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さあ、勇者よ。俺を抜け!!  作者: 来栖明埜
俺、聖剣になり・・・・ました
5/7

自称天使の美少女が・・・・・

「うちの眠りを妨げたのはあんたなんすか?」

 艶やかな黒髪。やたらと出るところは出て、引っ込むところは引っ込んだ見事なボディ。

 多分、1000人に聞いたら全員が綺麗だと、そう答えるだろう。

 そんな美少女が俺の目の前に立っている。

「うちの頭にあんたらしき声がガンガン響いてくるっす」

 だがしかし、色気を微塵も感じさせない行動。乱暴な言葉遣い。

 そして、何より・・・・・

「うちは天使何すよ?」

 自称天使だ。

 

「ちょっと聞いてるんすか?」

 少女はジト目でにらみつけながらそう言った。

 かくいう俺は・・・・・


 感動していた。

 もう、涙が出そうなくらいに・・・・


 だって、あれだ。

 ここ数時間の孤独で俺の心はボロボロになっているんだ。

 それを分かって欲しい。

 人間というのはただの1人ではそう簡単には挫けない。

 だが、無視。というのが一番辛い。

 相手に悪意がないならなおさらだ。

 

 そんな俺に現れてくれたのなら、この女は天使と言えよう。

 いや、女神だ。

 救世主だ!


「だから、うちの話聞いてるんすか?」

「う、うん。聞いてるよ!」

「うるさいっす・・・・」

 テンション上がり気味の俺に、いらつき気味の少女。全くの真逆である。

 

「あんたの名前はなんなんすか?」

 少女はキレ気味にそう聞いてくる。その姿はさながら修羅。天使や女神なんて欠片もない。

「俺の名前はね・・・・」

「やっぱ、いいっす」

「んなっ!」

 ちょいため気味に告げようとした俺に返ってきたのは、あまりにも無慈悲な一撃だった。


「あんたの様子は・・・・」

「聖剣っすね」

 なんて、女だ!

 たまたま地面に刺さってた剣を、一瞬で聖剣だと理解するなんて・・・・

 正確には違うんだがな。


「まあ、聖剣と言っちゃあ、聖剣かな。俺は」

 特に否定する理由もないのでそう答えた。

 ここで、俺は人間なんだ!とかカミングアウトしても逃げられるだけだろう。それなら、聖剣だと偽った方がまだマシだ。

 せっかくの話し相手を逃がすわけにはいかん!

「ふーん。やっぱりそうなんすかー」

 聞いた本人は、あまり興味なさそうだ。

 だったら何で聞いたっ!

「だから、うちの脳内に直接語りかけるようなことしたんすねー」

「え? 俺そんなことしてた?」

 俺がそう聞き返しても、少女は上の空だ。

「やっぱり、うちは選ばれし者だったんすねー」

 有頂天になったのか少女はくるくると回り始めた。きっと、本人は踊っているつもりなのだろう。

 

 そして、聞いてもいないのにべらべらと語り出した。

「これから、うちの過去編が始まるっすよ!!」

 

 かくいう、俺は。

 回転と同時に揺れ動く胸を、食い入るように凝視していた。

 むむっ、F以上あるぞっ。

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