20の目
やっぱりあれからセディーに対し異常な遭遇率を出すピンク頭は偶然を装い何度も近づいて来た。
会うたびにセディーの心の奥の闇をつくような事ばかり言うので最近のセディーは情緒不安定になりやすくなって心配です。
私も聞いていてあまりにも酷いと思う内容が多すぎました。
ピンク頭曰く、
「セディール様!私は本当の事を知っています!セディール様は本当はお優しい方だと!竜人の先祖返りであろうが何であろうが私!怖くありません!」
お前にセディーの何が分かるんです?
優しいのは私でも知っています。
ピンク頭曰く、
「セディール様!あなたの婚約者は最低ですわね!
セディール様はこんなにも素晴らしい人なのにあの女ときたら!あなたの事蔑むような事ばかり!許せませんわね!」
私がいつセディーを蔑むような事を言ったのです?
「セディール様!あなたの今のお母様もきっとセディール様の事分かってくれます!ちゃんと話しあいましょう。私も付き合いますから!」
今でも暗殺者を送り込んできていて、セディーは小さい頃にも殺されそうになってると言うのに何を今更話せと言うのです?
セディーの事を話して理解するならもっと前に理解しているはずです!
その後もそんな同じような事を毎回会う度にひっつきながら言われるものだからセディーは情緒不安定になりいきなり抱きついて泣き出したり。
トイレへ駆け込んで吐いたりと酷い状態になりました。
これには流石の私も近づけてはいけないと一年の頃からピンク頭の件でお世話になっているバルシェ先生へと事情を話し、親の了解(セディールの場合父親)を貰い部屋を一緒にした。
本当は結婚前の男女は部屋を一緒にするなんてしてはいけないけど今のセディーの状態は本当に酷くそんな事を言っている場合ではなかった。
何よりもセディーが堪えたのは私との関係の否定。
別にセディーにとって過去も継母もどうでも良かったのです。
けれど私との関係の否定は唯一の心休める所を失いそうな怖さに見舞われるらしく常に私が居なくならないかが心配らしい。
そんな心配はしなくても大丈夫ですと言っても側にいるのと居ないのとではやっぱり違うらしく一緒の部屋になってから更に私を抱きしめる回数は多くなりました。
そんなセディーを見ているとやっぱりあの女が許せなくてでも今何も出来ないのが悔しくてやるせない気持ちになります。




