10の目
入学式から1日目。この日は買い物に当てるため早くにセディーの部屋に来ていた。
婚約者だし盲目のラフィーナを知っている寮母さんは嫌な顔一つせず通してくれる。
セディーの部屋で軽くご飯を食べながら昨日の事を話す。
「シューラと言う娘がいる男爵……最近成り上がったロジス男爵は確かそんな名前の娘が居たような気がする。その子の名前呼びたくないからピン子のままでいいや。ピン子って何言ってるか分からない。心を癒やす?僕は今癒やす必要ないほどラフィーで癒やされてるのに?頭おかしい子だね。他の生徒会の事はどうでも良いから知らないけど関わってこなきゃいいな。」
私もそう思うよ。
関わってこなきゃいいのに。
ウンウン頷いてると食べ終わった皿とかを外にある台車の上へ持って行ってくれた。ありがとう!
「今から出かけるんでしょ?じゃあ行こう。服は作ったのがあるからいらないけどご飯はラフィーの所で食べたいから材料とか買わなきゃいけないし。はやく。」
「用意は終わってるから今行けますよ!調度いいのでワープ使ってみましょう。ニョロとルルはせっかくなので二人きりにしてあげましょう。」
どうやら両片思いな2匹は嬉しそうに舌をチラチラ出しています。可愛い!
セディーもワープが気になるのかソワソワしている。
腕に捕まってもらい空間を掴むように魔法を使いながら行きたい場所を念じる。
―シュンッ
一瞬空間が歪んだと思ったらあら不思議そこは朝の王都でした!
「一瞬だ。とても楽だね。」
嬉しそうで何よりです!
王都の街は朝でも混んでいて迷子になると困るのでセディーと手をつなぎます。
迷子防止です!
お金はお父様がお小遣いとか言っていつも沢山渡してくれていたのを貯金してあるので小金持ちです!
空間魔法で中に入れとけば誰にも取られず貯金できるので楽ですね。
今回街には目を使ってないので案内はあげたフードを深めにかぶるセディーくんがやってくれます!
手に力を込めたからかこっちを見て無表情ながらに嬉しそうにしてくれました。嬉しいですね。
案内してくれたのは野菜屋さん、朝なので採れたてだそうで新鮮な野菜を沢山買っていきます。
インベントリに収納して次は近くにあったお肉屋さん。セディーは肉が大好きなのでこれも沢山買ってインベントリへ。この世界は保存が難しいので肉屋の人は止めてたけどインベントリは時間を止めていられるので心配ないのです。
着々と食べ物を買っていきお昼になったのでそこら辺のある程度綺麗なお店へ入ります。
中は木で出来ていておしゃれな感じがします。
セディーのローブは目立ちますね。
「りんごジュース2つとチキングリル3つと野菜のサラダ、ポテトの姿焼きバターのせを頂戴」
セディーは沢山食べますね。
りんごジュースとチキンでお腹いっぱいになりそうです。食べきれない分はセディーに食べてもらいセディーの食べている物も分けてもらいながら完食しました。下手に高級なものより美味しかったです。
目当ての食材も買い終わって今度は鍋とか身の回りに必要なものを見ていきます。
メリーさんが揃えてくれようとしたのですが手に馴染むものを欲しいので断りました。
フライパンや厚底鍋、包丁と次々買っていきます。
セディーが選んでくれているので性能はいいものです。
私にはそこら辺は分からないので助かります。
お皿とコップもセディーとお揃いで買っていきます。陶器より木で出来た物のほうが頑丈ですし落としたら陶器は危ないとセディーは木を進めるので木の器ですけど。
歩いていると可愛い雑貨屋さんがあったので寄ってもらう。
「セディー!セディー!これ可愛いですか?似合います?」
綺麗なリボンがあったのでつけてみる。
「似合うよ。可愛い。それ買おう。他にも色々買おうか。似合うのたくさんあるし。」
そう言うと次々と私のものを選んで買ってくれるセディーに私もセディーの物を勝手に選んでいく。
お揃いのリボンも買ってセディーに似合う宝石のバッチもあったのでそれも買う。
セディーの方を見ると私のものを選べて満足なのか周りに花が咲いていた。
それからもいろいろまわって私が疲れた頃にワープで部屋に戻り明日からご飯を作る約束とルルを返してもらい私も部屋に戻った。




