自称天使の美少女が・・・・・
「うちの眠りを妨げたのはあんたなんすか?」
艶やかな黒髪。やたらと出るところは出て、引っ込むところは引っ込んだ見事なボディ。
多分、1000人に聞いたら全員が綺麗だと、そう答えるだろう。
そんな美少女が俺の目の前に立っている。
「うちの頭にあんたらしき声がガンガン響いてくるっす」
だがしかし、色気を微塵も感じさせない行動。乱暴な言葉遣い。
そして、何より・・・・・
「うちは天使何すよ?」
自称天使だ。
「ちょっと聞いてるんすか?」
少女はジト目でにらみつけながらそう言った。
かくいう俺は・・・・・
感動していた。
もう、涙が出そうなくらいに・・・・
だって、あれだ。
ここ数時間の孤独で俺の心はボロボロになっているんだ。
それを分かって欲しい。
人間というのはただの1人ではそう簡単には挫けない。
だが、無視。というのが一番辛い。
相手に悪意がないならなおさらだ。
そんな俺に現れてくれたのなら、この女は天使と言えよう。
いや、女神だ。
救世主だ!
「だから、うちの話聞いてるんすか?」
「う、うん。聞いてるよ!」
「うるさいっす・・・・」
テンション上がり気味の俺に、いらつき気味の少女。全くの真逆である。
「あんたの名前はなんなんすか?」
少女はキレ気味にそう聞いてくる。その姿はさながら修羅。天使や女神なんて欠片もない。
「俺の名前はね・・・・」
「やっぱ、いいっす」
「んなっ!」
ちょいため気味に告げようとした俺に返ってきたのは、あまりにも無慈悲な一撃だった。
「あんたの様子は・・・・」
「聖剣っすね」
なんて、女だ!
たまたま地面に刺さってた剣を、一瞬で聖剣だと理解するなんて・・・・
正確には違うんだがな。
「まあ、聖剣と言っちゃあ、聖剣かな。俺は」
特に否定する理由もないのでそう答えた。
ここで、俺は人間なんだ!とかカミングアウトしても逃げられるだけだろう。それなら、聖剣だと偽った方がまだマシだ。
せっかくの話し相手を逃がすわけにはいかん!
「ふーん。やっぱりそうなんすかー」
聞いた本人は、あまり興味なさそうだ。
だったら何で聞いたっ!
「だから、うちの脳内に直接語りかけるようなことしたんすねー」
「え? 俺そんなことしてた?」
俺がそう聞き返しても、少女は上の空だ。
「やっぱり、うちは選ばれし者だったんすねー」
有頂天になったのか少女はくるくると回り始めた。きっと、本人は踊っているつもりなのだろう。
そして、聞いてもいないのにべらべらと語り出した。
「これから、うちの過去編が始まるっすよ!!」
かくいう、俺は。
回転と同時に揺れ動く胸を、食い入るように凝視していた。
むむっ、F以上あるぞっ。




