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62話 講習会

「みんなー朝だよーー!!」


 ドーコが大きな声でみんなを起こす。各々が部屋から出てきて一階へと降りていく。朝ご飯は卵焼きとベーコンとパンだ。余程卵焼きを味合わせたいんだろう。


「なにこれ?」

「なんですかこれ?」


 2人が同時に卵焼きを指差し尋ねる。


「ふふーん! それは私の得意料理の1つだよ! ほら早く食べてみて!」


 いつの間に得意料理になったんだ。


「じゃあさっそく」


「「「「いただきまーす」」」」


「なにこれ何層にも卵が重なってる!? うまーい! すごいねドーコさん!!」

「本当すごいですドーコさん」


 ドーコに羨望の眼差しが注がれている。それを教えたのは俺なのに!


 ささっと朝ご飯を食べ終え鍛冶場へと向かう。前に言ってた講習会をするちょうど良い機会か。配信タイトルは『1からできる鍛冶仕事』これで大丈夫だろう。


 そうだそうだ重要なことを忘れてた配信水晶を入り口に置くんだった。魔法鞄から取り出し早速起きに行こうとした時。


「配信水晶買ったんだ」

「あーゾルギンと食堂に行った時に良いものがあるなーと思って何個か買ったんだ!」

「店の前に置くだけだったら一個でいいと思うんだけど何個買ったのかなード ワ ル フ?」


 しまった完全に墓穴を掘った。


「3個くらいかなー」


 魔法鞄を取ろうとした時、ドーコの方が距離的に近く先に取られてしまった。


「30個も買ったの!? 通りで昨日150万リラって少ないなーって思ったんだよ! 馬鹿なの? やっぱりお金はドワルフが使っちゃダメなんじゃない? っていうかダメ!」

「わかったよ……」


 今回は流石に自分が悪いそれくらいはわかる。とりあえず配信水晶を店の前に置き準備万端だ。配信を開始する。


〔ドワルフ:おはよう、今日はみんなに新しい仲間を紹介したいと思うキーとリカだ!〕

〔エマ:おはよう。あら半獣人なんて珍しい〕

〔おぉ新しいのを雇ったのか〕

〔半獣人ってことは奴隷か?〕

〔奴隷を雇う人だったんだ〕

〔炉も二つしかねぇしその2人だけに働かせるつもりなのか?〕

〔ドワルフ:確かに炉は二つしかないが俺は仲間だって紹介しただろ! ちゃんとこの2人には一人前の鍛冶師になってもらうつもりだ〕


 このチャット欄種族によってマークとか付けれないのか? 今まではドワーフだけだったがこれからは色々と不便だぞ例えばヒューマンは○でドワーフは□とか


〔□:それで今日は講習会ってことだがどうするんだ?〕


 出来るのかよ! 念じることが重要なんだな。


〔ドワルフ:今日はこの2人に1から鍛冶を教えていく予定だ。前に一度講習会を開くって話をしただろ〕

〔□:あー確かにしてたなぁ〕

〔○:でも俺には関係なさそうだな〕

〔ドワルフ:いやいや今日はちゃんと1からだから鉄で教えていくしヒューマンであっても学べることは多いと思うぞ〕


 早速キーとリカに教えていく。俺はキーの方を中心に、リカはドーコが中心となって教えていくことになった。


「ほら鉄が赤くなっていくだろ。でもまだ炉の温度が低いから鉄があったまるのが遅いんだもっと炉の出力を高めてみろ」

「うんわかった。でも基準がよくわかんない」

「わかるまで触るしかないな。講習会なんて偉そうなことを言ったが結局は回数をこなすしかないんだ」

「ふーん」

「とりあえず今日中に鎧をどこまで作れるか試してみるぞ」

「えぇ鎧なんて一日で出来るの!?」

「慣れればできる。それにキーとリカはレベルの上がり次第ではドワーフ鋼だって扱えるようになるぞ」

「よくわかんないけど頑張るよ!」




★   ★   ★




「鉄の火の温度は大体覚えられたみたいだな。初日で覚えるなんて筋がいいんじゃないか?」

「そうか!? やっぱり俺は天才なのかも」

「ほーうじゃあ今日中に鎧をよろしく頼むぞ」

「やっやってやるー!」

〔□:鉄なんて適当な温度でやってたがちゃんとした温度でするとここまで変わってくるとはな〕

〔□:こりゃ村の若い衆全員に見せるべきもんだぞ。ちゃんと広めてこい!〕

〔○:確かに温度さえしっかりすれば俺でももっと作れるようになるかも〕


〔ゾルギン:かなり筋が良いようだな。そのキーという少年は〕

〔ドワルフ:あーゾルギンおはよう。なかなか鍛冶師として鍛えがいのあるいい奴だよ〕


〔○:ゾルギンさん!?〕

〔○:ゾルギンさんにタメ口!?〕

〔□:ゾルギンって誰だ?〕

〔○:というかゾルギンさんって配信見るのか?〕


〔ゾルギン:俺とドワルフは言うなれば友達だ! だからタメ口で話すし配信も見る。ここはドワルフの配信なのでこれ以上この話を広げないように〕


〔○:はい!〕

〔○:はい!〕

〔○:はい!〕


 流石ゾルギンを知ってる奴は礼儀正しいな。


〔ドワルフ:ドワーフのみんなにゾルギンを紹介しておくと俺の友達でヒューマンで1番鍛冶が上手いと評判の男だ! 装飾のことならドワーフにも負けないぞ。それにヒヒイロカネも扱える〕

〔□:そりゃすげぇや〕

〔□:フォローしてみるか〕

〔ゾルギン:鍛冶師の憧れであるドワーフに見られるのは少し恥ずかしいな〕

〔ドワルフ:そうやってコミュニティは広がっていくもんだ〕


「なぁなぁここ上手く広がらないんだけどどうすれば良いんだ?」

「もっと厚さを均等にする様に心がけてみるんだ。そこはもう十分伸びきってるからこっちを叩いてみな」「おぉ伸びた!」

「厚さをを如何に均等にするかが重要なんだ。だから叩くときは温度と叩く場所と伸ばし方。そこに注意する様に」

「はーい」


 今気づいたがキーは汗をびっしょりかいている。そうか俺とドーコはドワーフだから熱に強かったがキーは獣人だ。熱にそんなに強くないのかもしれない。文句を言わないのはやはり奴隷の癖なんだろうか


「ちょっと俺も作業するけど適当に頑張れよーもうそろそろ昼休憩だしな」

「なんだよ付きっきりで見てくれないのかよ!」

「良いもの作ってやるからまちなって」


 俺はドーコの家で作った鎧に嵌めるように作った風を出すマジックアイテムを魔法鞄から取り出す。これの出力を抑えて服に取り付けてやれば良い感じに風を送ってくれるファンみたいになるんじゃないだろうかと思ったからだ。


 少しエメラルドを触り調節をする。うん無事出来たっぽい後は昼休憩の時にでも作業着に取り付ければキーとリカも快適に作業が出来るだろう。

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