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46 図書館とイザーク王子5

「王子と話す、かあ。」



アリシアは返却された本を書棚に丁寧に戻しながら、マックスさんからのアドバイスを口ずさむ。


アリシア自身、慣れた人以外とコミュニケーションを取るのはあまり得意ではないし、相手はあのイザーク。なかなかに高い目標が出来てしまったようで少し気が重い。


それにーー。


「あの人、本当にまた図書館に来るのかなあ?」


先日のカフェテリアでの一件以来、加護の授業で見かけたきりイザークの姿をめっきり見ない。お昼もカフェ以外の所で食べているのかいつも4人組で座っている定席にもいない。

加護の授業でもいつもの存在感はなくじっと本に目を落としていたことを思い出す。


そういえば、あの人、なんであんなにたくさんの本を借りに来たのかしら?


前の図書館でのことをふと考えた。

20冊借りようとしたその前も5冊借りてた。


借りてた本はたしか・・


「Sクラスの授業の参考図書と、、あとは鉱物関係の本もあったわ。」


鉱物の世界では有名なうちの学園の先生の貴重な論文も混じってた。


けどなんで鉱物?




「アリシア、あなた本当に人が良いわねえ。"図書館のマックスさん"の影響力が凄いというべきかしら。」


ヴァイオレットが半ば呆れ気味に大きなため息をつく。

イザークと喋ってみる計画を話してみたら案の定ヴァイオレットはこんな反応だった。今までのイザークの態度を知っているだけに当たり前と言えば当たり前のことなのだけど。


「そう言わないで。私も少し気が重いの。」


アリシアは少し言い訳気味にそう答え、ヴァイオレットに問い返した。


「Sクラスの参考図書を借りるのは何となくわかるの。けど、何で鉱物の本なのかしら?それもかなり専門の。」


「さあ。それこそ本人に聞いてみるのが1番なんじゃないのかしら。けど、もしかしたらあの王子の加護に関係あるかもしれないわね。」


あの王子の加護は土の精霊のものだから。そう教えてくれたところでヴァイオレットは会議の時間になり生徒会室へ。アリシアも図書館へと足を向けた。



「土の精霊の加護持ちだったんだ。」


そういえば、加護の最初の授業でそんなことを言ってたような気がする。けど、あの日は自分のことでいっぱいいっぱいで殆ど記憶に残ってない。


ヨハネス先生が来たら聞いてみようかな、そう思いながらアリシアは図書カウンターの席に腰掛けた。

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