51 図書館とイザーク王子10
イザークの加護は、簡単に言えば鉱物や鉱石が意識を集中すると光って見えるというものだった。
それは資源の採掘などに役立つすごい加護だと思ってアリシアは聞いていたけど、肝心のイザークは話すにつれだんだん歯切れが悪くなってきた。
けれど、歯切れの悪さの原因については言わず、それがアリシアは気になったが、ヨハネス先生が話を相手と交代するようにと指示を出したので聞けず終いだった。
「はい、じゃあ次ですが、簡単な加護を実際に使ってみましょう。コントロールの効く範囲のもので良いです。先ほど相手から聞いた話と比べて何を感じたかお互いに話し合ってみてくださいね~。その後、ペアのうちのどちらかが皆の前で自分の加護について改めて説明してみましょう。」
お互いの加護について話した後、ヨハネス先生は次の課題を出した。
加護を、使うかあ、、私は使えないもんなぁ。
イザークに皆の前での説明もして貰おうかな。そういうの得意そうだし。
そう思ってイザークを見ると、顔面蒼白になって固まっていた。
「ど、どうかしたの?」
その様子にアリシアは思わず声を掛けると、イザークはハッとした顔をして、大丈夫だ、お前には関係ないと言い放った。
言い方がムッとしたけど、あれだけ顔色が悪いのに本当に大丈夫なんだろうか。
いざ、ペアワークになって、アリシアは自分の意思で加護を使えないためイザークのサポートをすると申し出た。
イザークは微妙な顔をしたけど、わかったと一言だけ言った。
「俺の土の精霊の加護は、こんな感じだ。」
イザークは首から金の鎖を外すと、それについていたロケットをアリシアに手渡した。
「どちらかの手に隠せ。どちらの手にあるか当てる。」
イザークがそう言って後ろを向いたのでアリシアは左の手にロケットを握った。
「こっちだな。」
振り向いてアリシアの手を見たイザークはすぐに左の手を指し示した。
「当たり!すごい。も、もう一回!」
右に左にロケットを隠すけれど、何度やってもイザークが当てるので、なんだか悔しくなって最後には机の中に隠してみたけれどやっぱり当てられた。
「フン。両手には何もないな。小賢しい。・・そこの机の中だろう。」
「全部当たった!すごい!」
全問正解させたことに驚いて、アリシアが興奮気味に話しかけるとイザークはパッと明るい表情をして嬉しそうに頬を緩めた。
「そ、そうか?すごいと思うか?」
「思うわ!加護で貴金属の鉱脈も探し当てれるってことでしょ?すごいわ!」
アリシアがそう答えると、イザークはまた微妙な顔をして黙ってしまった。
あれ?何か変なこと言ったかな?
そうアリシアが考えているうちに皆の前で発表する時間になった。




