基本選択!
《ようこそ!MSDOの世界へ!ここでは名前の入力、性別、種族、容姿、スキル、を選んでもらいます。ではまず名前を入力してください》
名前はずっと使い続けていたアブサンを目の前に現れたウィンドウにキーボードを使い入力した。
《次は性別を選んでください》
もちろん俺はネカマの趣味はないので素直にまた目の前に現れたウィンドウのボタンをクリックし男を選ぶ。
《次は種族を選んでください》
種族の書かれたウィンドウが俺の目の前に現れた。
種族はヒューマン、エルフ、ドワーフ、フェアリー、エンジェル、スカル、ハーフ等いろいろあったが見た目がボロボロで黒紫のローブを羽織った骸骨、スカルを選択した。
《次は容姿を選んでください》
目の前に現れることに段々慣れてきたウィンドウが現れる。
ウィンドウにはスカルのアバターが載っておりタッチで拡大、回転出来たりした。
目の換わりに火の玉らしきものがあり少しカッコイイと思ったりした。
体感時間二十分ほどで容姿は決まった。
ローブの色は少し明るめの紫にし、目の火の玉は基本赤にし、時々他の色がチロっと燃え上がるようにした。
身長は俺の身長と同じ百七十三センチにし、骨の太さは若干細めにした。
《次は職業スキルを選んでください》
ウィンドウにズラッとスキルが載っていた。
剣術、槍術、小剣術、弓術、拳術等多種多様な職業スキルが載っていた。
スキルの横には〈〜人〉と書いてありオーソドックスな剣術等は千人以上も選択されていた。
下にスクロールしていくにつれ人数も減っていく。
そしてそれ以上スクロールできない最後の欄にそのスキルはあった。
仮面術。
そこには確かにそう書かれて仮面術を選んだ人の数は零。
そこに俺は惹かれていった。
俺のカッコイイはよく友人におかしいと言われるがその代表例が仮面だ。
どこかの部族のシャーマンがつけている仮面をカッコイイと思ったりする。
その仮面に真実の顔を隠し、謎に包まれた存在を何故みんなはカッコイイと思わないのだろうか?
例えばアニメや映画にある怪傑ゾロだ。
貴族に虐げられる庶民を義賊として貴族の財宝を奪い取り、虐げられた庶民に施すというその大胆さや心の優しさがわからないのだろうか?
まぁ、別にこれは俺の持論なのでほかの人を否定しているわけではないし蔑んでいない。
そんな俺は隠しきれない嬉しさをその顔に宿し仮面術を選んだ。
《これ以降、名前、種族、容姿は変更できませんがよろしいでしょうか》
俺は目の前に現れたイエスのボタンを押した。
《これからあなたは沢山の色々な人々と出会い、感じ、考え、時に楽しみ、苦しみ、怒り、悲しむでしょう。自分で新たなスキルを発見し、自分だけの世界を見つけてください。ではこれからあなたを初めての街【ララクルゥ】に転送します。これからの良い世界を!》
これから俺と仮面のゲームが始まる。
キィィーンキィィーンキィィーン
徐々に音と共に光が増していき、目の前が真っ白になっていった。
間違い箇所の指摘、感想、評価等をお待ちしております。