表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

目覚めて

目が覚めるとそこは暗闇だった。

「…………」

生きてる。

助かった…助かったんだ!

嬉しさで顔が歪む。

「いっ…!」

顔中が痛い。

それもそうか、あれだけ殴られればな。

そんなことよりここは何処だろう、リビング?

それにしては背中が柔らかい、ベッドの上か?

とりあえず起きよう。

体を起こそうとすると顔に布がのってあるのに気づいた。

「……ハンカチ?」

布を取って当たりを見渡すと、右隣にベッドで寝ている人がいることに気づいた。

「何処だ……ここ」

そう言いながらも薄々気づいていた。

ここがどこなのか。

でもおかしい。

なんでそんな所に僕がいるんだ。

それもこんな格好で……。


死体安置所


間違いないここは死体安置所だ。

テレビで観たことがある。

つまり僕の隣で寝ている人は…。


いやもういい考えるのはよそう。

そんなことより早くここから出よう。


そう思うも足が動かない。

当然だ。

怖い。

動けない。

身体中がそう泣き叫んでいる。

当たり前のことだろう。

高校1年がこんな所に来て落ち着いていられる訳がない。つい最近まで中学生だったんだから。

「ぅ……ふ、は…」

言葉がでない。

怖い。

涙が出てくる。止まらない、とまらない、とまらない。

怖い怖い怖い……憎い憎い…


そしてある感情が芽生えた。

あいつを絶対に許さない。

あの目、僕を殴った時のあの目。

僕を憐れむような目。

僕の行いを笑うような目。

さげずむような目。


憎い憎い憎い憎い憎い


どうして今こんな感情が芽生えたのかは明白だった。


行き場のない感情をどうにかしたかったのだ。


だからあいつを憎む感情にさせた。

するとさっきまで動かなかった体がゆう事をきくようになった。

床に足をつける。

ベッドから腰を離す。

できた。

こんなにも簡単にできた。

なぜだか恐怖心は無くなっていた。

かわりにあいつへの憎しみだけが残った。

「……」

なんとなくベッドで横たわっている人に手を合わせる。

そこまでは良かった。

その次だ、僕の人生を僕が壊す瞬間が来たのは。

何となくその人の顔が見たくなった、本当になんとなくだ。

布をとる

「……………!」

気がつくのに数秒かかった。

あいつだこの顔…この目…

「なんでだ」


なんで死んでるんだよ


お前を殺すのは僕のはずだ


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ