表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/16

旅路5『ルカ』

喉が渇く。いくら冬に近いといっても、歩けば熱くなる。休憩しているときは肌寒いくらいだが。

俺はいつものパーカーにジーンズ、それに薄手のレーシという上着を着ている。

レイはこれまたいつもの綿のシャツに上着、ハーフパンツだが、脚は寒くないのだろうか?


「ね、ルカ?今日には次の国に着けるよね?」


「あぁ。太陽があの位置だから・・・。」


俺は地図と太陽の位置から、今自分たちのいる場所を考える。


「このままなにもなければ、あと3エセット(約3時間)くらいで着くだろう。今夜は夜営する場所を探さなくてもよさそうだ。うまくいけば暖かい寝具で寝られる。」


「ぃやったぁっ!!久しぶりだねっ、それにロコ(風呂)にも入れるよね♪」


「あぁ、そうだな。」



しばらく他愛もない話をしながら半エセット(約30分)ほど歩いたところで、レイがもう待ちきれないと言うように


「ねぇ、ルカ、お腹すかない?もうお昼にしようよっ!」


と言い出した。そういえば、腹が減っている。


「しかたない。弁当食おうか。」


「うんっ☆」


そう言うと、荷物の中から握り飯の入ったハクリの包みを取り出して、美味そうに握り飯をほおばる。

見ているこっちまで食べたくなるじゃないか・・・。



「ごちそうさま。」


「ごちそうさまっ☆おいしかったね。」


「うん。美味かった・・・。よし、行くか。今から出れば、あと2と半エセット(約2時間半)もあれば着くだろう。」


「そっか、行こうかっ!」



歩く事2と半エセット・・・。ようやく何人かの人とすれ違うようになっていた。

が、どの人もこのあたりの地域の人ではない。ある人は褐色の肌に薄茶色の目、それに茶髪だ。ある人は真っ白な肌に緑の瞳、それに金髪。


「ねぇ、ルカ。今から行く国は商業で栄えてるって聞いたから、他の地域の人がいて当然よね。なのにここいらへんの人を全然見かけない・・・。」


それは俺もおかしいと思う。商業で栄えているのなら、売りに来る人がいるのは当然だ。だが・・・。売りに行く人がなぜいない?


そんなことを考えながら歩いていたら、ふいに人々のざわめきが聞こえた。


「声が・・・する。でも、人の声だけじゃなさそうよ・・・。」


レイには「聞き耳の才」がある。それは人には見ることのできない妖精、精霊、幽霊、時には獣の声も聞くことができる。この才は、ヴァンパイアの血を引くこいつだからこその才だ。


「なんの声か、分かるか?」


「ううん。まだそこまでは。でも、何かを、誰かに伝えたがってる・・・。」


「そうか。一旦聞き耳は閉じておけ。街に入ったときに、何がなんだか、分からなくなる。」


「うん、そうする・・・。」



と、人々のざわめきが大きくなった。

次からはレイ目線でいきます。

なるべく毎日更新したいですが、学校がある日は・・・。無理かもです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ