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女神(アイドル)たち舞い歌いて、邪を祓う  作者: 暇崎ルア
第1章 流るる水、歌声とともに

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流奈と茜 談話

第1章、18話。

アイドル二人、束の間のひととき。

 ——茜っちの裏切者!

 と、言いたい気持ちはうっすらあった。


「……ありがとう」


 代わりに出てきたのはシンプルな感謝だった。


「どういたしまして」


 ふっと笑った茜が流奈を正面から抱きしめる。


「わっ、ちょっといきなり何よ~」


 ——茜っちってこんなにスキンシップ多かったっけ?

 顔が熱くなるのを感じながら、困惑する流奈。


「あのさ、マジで心配したんだからな?」

「……うん、わかってる。ごめん」


 背中を程よい力で抱きしめる腕に流奈も手を回し、力を込める。温かい。


「流奈は良い奴だけど、向こう見ずなところがあるからさ」

「うん、そうかも。反省する」

「いくら水の女神様だからって、どこまでも一人で流れていかないでくれよ」

「わかった。濁らない程度に同じところで留まれるようにする」


 しんとした寮の廊下に、二人分のくすくす笑いが響いた。


「で、どうだったの除霊は? うまくいったか?」

「ん~、なんとかね」


 洗面所で手を洗いながら、起こったことのすべてを手短に話す。


「マジか、すげーな。ローレン夫妻みたいじゃん」


 ホラー映画「死霊館」シリーズに登場する霊能者夫妻を引き合いに出しながら、茜が感心する。


「いやー、流奈はすげーな」


 テーブルに頬杖をついた茜はにやにやしている。


「何が?」

「歌って踊れて、除霊もできるアイドルなんて最強じゃんよ」

「……さあ、どうだか」


 本当はそんなこと一切関わりたくないけれど、自分たちのためだ。もう二度とあんな邪悪なものをライブに連れられるのはごめんだから。


「これも一種のファンサと思ったら気分はいいかなー」

「ファンサにしてはリスク高いけどな」

「そうね、疲れるし」


 急激な疲労が襲い、流奈はソファに倒れこむ。もうすぐ夕食だというのに、そのまましばらく動けそうになかった。


「お疲れ、水の女神様」


 流奈の頭をぽんと叩く茜の手は、ほんのりと温かかった。


「茜っちは温かいな~」

「手が温かいやつの心は冷たいっていうけどな」

「そんなのデマだよ、茜っちは身も心もほっかほかのカイロです~。——そういえば、新曲の進捗はどうなの? 順調?」

「うわっ、今それ聞くのかよ……」

「聞くよ~、気になるんだもん」

「……まあまあかな」

「とか言いながら本当はダメなんでしょ? 知ってる~」

「いや、本当に順調だって!」


 茜と笑いながら馬鹿なことを言っていると、少しずつ固まった心がほぐれてくる流奈だった。

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