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無限の迷宮  作者: ろう
冒険のはじまり
8/13

初戦闘

シルフィは一番近いゴブリンに走って近寄ると、腰に下げていた剣を抜いて真横に薙ぎ払い、ゴブリンの首を切りつけた。


そして、そのままもう一体のゴブリンに近づき、剣で左胸を貫いた。


一瞬にして頭と胴体が分かれたゴブリンと胸から血を流したゴブリンの死体ができあがった。


それを行った当の本人は残ったゴブリンから少し離れ、ゴブリンとアル達二人の様子を伺っている。




「シルフィさん、すげえな。一瞬で二体かよ。」


「僕達もやろう。」


「おう。」




アルはゴブリンの正面で相手の動きを警戒しながら待ち、レイは少しずつゴブリンの後ろに回り込んでいく。


丁度アル達がゴブリンを挟む形になると、アル達はゴブリンとの間合いをジリジリと詰めていく。


アルはゴブリンの向こうにいるレイに目で合図すると、レイは頷き、二人ともゴブリンに一気に近寄ろうとする。


二人が勝負に出ようとした瞬間、ゴブリンがアルに向かって殴りかかった。




「なっ?」


「ぐぎゃあ。」


「うっ。」



ゴブリンに殴られ、アルが後ろに少し吹き飛び、呻く。


アルを殴ったゴブリンの後ろからレイが持っていたナイフで肩を突き刺す。




「ぎゃっ。」


「アル。」


「ありがと、レイ。」


「ちっ、あんまり効いてねえな。やっぱステータスの差か?まあ、いい。もう一回やるか。」




レイの作った隙で、アルは崩した体勢を立て直し、ゴブリンを睨み付ける。


レイも少し距離を取り、様子を見る。


ゴブリンは肩から血が出ているものの、そこまで力を失ってなさそうだ。




「次はこっちから。」




とレイはゴブリンにまた近づいていく。


ゴブリンもそれに気づき、レイを迎え撃った。


レイはナイフでゴブリンに斬りかかるが、ゴブリンはそれを腕で受け止める。


ゴブリンの腕は薄く切りつけられるだけに留まり、斬りかかってできた隙にレイを蹴飛ばす。




「ぐはっ。」




レイは木にぶつかり、意識を失う。


レイに追い討ちをかけるようにゴブリンが向かっていく。



「レイ?」


「ここまでだな。」



今まで様子を見ていたシルフィがそう呟くと、レイに向かっていたゴブリンに近づき、一刀両断にする。


そして、レイの側に寄り、怪我の具合を見る。




「ダメージは受けているが死にはしないな。いちおう大丈夫そうだ。おいアル、ポーション使ってやれ。」


「はい。」




アルはシルフィに言われ、レイにポーションを飲ませてやる。


ポーションを飲ませると、レイの顔色が戻ってきた。



「アルも飲んでおけ。ちょっと殴られただけとは言え、HPは減っているだろうからな。」


「わかりました。」


「レイが起きたら、さっきの戦いの反省会をするぞ。それまで休んでおけ。」




ポーションを飲ませてから15分、レイは目を覚ました。




「痛てて。」


「痛むならもう一本ポーションを飲んでおけ。」


「わかった。はあ、やられちまったか。」


「レイも起きたし、早速反省会をするぞ。お前達さっきの戦いで悪いところはわかるか?」


「僕はゴブリンが急に向かってきて、驚いて隙ができてしまいました。」


「俺はゴブリンに予想より攻撃が通らなくて隙ができちまった。」


「そうだな、お前達はどちらも隙から攻撃を受けてしまっていたな。相手がどんな動きをするかいろんなパターンを想像しながら戦わないとな。」


「「はい。」」


「それと全体的に考え方が甘かったな。ゴブリンくらいなら倒せると思っていたのだろう。」


「たぶんそうです。今考えてみると、すごく油断していたと思います。」


「で、隙の話に戻すが、攻撃を受けたのは隙ができた時なら、逆に言えばゴブリンに隙を作れば良かったんじゃないか?例えば、ゴブリンが向かってきた時に麻痺蜘蛛の糸を投げつけてみるとか。まあ、効かない場合もあるから注意は必要だけどな。」


「そういう使い方もありますね。せっかく持ってきたのにすっかり忘れてました。」


「使えるものは全部使っていけ。じゃないとすぐ死ぬぞ。」


「そうですね、気を付けます。」


「どうする?まだ行けるか?」


「大丈夫だ。」


「大丈夫です。」


「なら、もう少し探索するか。」





シルフィがそう言うと三人は探索に戻り、森の中を歩き始めた。

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