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【○○】したいの?魔王さま。  作者: ハニカムハムスター


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2話 魔王は遊びたい。

とある日の魔王城。


「さて、今日も行くか。」


我はあの一件からちょくちょく人間の国に遊びに行くことが増えた。

我は人間を知らなすぎる、だから人間を知るために今日も人間を知る活動に勤しむのだ......!


「それ、魔王さまが遊びに行きたいだけではないですか?」


そうだ。人間を知るためももちろんだが、生まれてから1度も魔王城を出たことがない我にとっては人間の文化は新鮮であった。


「魔王さま、お言葉ですが申し上げます。」


「我々魔族が人間と分かり合えるはずがありません。」


そんなこと、わかっている。


勇者がその良い例だろう。


勇者は選ばれし人間、人間の最後の希望。


魔王がいる限り勇者は生まれ続ける。


「セバスよ、我は人間と分かり合えないとは思わない。」


「我々も人間たちも、あまりに互いのことを知らなさすぎる。」


「だから理解するのだ。」


「理解できなくても、理解しようとすることはできる。」


我は背中に刺さるセバスの視線を振り払い人間の国へと足を向けた。


「理解できなくても……理解しようとすることはできる……ですか。」


.....................

............

......


「ふむ、やはり毎度来てもいつも祭りのように賑わっておるな。」


いつ見ても良いものだな、どこを見ても皆が笑顔だ。

空腹に倒れる者も、一つの食料を巡って争いが起こることなどない、【平和】そのものがここにある。


「分かり合えるはずがない、か。」


我がその気になれば、人間の国などすぐに滅ぼせるだろう。


だが、滅ぼすということは我がこの罪なき者たちから笑顔を、居場所を奪うということ。


どんな権利があって他人の幸せや幸福を踏みにじれようか。


「む、何だあれは」


そうして街を歩いていると、なにやら一際盛り上がっている場所を見つけた


「へへ!俺の勝ち〜!」


「ぐわ〜!また負けた〜!」


何やら子どもたちが紙を出し合い遊んでいるようだ。


「すまない、それは何をしているのだ?」


紙には何やら絵と数字、そして長い文章が書いていた。


「え!あんた【マモノン】知らねえの!?」


「マモノン....?」


「マモノンカードゲームだよ!」


「すまない、我は流行り物に疎くてな」


「じゃあさじゃあさ!兄ちゃんにマモノン教えてあげる!」


そう言うと子供はカードを広げて意気揚々と説明を始めた。


──────

────

──


「なるほど、大体ルールは理解した。」


つまりは、自分の手持ちのモンスターが0になる前に相手のモンスターを0にすればいいということか。


「兄ちゃんデッキ持って無いの?」


「すまない、生憎と持っていない。後゛兄ちゃん゛じゃなくて我はマオだ。」


「分かったマオ兄ちゃん!それじゃ、今回は特別に俺のデッキ貸してあげる!」


マオ兄ちゃん……か、我に兄弟はいないからな……少し変な気分だ。


「いいのか?すまない。」


そう言いデッキを受け取るともう1人の子供が

目の前に立った。


「ふふ、このショウが相手になってやる!」


「……」


「……?」


なんだ、この空気は。


「ほら!お兄さんも名乗って!」


なるほど、このゲームでは対戦前に名乗るのが

ルールなのか。


「あぁ…では、このマオが貴様を打ち倒す!」


──────

────

──


「ふむ……まずいな。」


俺の手持ちのモンスターは後1体、それに対してあちらのモンスターは2体と数ではこちらが負けている。


「(何か……良いカードを引かなくては。)」


「我のターン、ドロー!」


……!


「くくく……面白い…!」


「それではこのカードを使わせて貰おう。」


カード発動:絶対零度


「なっ!」


「カードの効果によりそちらのモンスターは1ターン行動不能だ!」


そしてこちらのモンスターにはコイントスで

相手を1ターン行動不能にできるモンスターがいる。


「まずは1体目だ。」


残るは一体。


「ターンエンド。」


「くそっ!俺のターン!ドローー!」


「く……魔法カードじゃない……!」


「ターンエンド……!」


さて、ここからは運だが果たして上手く行くだろうか。


「こちらの攻撃だ。」


親指でコインを弾く。


クルクルと回転し緩やかな軌道を描きながら

地面へと落下する。


表なら行動不能。


裏なら無効化。


皆が固唾を飲み込む。


「くそ……」


゛裏゛


「行動不能の効果を無効化…ターンエンドだ。」


「危なかった……!」


「俺のターン!ドロー!」


「そして、ダイレクトアタック!」


負けた……のか、この我が。


「ふふ…ショウよ…貴様の戦いぶり……見事であった……!よもやこの我を討つとは……!」


「何言ってんだよ!マオ兄ちゃんも凄かったよ!こいつ、俺でもこんなに追い詰めた事なかったんだから!」


「そ、そうか……ふふ、ははは……!」


楽しいな。


こうして魔王という肩書きを忘れて遊ぶのは初めてだが、悪くないな。


「マオ兄ちゃん次は自分でデッキ組んでよ〜?」


「あぁ、分かった。」


「ちなみに、カードはあそこのお店で買えるよ!」


「そうか、それでは早速行ってみる。」


「うん!……って、もうこんな時間だ!帰らないと!」


「ほんとだ!かあちゃんに怒られる!」


そうして2人と別れてから我は店でいくつかのデッキと゛パック゛と言うものを購入した。


魔族が使っている硬貨は以外にも人間達にも

流通しているようで手持ちを全て換金して貰った。

一体どこから流通したのだ。


──────

────

──


【魔王城】


「魔王さま……これは一体……?」


「これは゛マモノン゛というカードゲームだ。」


「はぁ……」


「いや、これが中々面白くてな…セバスもやるぞ!」


そして我はセバスにマモノンのルールを説明した。

セバスはやはり理解が早く、1度説明したら全て

覚えたようだ。


「なるほど……それでは私、セバスと対戦願います」


「あぁ、かかってくるがいい、この魔王が全てねじ伏せてくれよう。」


結果で言うと、セバスには1勝も出来なかった。


どのような策を講じても、全てねじ伏せられた。


「どうだセバス、人間の文化も中々面白いだろう。」


「ふふ、そうですね。」


「これの面白さを広めるために余っているカードやデッキを魔族の皆に配ってきてくれ!」


「はい、承知いたしました。」


そしてその日から魔界ではマモノンカードゲームのプレイ人口が爆増した。


2話 完

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