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目が冴える。全身に冷気が走り、眠い目をこすって体を起こした。
「はっ…?」
開口一番に出てきたのは疑問符だった。高校3年の成川 正樹は、いつもの朝なら自室のシングルベッドから起き、目に映る光景はいつもの自室の真っ白な壁が眼前に見えるはずなのだ。
しかし、今は違う。彼の目の前には何かを話し込む4人の男が立っており、自分は石のような固い地面の上で全裸で横たわっていたのだ。
いまいち状況が飲み込めないまま呆然としていると、目の前にいた男の中の1人が正樹に近づく。
何が起きたのか聞きたい正樹だったが、聞きたいことの整理がつかず、何かを話そうとするも言葉に詰まってしまう。
そんな彼の心象を知ってか知らずかその一人の男が口を開いた。
「ようこそ、ユウシャ」