天使の迎えは遅れてやって来る
聖剣 二日目
この姿での生活も、もう二日が経過した。
ホントに絶望しかない。
この二日間でまた一つ賢くなってしまったのだが、俺の声は基本的に聞こえないらしい。
あれから、通る人全員に声を掛けたが全く相手にされなかった。
・・・・普通、相手にはしないと思うけど。あのおっさんも多分、聞こえてなかったと今さらながらに思う。
それに、この姿では腹が減らない。
理由はよく分からんが、食事を取らなくて良いということはこちらとしてはありがたい。それがなかったら俺はもう死んでる。
・・・・そんなこんなで今日も俺は刺さってます。
一時間後
俺はいつものように荒野を見つめていた。
たまには違う景色も見たいけど悲しいかな、今の俺には振り向くことさえも出来ない。
ふと、思い出す。今となっては遠い日の記憶。
「お師匠。何食べたいですか?」
よみがえるのはモニカの声。
会いたいな・・・とか思ってみたり。
今どうしてんのかな? ちゃんと元気にやってるんだろうか。
あいつは俺より生活力はあるから大丈夫だろうけど・・・・
心配だな。
やはり、誰かに抜いて貰わないとダメだな。
俺はどうせ聞こえやしないのに息を吸い込んで・・・・
「誰かー!!」
全力で声を出してみました。
・・・・・特に反応はない。
期待していた俺が馬鹿でした。
・・・・・突如、ドドドと地鳴りが聞こえる。
なんだ? 地震か?
いや、地震じゃない。
何かの足音だ。
ドンドン近づいてくる。
なんかヤバイよこれ。
逃げなきゃ命が危ないって、抜けねえ!!
ピクリとも動かねえ!!
目を凝らしてみると、土煙を纏ながら向かってくるのは・・・・
よく、見えないが・・・・あまり大きくはないな。少なくとも何かの群れじゃなさそうだ。
ふう、これで安心・・・・・じゃないよ!!
ピンチには変わらないよ!!
流石に、あんなのに轢かれたらひとたまりもないよっ!!
そのうちそれは、俺との距離をぐんぐん縮め。
俺を無残に轢き殺・・・・
・・・・さなかった。
猛スピードで向かってきたそれは、ホントに寸前で止まった。
それは、どうやら人だったらしく。
やたらと眠そうな顔と不機嫌そうな目をした・・・・
「うるさいっす。こっちは眠いんす。天使の眠りを妨げるとは何事っすか。」
自称天使の女の子だった。




