに、この迷宮生物たちは協調性があまり無い様だ。
だが、俺が警戒するのはこんな雑魚ではない。
ドゴオオ!!!
ごつごつした蟹型の迷宮生物たちは、背後から迫る剛腕によって3体まとめて叩き潰された。
「ブモオオオオオオオ!!!!!」
雄叫びを上げながら大地を自身の体重で揺らす大巨漢。筋骨隆々な人型の牛〈牛巨人〉が、拳から血を滴らせながらゆっくりと歩いていた。
その威圧感はかつて二層で遭遇した〈大翼狼〉に匹敵する。
〈牛巨人〉が、俺のことを見初めた瞬間、奴の筋肉が躍動した。そして、姿が掻き消えたかと思うと、俺の目の前に〈牛巨人〉は居た。奴が腕を振り上げるのを尻目に、俺は〈衝撃斧〉を掲げて、拳を武器の面で受け止める。受け止めると同時に背後に跳んだことで、幾ばくか衝撃を流すがそれでも5メートルは吹き飛ばされてしまった。
だが、〈牛巨人〉の猛攻は終わらない。
武人の如し身のこなしと迷宮生物らしからぬ技のある攻撃が、的確に俺の隙を突く。一撃一撃が重く鋭い攻撃はどれもが致命的で、防ぐだけで相当体力が失われる。
俺の顔面を狙った攻撃。俺は左足を踏み出すと姿勢を低くして、左足を軸にスピンすることで躱しそのまま攻勢に移るが、〈牛巨人〉は腹部を狙う俺の攻撃を防いだ。そして腕力ではじき返されてしまった。
脚が短い故に蹴りはないが、もし足技を使えたのなら〈牛巨人〉は間違いなく最強に分類されるだろう。
だけど、それがどうした? この程度の敵に負けてられない!!
避けて躱して受け流して。食らったら肉が削げるなら、食らわないように立ち回ればいい。当たったら内臓がぐちゃぐちゃになるのなら、避ければいい。
うまく立ち回るだけで、生き残られるなんて楽勝すぎる。
〈牛巨人〉は唸ると、刹那の間に打撃を重ねて繰り出してきた。が、跳んで〈牛巨人〉の腕に乗った。そして、そのまま腕の上を走るのだが、〈牛巨人〉はバク転することで俺を振り落とし、同時に間合いを取った。ちくせう、迷宮生物の分際で格闘技をしやがって。迷宮生物なら、迷宮生物らしく乱暴に戦えってんだ。
無駄に身体能力が高くて、肉達磨の癖に腕力に酔いしれるでもなく、技で戦うとかウザい。厄介めんどい。
「――シっ!!」
俺は全力で駆け出すと、〈牛巨人〉の足目がけて〈天蜘蛛の巣糸〉の糸を射出させた。〈牛巨人〉は片足を上げ、糸が足に巻き付くことを防いだのだが、空中で糸の向きが変わって地につく足に巻き付いた。――かかった!!
「巻き取れぇええええ!!!!!!!」
〈天蜘蛛の巣糸〉が金切り音を鳴らしながら、糸を途轍もない速さで巻き取り始め火花が散る。本来なら足をすくわれ〈牛巨人〉が巨体を転ばせるのだが、〈牛巨人〉は足の筋肉が隆起する程力を入れて、石の床をしっかりと踏み締めたのでビクともしなかった。俺はそれに絶望する――わけなく、予想通りの光景に笑いが止まらないぜ。
俺も踏ん張るのを止めて、〈天蜘蛛の巣糸〉の体を引っ張る力に身を委ねる。途端に勢いよく〈牛巨人〉の肉体に肉薄する俺氏。糸を巻き取る力で、急速に加速されたせいで胃の中身が零れちゃいそうになるが男なら気合で我慢しなけらば。
流星の如く加速する俺を、〈牛巨人〉はその高すぎる五感で察知して迎撃せんと拳を構え繰り出すが、地を蹴ったり体重移動で空中での位置を調整して躱して――。
その、結果。俺は〈牛巨人〉に初めて有効打を与えた。
腹部に横一文字の深い切り傷が生じ、〈牛巨人〉から血が多量に噴き出す。だが、流石は最強格の迷宮生物。苦痛に顔を歪めることはあっても、怒号を上げたり暴走する素振りを全く見せない。だけど、俺は見逃さなかった。
苦痛に顔を顰めて気を俺から一瞬だけ逸らしたことを。
――パカン。
味気ない破裂音が響いて、〈牛巨人〉の後頭部から脳漿が吹き出す。
〈衝撃斧〉を仕舞い、代わりに右手で握りしめた拳銃からゆらりと硝煙が立ち昇っていた。
「考えたね。銃をそういう風に使うなんて、すごい」
異能〈隠密〉を解除した冴子さんの称賛の声が聞こえる。
「はい。――極力〈衝撃斧〉を使わないでって言われたから、銃を使ってみました。思ったよりも使えてビックリです」
いくらフルメタルジャケット弾を装填してるとは言え、こうも容易く〈牛巨人〉の頭蓋を貫通して絶命たらしめるとは予想だにしていなかった。
だがまあ、これも迷宮遺跡の摂理だ。
弱ければ死ぬし、例えどんなに強いとしても油断すれば一瞬で命を落とす。慢心怠慢油断余裕、それらを抱く者に、迷宮遺跡は試練を齎す。それが、迷宮生物であっても、例外ではない。
強いから生き残る。そんな、戯言は迷宮遺跡では通用しない。生き残ったから勝者、生存したが故に強い。逆に、強者でも迷宮遺跡では容易く死ぬ。
迷宮遺跡では、死んだ者が敗者なんだ。
〈牛巨人〉危険度★★★★(致命的)
世界中の迷宮遺跡の城部に棲息する迷宮生物。筋骨隆々の大巨漢で、牛の頭部と立派な角を持つ。その筋肉に相応しい怪力を誇るが、迷宮生物らしからぬ格闘技で戦う。致命的な暴力を、研鑽された技で繰り出すので★★★★に分類された。紛れもない最強格であり、〈暴竜〉相手に肉弾戦を挑む様子が報告される程。通常、目撃されるのは雄体だけだが、雌体もいるらしく胎生であると言われているが、真偽は不明。
格闘技を行う故に極めて高い知性があると推定され、コミュニケーションを図る実験が行われたことがあるが悉く失敗に終わったらしい。言語体系が違うことが原因とか諸説あるが、本能で格闘技をしているという説が有力である。
更新遅れてマジでさあせん。あと一話更新できますします。プライベートが忙しかったんだい




