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好きな人がパーティを追放された  作者: myano


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8/8

幕間 ミレナとリリアの休日

 あたしはリリア。最近レイヴェルクの街にやってきた冒険者だ。

 あたしには大切な人がいて、その人のことを『お兄ちゃん』と呼んでいる。

 お兄ちゃんとは小さな頃から家族同然に過ごしてきたし、この街に来るときも一緒だった。

 この街でもお兄ちゃんと二人で冒険を続けていた。だけど昨日、あたしたちは他のパーティに加入させてもらうことになった。そのパーティが、グレインたちのパーティだ。


 正直、お兄ちゃんと二人きりで冒険したい気持ちもあったけど、それではいずれ限界が来ると思う。

 だから、信頼できる人たちとパーティを組めればいい。というのが、せめてもの願いだった。

 そう考えると、あたしたちは幸運だ。グレインは間違いなく信頼できる。大切にしている髪留めを落とした時、彼は探すのを手伝ってくれた。出会って日は浅いけれど、彼の言動からは優しさがにじみ出ている。

 ミレナちゃんも多分信頼できる……と思う。彼女のことはよく知らないけれど、グレインが一緒に冒険することを選んだ子なのだから。

 別に彼女のことを知らなくても大丈夫。これから知っていけばいいからだ。



 そう。今日はミレナちゃんと一緒に街で遊ぶことになっている。

 今日の冒険はお休みだ。グレインが『色々と準備もあるだろうから』と、休養日にしてくれた。

「ごめん、ミレナちゃん。おまたせ」

 待ち合わせ場所に着くと、ミレナちゃんは既に待っていた。

「ううん。私も今来たところだから」

 そう言うと、ミレナちゃんはにこりと微笑む。その表情は思わずドキッとするほど可愛らしい。ダメダメ、あたしには心に決めた人がいるのだから。

「じゃあ、行こっか!」

「リリアちゃん、待って。引っ張らないで」

 ミレナちゃんと仲良くなれればいいな。そんなことを考えながら街を歩くのだった。



「ねえ、ミレナちゃんのこと、ミレナって呼んでいい?」

 昼下がり。お菓子がおいしいと評判の喫茶店で、ミレナちゃんに尋ねる。

「うん、いいよ。私もリリアって呼んでもいい?」

「うん!」

 すごく嬉しい。天にも昇る気持ちになる。

 朝から一緒に過ごしてみて分かったけど、ミレナは本当に優しくて素敵な子だ。少し抜けているところもあるけど、そこもまたかわいい。

 彼女と話せば話すほど、もっと仲良くなりたいという思いが強くなる。あたしには同世代の友達がほとんどいないから尚更(なおさら)だ。


 甘いお菓子を食べていると、ふと天啓(てんけい)が降りてきた。

 友達の女の子と二人きり。するべきことは一つ、恋バナだ。

 あたしのことを話すのは気恥ずかしいので、ミレナに訊いてみることにした。

「そういえば、ミレナとグレインって付き合ってるの?」

「え? 付き合ってないよ」

 ……えっ? 付き合ってないの? 予想外。

 ミレナはきょとんとした顔をしているから、照れ隠しではなさそうだ。

 あたしが言うのも変な話だが、男女二人きりのパーティってみんな付き合っていると思ってた。……あたしたちはこれから付き合う予定だから!

「じゃあミレナはグレインのこと、どう思ってるの?」

「友達……親友が近いかな?」

 親友かぁ。グレインも大変だ。


 あたしが思うに、グレインはミレナのことが好きだ。

 グレインに髪留めのお礼をした時の反応を見て『もしや』と思い、昨日の冒険中にこっそり観察して確信した。

 グレインは分かりやす過ぎる。いつもミレナのことを目で追っているし、ミレナを気にかけている。……ミレナは気付いていなさそうだけど。


 ミレナはミレナでグレインのことを信頼していると思う。心を許しているというのが正しいのかな?

 だからこそ、二人は付き合っていると思ってたし、たとえ付き合ってなくても相思相愛だと思ってたんだけど……。

「あたしはお似合いだと思うんだけどなー」

 本音がポロっと口から出る。何も考えずに出てしまった言葉だから、ミレナが気を悪くしていないか様子を見る。良かった、大丈夫そう。

「……どうなんだろう。グレインは他に好きな人が居るかもしれないよ?」

 うーん、本当に鈍いなあ。グレインが可哀想になってくる。

 でも、ちょっと間があったってことは想像したのかな? しかも『お似合い』の方を否定しなかったということは案外脈ありかもしれない……?


 グレイン、頑張れ! チャンスあるかも!


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