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退屈な作戦会議と世界観説明

 

 奥田は重装備で森の中を進行しながら、思考のレベルを落としていた。戦場では、判断力は大事だが、感性は少なければ少ない方がよく、物事を深く考えてはならない、そんな中、今回の作戦の説明を思い出していた。


 とある狭い会議室で奥田と他の部隊長が、年齢が分からない事で有名な女上司が暑っぽく語る作戦内容の説明を聞いている。


 今からだいたい2年前、中国の北京でとんでもないウイルスがばら撒かれたのはみんな知ってるよね?「大災禍」とか「終焉」とかみんな好き勝手言ってるけど、簡単に言えばテロだね。

  このウイルスがどれぐらいかって言うと、3ヶ月で北京から生きてる人がいなくなった、しかも残念な事に、全員が死んだ訳ではなく、死体が増えすぎ、処理しきれなくなり、街に溢れ、とても人が住める状況で無くなったからなんだよ、生き残った感染者は当てもなく各地に散らばっていった。事態を重く見た中国政府は残った3割ほどの生存者の「殺菌」を決定した。自国に逃げ遅れた観光客や中国政府のお偉いさん方も含めて、勿論表向きは観光客はウイルスで全滅した事にして、まぁどの国もそんなとんでもないウイルスを入れる訳にはいかないから何したかは察したけど非難は形だけだったね。自国民のために、汚れ仕事を働いた訳だ。

  しかし!そんなとんでもないウイルスの進行を防ぐ事など出来るはずがなく、現在進行形で中国で猛威をふるっており、ロシアのツンドラ地方の一部を除き、ほぼ感染済み、去年に初めてヨーロッパのどっかで感染が確認されたけど、最後の連絡が来たのはそれから半年後だ、その連絡が最後に公式にも非公式にも連絡はない。アフリカも時間の問題だろう。中東はあまり感染が進んでないのが唯一の救いだ。で、勿論のこと英知溢れる人間様の事なんで、このウイルスの事は研究し尽くして、なんとワクチンの作り方以外はほぼ全て分かったらしい!流石、世界中の先進国の何百億って国税と犠牲にしただけあるね!で、このウイルスで私達が知ってる事といえば、べらぼうな感染力で、感染者を目視した時にはもう手遅れと言われてたり、致死率7割…というか3割は生存して、特に後遺症もなく元気に一生ウイルスを撒き散らす。そして、このウイルスは生体内でしか生存できないってこと、これらを考慮して、国連の安保理では感染者への援助はヘリによる救援物資の投下に限ること、国境付近での脅威の排除、の2つが承認された。そして、中国 北朝鮮国境での日本 韓国 北朝鮮 そして僅かに生き延びた中国軍共同の殺菌作業が、まんまと韓国に逃げ延びた中国政府高官達の承認を得て開始された。インフラが崩壊した感染地域から僅かな物資を狙って北朝鮮に入国しようとする感染者達の排除に努めた。仲の悪かった国々が、虐殺のために協力するって言うのは何とも感じが悪いね。

  兎に角、この殺菌作業をするために、わざわざ日本は天下の自衛隊とは別に、武装組織を作る必要ができたわけ、本当は他国に任せときたかったんだけど、ボロボロの中国軍と、犬猿の仲の北朝鮮と韓国に任せるのは不安すぎるし何より人手が足りない。まぁ日本だって仲が良いとは言えないけれど。もし、北朝鮮にでも感染者が広まれば、半島から日本に逃げてくる人は爆発的に増えるだろう。その大勢の不法入国者を全員止めれる訳無いし、その中に感染者がいない可能性は非常に低い。ってんで日本をわざわざ仕事しなけりゃ行けなくなってしまった訳だ。でも日本の憲法では民間人ぶっ殺しに外国までいってきますってのはちょっと無理だしこれを憲法改正して出来るようにしたら、もう日本国憲法の原型無くなっちゃうよね。で、どうしたかと言うと、なんと自衛隊の一部が勝手に、自発的に「特殊災害対策群体」という武装組織を作成、つまり私達は世間から見たら非公式の武装組織、反乱軍、ってのが正しいね。実質的にやってる事から見ても明らかに自衛隊ではなく軍だ。当然裏ではお偉いさんたちの間で全部了承済みだけど。幾つか反対してる組織もあったが、他に良案も無く、こんな組織が出来上がってしまった。ここまでで何か質問ある?

 一気に語り切ってから数人の部隊長に声をかける。


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