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28 図書館委員になりました

「おはよう!ヴァイオレット!」

「おはよう、アリシア。今日も元気ね。」


図書館で大泣きしてからというもの、アリシアは自分が以前より少しだけ前向きになった気がしている。


家族も相変わらずだし、学園でのチャールズたちの態度も相変わらずだけれど、前のように全てを閉ざして諦めの気持ちになるようなことはなくなった。


ケイトの一件については、ヴァイオレットに話したら案の定、大激怒だった。

そのままニーダム家まで乗り込んで家ごと燃やしそうな勢いだったのでむしろ止めるのに必死だった。



「アリシア、今日は授業が終わったらお茶でもしない?」

「ごめんね、今日は図書館なんだ!」

「熱心ねえ。わかったわ。またね。」


最近、アリシアは学園の図書委員になった。


学年首席をキープし続けているアリシアには生徒会からのお誘いもあったけれど、本に関わることがしたいからと丁重にお断りした。成績優秀でカリスマ性のあるヴァイオレットは次期会長候補に挙げられているらしく、よく現役員から声を掛けられている。本人はそんなの面倒くさいとまるでやる気はないのだけれども。



「ヨハネス先生、お疲れさまです。あ、新刊入ったんですね。また借りよっと。」


「ああ、お疲れさま、アリシア君。今日はそこの返却分を棚に戻して貰って、後は期限の過ぎた未返却分をチェックしておいて下さい。」


加護の授業担当のヨハネス先生は図書館業務にも携わっていて、ちょうど王立図書館での件があった後くらいに人手が足りないから委員にならないかと声を掛けられた。なんでも地味な作業が多いので成り手がいないそうだ。

アリシアは新刊が誰よりも早く借りられるという殺し文句にやられて二つ返事で了承した。

何より本に囲まれた時間を過ごせるのがとても楽しい。


「先生も授業だけでなく色々やらなくちゃいけなくて大変ですね。」

「まあ、それで給料貰ってますからね。仕方ないです。」


ヨハネス先生は、手を動かしながらそう話すけれど仕事はとても丁寧だ。


「先生は、教師のお仕事楽しいですか?」


「唐突な質問ですね。そうですねえ、色々あるけど生徒はかわいいし、僕にとっては楽しいですよ。」


教師という仕事に興味ができたアリシアはたまに先生にこういった質問をする。そして先生の返事を聞いてはますます興味を募らせるのだ。



「遅くなるといけないので今日はここまでにしましょう。」


お疲れさまでしたと挨拶し、アリシアが図書館を出て廊下を歩いていると、誰もいないと思っていた教室から声が聞こえてきた。


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