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高校を中退したので〈冒険者〉になって、迷宮遺跡《ダンジョン》に挑む  作者: 鬼宮 鬼羅丸
第ニ章 されど止まりし刻は、再び動く(下)
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深奥で待ち構えるモノたち

どうでもいい情報ですが、今日は私の誕生日です。だから何だという話ですが、とにかく、これからも応援お願いします

「凄いですね。……ここからが第七層、"龍寓宮りゅうぐうきゅう"とは違う。人の想いが残されてる気がする」


 一体何を思って迷宮遺跡ダンジョンを何者が作ったのは見当が付かないが、その何者かが何かを想って迷宮遺跡ここを作って何かを思いながら生活していたことは確かである。


 ここは、第七層は何というか”寂しそう”な場所だ。

  

 豪華絢爛、きらびやかな内装は城のかつての繁栄を想起させるが、その反面住民の営みがかもす喧騒がない様子は何処となく衰退を感じさせる。

 盛者必衰は世の常とはよく言うが、まさしく繁栄と衰退そのものだ。



「ここは迷宮遺跡ダンジョンの創造主たちがかつて住んでいたとされる場所だからね。浅部とは階層フロアの格が違うよ」

 と冴子さんは言う。

 浅部で見受けられた遺跡とは明らかに雰囲気も造りも異なるが、言われてみると何となくそういう気がしてきた。神聖な空気を感じるな。

 迷宮遺跡ダンジョン創造主たちが住まうかつて城となれば、この格調高さも神聖な雰囲気にも納得がいく。


「そうですね。何かここは格調が高い気がします。雰囲気が違う」


「そうだね。ここには、創造主たちが使ってたらしい文字とか、当時の様子を描いた絵とかもある。……だけど、創造主たちが去って以降、住民が居なくなって、人々の記憶から忘れ去られて久しく―今では滅多に、いいや、ほとんど人間ヒトが訪れなくなった。人類ニンゲンがそう簡単に来れる場所じゃなくなってしまったから」


「………。階層フロア守護者ボスのことですか?」


 深部の各階層を守護し、深淵を覗くに相応しきかを選定する特別な迷宮生物モンスター。―他の迷宮生物モンスターと異なり、討伐されても幾度となく蘇る疑似的な不死性を持つ彼ら(・・)の総称こそが階層フロア守護者ボスだ。


 一騎当千どころの騒ぎではない比類なき強さを誇るという。

 流石に【忌龍キリュウ】程ではないと思うが、それでも容易に冒険隊一つ壊滅せしめる程度・・には強い(・・・・)


 リュウグウジョウでは、3体存在が確認され2体まで一度は討伐されている。階層フロア守護者ボスの名が示す通り階層を護る存在であり、深部で階層を跨ぐには必ず倒す必要がある、深部を攻略する上で避けては通れない障害なのだ。



 階層フロア守護者ボスの存在故に、迷宮遺跡ダンジョンが、特に深部が容易に人類ニンゲンが訪れることができないという言い分なら納得がいく。しかし、冴子さんの言い方だとまるで……。


「そうだけど、そうじゃないかな。確かに、理由の1つだけど、…それだけじゃない。創造主の帰還を待ち侘びてるのは何も【門番・・()()に限った話じゃない。まぁ、そもそも当時の人類ニンゲンからしたら迷宮遺跡ダンジョンは聖域過ぎて畏れ多かっただろうし……はい、この話はここで終了」

 

「は、はぁ」

 釈然としないがA(ランク)、ましてやリーダーのいうことは絶対であるから、そういうものだと割り切るしかあるまい。

 …何より美女は正義である。

 冴子さんが言うなら正しいに決まっているのだ。


 気にはなるが、気持ちを切り替える。


「忘れ去られた城の身の上じゃなくて、私たちの現在いまを気にしないと。凄い光景(見てくれ)に気を奪われがちだけど、ここは迷宮遺跡ダンジョンの深部。棲息する迷宮生物モンスターも潜む危険も、気を抜いたら命取りだよ」


「そうですよね。凄く美しくても、ここは迷宮遺跡ダンジョンの深部。リュウグウジョウの秘密を何百年何千年と守り抜いてきたんだ。美しい物には棘がある」

 今まで、何人もの〈冒険者〉、あるいは人間がリュウグウジョウに挑んだかは知らないが、食い物にしてきた命の数は100ではきかない筈だ。

 美しく見える第七層ここも、少なくない数の〈冒険者〉たちが命を散らしてきた血濡れた場所に違いない。

 バラには棘がある。


 ならば、美しい第七層には致死の脅威が眠ってるんだろうよッ。



 ズシン、ズシンと地響きが聞こえる。


「ほら、噂をすれば。迷宮生物モンスターのお出ましさ」



「〈暴竜ドラゴン〉?タツノオトシゴ?」


 地響きと共に現れたソイツは、今しがた俺が口走ったようにドラゴンとタツノオトシゴを組み合わせた様な見た目をしていた。

 長い一本の角は〈一角馬ユニコーン〉を彷彿させるが節くれだっていて、頭部は〈暴竜ドラゴン〉に近い形をしている。タツノオトシゴの様に、脊椎に沿って触手の様な突起が生えているのはタツノオトシゴ臭いが、渦を巻く尻尾がさらにタツノオトシゴに見える。

 だが、タツノオトシゴにはない4本の立派な脚で床(?)を踏み締め、何よりもデカい。【忌龍キリュウ】には及ばないが、しかし3メートルは超えているだろう。



「リュウグウジョウ名物、リュウグウジョウの固有迷宮生物(モンスター)。〈陸竜落仔リクオトシゴ〉さ。上では強いかもだけど、深部(ここから先)では雑魚。ま、深部デビューのたけるくんの試金石には丁度いいや」


「え、ちょっ」  

 マズイ、この流れは。

 

「あまり時間がかかると他の迷宮生物モンスターも寄ってくるからスピーディーに倒しちゃって。ほら、来るよ!」

 言うが早く、冴子さんに背中若干下だから腰か?腰を蹴飛ばされ、否応なしに〈陸竜落仔リクノオトシゴ〉と対峙せざる得なくなった。


 元よりその気だったが、層を跨ぐ度に厳しくスパルタになってきてる。これを糧に更に強くなってやる!


 

 俺が蹴飛ばされて体制を立て直すと同時に、いや下手するとそれより早い段階で〈陸竜落仔リクノオトシゴ〉は床を蹴って、あっという間に60メートルはあった距離を詰めてきた。

 声帯がないのか、あるいはそういう迷宮生物モンスターなのか鳴き声は一切上げなかったが、雄叫びをあげていてもおかしくはない雰囲気である。


 そして、〈陸竜落仔リクノオトシゴ〉は俺に接近しながら片脚を振り上げ、走る勢いそのまま槍の如く俺のことを貫こうとしている。

 ゴォォォオオオオというオトマトペがついてもおかしくない迫力に押されそうになる俺であったが、冴子さんと交わした誓いを思い出し己を奮起させた。


 そして、〈衝撃斧ブラストアックス〉を構えると、〈陸竜落仔リクノオトシゴ〉の攻撃を受け止めるッ


 ドンと、車がぶつかった見たいな音を奏でると凄まじい衝撃が体を貫いた。


おもッ。このサイズで、この衝撃かよ!」

 

 衝撃を殺し切れなかった相手ってそんなに居ないぞ。

 【忌龍キリュウ】は規格外だから度外視しても、たかが3メートルごときが出せて良い威力じゃない。たくっ、一体全体どんな筋密度してるんだ。


 吹き飛ばされはしなかったけど、衝撃を殺し切れず後ずさってしまったではないか。



「毒とかそういう特別な能力はないけど、その分筋組織が異常に発達した脳筋お化けだから。真正面からやり合ったら今のたけるくんだと厳しいと思うよ」

 俺を蹴飛ばした冴子さんが、それなりに遠くから声をかける。

 脳筋とか、筋組織お化けだとかどの口が言ってるんだろうと思わなくはないが、口に出したら碌なことにならないので心のなかに留めて置く。

 俺は気遣いの出来る懐の大きい男なのだ。



 だが〈陸竜落仔リクノオトシゴ〉はそうでない様で、茶々を入れてきた冴子さんが気に入らないのか、冴子さん目掛けて走り出した。


「あっ、ちょっ待て!」

 一歩を踏み出してあれ?と思った時にはもう既に遅く。〈陸竜落仔リクノオトシゴ〉はあっという間に俺から離れて冴子さんとの距離を詰めた。





「―今のアナタの相手はたけるくんでしょ?私がアナタの相手するのは役不足。たけるくんの踏み台になりなさいな」



 俺と同等かそれ以上に重い荷物を背負ってる筈なのに、音も立てず軽やかに跳び上がった冴子さんは、〈陸竜落仔リクノオトシゴ〉に綺麗な回し蹴りを食らわせ、その巨体を蹴り飛ばした。


 ……本当にどっちがお化けかんだか。冴子さんも充分に、それ以上に筋力お化けじゃないか。


 あの巨体が、サッカーボールが如く蹴り飛ばされるなんてよっぽどだ。


「脚先はめちゃめちゃ硬いけどそれ以外の部分は柔らかいから。うまく工夫すればそんなに苦労しないよ」

 3メートルはある迷宮生物モンスターを、俺のところに蹴り返した冴子さんは軽やかに着地すると俺にそうアドバイスをくれた。


 なるほどなるほど。ならばッ


「うおおおおおお!!!」

 背に背負った荷物はすべて投げ捨て、俺は〈陸竜落仔リクノオトシゴ〉に向かって全力でダッシュする。

 俺のそんな寄行を挑戦と受け取ったのか、あるいは動くものを見ると突っ込まずにはいられない生き物なのかは知らないが、俺のダッシュに合わせて〈陸竜落仔リクノオトシゴ〉も床を蹴って応じてくれた。

 

 付き合ってくれるなんて嬉しいじゃないかッ 〈陸竜落仔〉野郎(お嬢さん)

 

 ぶつかりそうになる瞬間、足の間をくぐり抜けてスライディングッ

 ―そしてすかさず!

「プレゼントだ!受け取れえぇええええ!!!」


 〈天蜘蛛の巣糸(ウェブスレッド)〉を結び付けた杭を〈陸竜落仔リクノオトシゴ〉の腹めがけ投擲、糸を巻き取り身体を加速させながら〈衝撃斧ブラストアックス〉をフルスイングで、〈陸竜落仔リクノオトシゴ〉にぶち当てた。


 フルスイング+〈天蜘蛛の巣糸(ウェブスレッド)〉の糸巻き取りによる急加速である。

 かなりの衝撃インパクトが、〈衝撃斧ブラストアックス〉で増幅して伝わり、ズブっと嫌な感触と音と共に〈陸竜落仔リクノオトシゴ〉の腹部に付き刺さって。


 腹部の衝撃が全身に伝わったのだろう。〈陸竜落仔リクノオトシゴ〉は口から体液腸その他諸々を吐き出して、ゆっくりとその場に倒れた。


 巨体が倒れきる前に、巨体の下から脱出し圧死をぎりぎり回避した俺であったが結論から言うと、奴の体液臓腑などもろ被りである。

 

「臭いし汚いし最悪だ。…これ匂いついたりするのかな?」

 臭いし汚いし、さっきの倒し方は要検討だな。


 鼻もしんどいし、肉食系迷宮生物(モンスター)もウェルカム状態だし早急に解決しなきゃ。肉食系は冴子さん(美女)1人で充分間に合ってる。




「悪くはないけど時間かかり過ぎかな。この程度の敵ならどんなに遅くても5秒で倒せるようにならなきゃお話にならない。特訓が必要だね。にししっ」


「頑張ります」 


 臭くて嫌な思いをしたし、痛み分けか。


 まだまだ俺には精進が必要なようだ。


 



 まったく、努力しがいがありまくりで困るな。

 

 

彼女ができて浮かれてて更新すっぽかしてしまいましたごめんなさい。本当にごめんなさい


本題に入ります。


冴子さんは異能スキル祝福ギフトのおかげで化け物級の怪力なのです。腹筋は割れてますエイトパックです。それに筋肉質ではありますが、ムキムキゴリラじゃないです。女性らしい範囲での筋肉があります、以上。


また、階層フロア守護者ボスがいるから深部じゃありません。深部だから階層フロア守護者ボスがいるんです。勘違いする人が出てきそうだから一応の説明でした




最後に彼女のご報告は嫌味とか自慢ではないのでよしなに



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[一言] 続きが読みたいです。更新を楽しみにしてます。
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