アーマードコンフリクトとは
VRゲーム、アーマードコンフリクト。それは完全なる戦場の再現を目指して作られたVRゲームである。
その内容はとある中東の小国の支配権を賭けて国連軍とテロリストの2陣営に分かれて戦争をするというものであり、一見すると普通のFPSと思われるのだが、
その恐ろしい本質はその自由度にある。
現実の戦争の様に略奪、殺人、強姦などありとあらゆる非人道的行為が可能で、さらにリアリティを増すために本来なら痛覚遮断システムなどの安全上のシステムは全て存在しない上、完全なる肉体のモデリングが為されており、臓器の1つ1つまで細胞レベルで作りこまれておりどんな猟奇的殺人も行える親切設計なのである。
もちろん、この様なゲームが売れる筈も無く、サービス開始時は1万人程いたプレイヤーはわずか1000人まで減ってしまっていた。ゲームの運営会社は完全に赤字経営となってしまったこのゲームを閉鎖する事に決めた。しかし、このゲームを非常に気に入っていた一部のヘビーユーザーはこのゲームを存続するために根強い交渉活動を続けた結果、運営から譲歩としてある案が出された。
その案は運営の中の開発者の1人が個人で持つサーバーが有るので30人までならば恒久的なゲームプレイを約束する。だから残りの1000人で30人になるまで殺しあって貰えないだろうかという物であった。また、死んだプレイヤーはアカウントとゲームのデータが全て抹消される。
この発表はゲームの終了を悲観していたプレイヤー達を歓喜させ、それと同人にデータ全削除という絶望を与えた。
ここに、『デスゲームを続ける為のデスゲーム』が始まったのである。