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56話 新聞に載る

「冒険者ギルドで『常闇の夜』を引き渡したときに、新聞記者がいましてですね。是非とも新聞に取り上げたいと申されまして。私としては一度ドワルフ様に相談してから決めたかったのですが、ドワルフ様は朝お休みだった様で連絡できず、1日待ってくださいと言ったのですが新聞は鮮度が命ですので相手も待ってくれず私が話すことになりまして」

「別に問題ないが?」

「いえそれがドーコ様の活躍に凄く感動されたそうで配信しているかを聞かれて見られるとしたらとドワルフ様の配信ならと答えたんです」

「いいじゃないか俺の視聴者も増えそうだし」

「いえそうだといいんですがきっと皆さん冒険を期待して配信に来る方が多いと思いますので、もしかしたら少々お荒れになる可能性が……」

「あー確かに冒険を期待されると辛いところはあるな。まぁそこはなんとかするよ。宣伝してくれてありがとう」

「いえいえ心配事を増やしてしまい申し訳ございません。新聞は夕刊に出るそうですので、明日は注意して頂ければ。それと1つ提案なのですが炉を大きくするか悩んでいらっしゃるんですよね?」

「うん! 炉を後2つ追加して全部ドワーフ鋼も加工できる炉にしたいんだよ!」


 さっきまで黙っていたドーコが意気揚々と声を上げる。


「それでしたらドワルフ様達でしたら十分信用できますので、お金をお貸ししますので拡張工事をなさってはどうでしょうか?」

「ギルド長にも言われたが、借金か……確かにしてもいいんだがそこまで今すぐ必要だとも感じない事にお金を注ぎ込んで緊急時にお金を借りれないのは困るからな。今はやめておくよ」

「えードワルフ! そんなこと言わずにさー!」

「ちなみに炉を大きくするならいくらぐらい掛かるんだ?」

「4つですので軽く見積もってみて2000万リラになりますね」

「1つ500万リラか。結構高いんだな。ドワーフの村はみんなその炉を持ってるってすごいんだな」

「こちらで依頼する場合はヒューマンの炉職人が作る事になりますのでやはり時間がかかってしまい少々値が張りますね」

「やっぱりドーコ。ここは我慢だ」

「ぶーぶー」

「了解いたしました。また何かありましたら直ぐにご連絡ください。新聞の件は申し訳ありませんでした」

「あっそうそう魔法鞄を俺とドーコの連名にしたいんだがそれってお金がかかったりするのか?」

「今回は私のミスがありますのでサービスさせて頂きます。受付にて申してください」

「わかったありがとう。じゃあまた今度いっぱい作品ができたら持ってくる」

「はい! お待ちしております」


 そう言ってシュドの部屋を後にし、受付に向かう。さっきのお姉さんがいたので声をかける。


「あのーすいませんこの魔法鞄を連名にして欲しいんですが」

「はい! 話は伺っております。それではドワルフ様とお連れ方魔法印をお借りしてもよろしいでしょうか?」


 俺とドーコは魔法印を差し出す。受付のお姉さんは受付の裏に行き少ししてから出てきた。


「これで問題なく使用できるかと思われます。念のためご確認お願いします」


 一緒に鞄の中に手を入れ中から素材と鉱物を取り出せた。


「問題なく使用できるようですね」

「ありがとうこれで使いやすくなったよ」

「いえいえ。それでは良き商いを」


 商人ギルドを後にする。思ったより話し込んでしまって日が大分落ちかかっていた。


「なぁどうするドーコ?」

「うーん大金をゲットしたし商店で素材を買い足して酒場に行こっか」

「300万リラだもんな宴会ぐらい開いてもいいか。食材は前ので買い溜めしたしな。その計画で行こう。ついでに新聞が売ってたら買おう」

「そうそう前言ってた素材の目利き教えてね!」

「わかったわかった」


 そう言って商店の方へ歩みを進める。




★   ★   ★




「大分ドーコの目利きも良くなったな」

「そうかなーそうだったらいいけどドワルフに比べるとまだまだな気がするよ」

「たった1日で俺レベルになったらそれはそれで衝撃だぞ。ほら今日は宴会なんだから元気出せって」

「それもそうだね!」


 俺は目当ての新聞と細かいノミも買えたし満足だ。バディルの酒場に着きさっそく席につく。


「いらっしゃい!」

「バディルさん元気だった?」

「おう元気ともそれにしても今回は潤ってそうな顔をしてるな」

「そんなこと顔を見ただけで分かるのか?」

「俺がどれだけここで人の顔見てきたと思ってるんだい」


 流石は酒場の店長と言ったところか。


「今日は何を飲むんだい?」


「「エールで」」

「あいよー。それで今回はどんな風に儲けたんだい?」

「今回は普通に地道に稼いだ結果だ。でもあんなに売れるとは思ってなかったけどな」

「ちなみにいくらくらい儲かったんだい?」

「今日商店で使った分を引いても大体250万リラは残ってるな」

「ほーそりゃすごいな! 流石はドワーフの鍛冶仕事だ」

「ああそうだ店長。勇者パーティーの配信は見てたか?」

「いやー寝てたから生では見てなかったが新聞で見たよ。散々な結果だったようだね」

「それでちょっとエルフが迫害されるような雰囲気になっていてな。前に話したことはくれぐれも内密に頼む」

「もちろん、それぐらいの分別はつくさ。俺が口外することはないよ」

「そうそう店長はいい店長だもんね!」


 3杯目のエールを飲み上機嫌のドーコがそう言う。


「そういえば夕刊見たよ!」

「ちょっと待ってくれ俺もせっかく買ったんだ自分の目で読みたい」

「私もみたい!」


 そこにはこう書かれていた。


《『常闇の夜』遂に全員確保! 更に山賊が持っていた盗品を全て返還! その山賊を捕らえた人はドーコさん。なんとあの伝説のマジックアイテムを使って一気に確保したそうです! しかし残念ながらドーコさんは配信者ではないので旦那さんであるドワルフさんの配信を紹介しておきます》


「まさかシュドがマジックアイテムのことまで言うとなー出来れば隠しておきたかったんだが」

「それは仕方ないじゃないか? シュドさんも隠そうとはしたんだろうけどあの『常闇の夜』を全員確保なんて普通の冒険者でも出来ないことだ。そこを隠しすぎても無理があるってもんだ」


 うーんそんなに強いと感じなかったがなー。じゃあちゃんと夕刊も確認したことだしフォロワーがどれぐらい増えたか確認する 


--------------------------------------------------


名前 ドワルフ

レベル  32

視聴者数 0

フォロワー 2890


筋 力:567

防御力:549

魔 力:674

精神力:645

敏 捷:364


メインジョブ 配信者

サブジョブ なし


スキル 【ハンマー使い】


ユニークスキル 【エルフの知恵】 【ドワーフの神】 【ヒューマンの良心】


--------------------------------------------------


 おぉ1000人以上もフォロワーが増えてる!!! それにまた1000人ボーナスでステータスがかなり上がっているな! レベルの方は簡単な作業しかしてなかったためかあんまり上がっていないな。それにしてもヒューマンの国には一体何人の人がいるって言うんだ? たった一回新聞に載っただけだっていうのに。


「フォロワーが1000人以上も増えてたんだがヒューマンの国ってどのくらいの人口なんだ?」

「さぁー俺も王様じゃないから詳しいことなんてわからないが10万人ぐらいいるってどこかで聞いた覚えがあるな」


 新聞が10万人全員に行き渡ってるわけでもないしそのうち1万人ぐらいが買ったとして1000人だったら上等か。


「聞きたいことも聞けたしドーコも久しぶりに沢山飲んだだろ? 今日は帰るぞ」

「えーー泊まって行こうよー。まだまだ飲めるしー」

「そんな風に飲んでると家に帰ってからのエールが貴重に感じられなくて物足りなくなってしまうぞ」

「うーーわかったよぉ」

「じゃあ今日はありがとうな。これはお代だ」

「ちょっとばかし多いがどうしてだい?」

「口止め代っていうか、危険が及んだら申し訳ないからな」

「そういうことかい。じゃあありがたく受け取っとくよ」


 惜しむドーコを引っ張りつつ家へと帰る。今日は水浴びしてそのまま別々に寝るか。

GWなので本日もう1話投稿します!


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