旅路2『ルカ』
うん、ここならいいだろう。
川もあるから飲み水を補給していこう。
いくら魔族とヴァンパイアの血をひいているからって、人間に近くなっているから人並みに喉も渇くし、腹も減る。
「レイ、今日はここで寝るぞ。」
「うん、わかったよっ☆」
そう言ってレイは晩飯の準備をはじめる。
その間に、薪でも拾っておくか・・・。
パチパチと木の燃える音がする。
基本的に火には困らない。レイが魔法で出してくれる。
だが、水は・・・。水ノ剣は水を出せるが戦闘用だ。飲み水に使うわけにはいかない。
「ルカ、もうそろそろだよね?」
「あぁ。」
俺は熱さをそんなに感じない。レイも同様・・・のはずなのだが。火からなにかを取り出すのはいつも俺の役目だ。手が黒くなるのであまり好きではない・・・。
俺は薪をまずよけると、レイに一旦火を消してもらう。
そうして地中に埋めておいた葉の包みを、そぅっと取り出してレイに手渡す。
「上手くできてるかなぁ?ね、ルカ。」
「大丈夫だろ。いつもとそんなに変わりはなかったぞ。」
「ならよかったっ!!」
包みを開く前に、俺が薪から水を吸い取って、水ノ剣にチャージしてやる。
そうして乾いた薪にレイが火をつける。
「ん・・・あったかい。ありがとう、レイ。」
「うんっ☆」
「食べるか・・・。」
そうっと包みを開くと、ほわっと香ばしい匂いとともに湯気が立ち上る。
「いい匂~いっ!おいしそうっ!ねぇルカっ、はやく食べようよ。」
「うん。」
包みの中には米の飯と、タレに漬け込んだ鹿肉が入っている。鹿肉は前の国で手に入れた。タレに漬け込んだ鹿肉は腐りにくく、味も良いから旅人の食料として重宝されている。
「いっただっきまーすっ!はもはも・・・。ん~~~っ!おいしいっ!はもはもはも・・・。」
レイは夢中で食べている。
俺も一口・・・。
「うん、美味い。レイは料理上手だよな・・・。」
一口食べると甘辛いタレに漬け込んだ鹿肉がやわらかく、口の中でほろほろとくずれる。
ふっくらと炊き上がった米の飯に、甘辛いタレがしみこんで本当に美味しい。
「美味しい・・・。」
「ねっ?おいしいよねっ?はもはもはも・・・。ん~~~っ!」
またレイはすごく美味しそうに食べだした。
月が綺麗だ。
えっと・・・。美味しいものを書くのが好きなので、ご飯にめっちゃ時間かけてしまいましたw