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この作品には 〔ガールズラブ要素〕〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

誘拐はよくない!!と思います!

作者: 暇人

私はナナ。この前高校を卒業したばかりなんだ!実はずっと好きだった子と明日は初デートなの❤❤

高校はコミュニティーがちっさいから周りの人達にいっぱい嫌なことされたけど、大学生にもなったらそんなこと無くなるって思って正式に高校卒業から付き合いだしたの!もうとっても嬉しくて嬉しくて嬉しい!!

ピコンッ

あ!!メッセージきた!

『明日はデートだね!!楽しみ!明日はとびきりのオシャレして、手も繋いで沢山お話しようね!』

だって!!

私も返さなきゃ!!

『私も楽しみ!!手、繋ぐ!繋ぐ!!』高校のころは周りの目が気になってたけど今はそんなこと無くて大人になったって感じ!!

明日はきっと最高に楽しい日になるんだから!!

そうワクワクしながらお布団に入った。

私はナナ。今日は大好きな女の子と大好きな漫画の原画会に行くの!今日は張り切ってお気に入りなワンピースで来たし、グッズも5万は使っちゃうんだから!!

デート❤デート❤

楽しみだな!

「あっ、いた!!おーーぃ」

突然口を塞がれた。一瞬だった、おそらく流れ星もびっくりしちゃうくらいの速さだった。

気づいた時には時すでにお寿司!!みたいな。真っ暗な部屋にいたの。全然外が見えなくて怖い!!お化け出るかも!!って、あと今日のデートが無くなっちゃうなぁ、っていうのはすっごく悲しくてちょっと泣いちゃった。


ガラッ


誰かがドアを開けたの。大きな人でクマみたいな人だった。


バチンッ


頬を叩かれた。思った以上に痛くてびっくり!!また少し泣いちゃった。


ガラッ


また誰か入ってきた。次はその2人が喧嘩を始めたようだった。クマのような二人が言い争い1人のクマが拳銃を取り出した。


バンっ!!!


1人のクマは殺されたようだった。もう1人の生き残ったクマが死体を持って外に出てった。




ガラッ


また誰か入ってきた。クマだ。またクマのような男が入ってきた。その男は電気を付け、食事を置き、後ろの方を指さしてまた部屋から出て行った。


いや、人が殺されたのを直前に見たばっかで食えるかーい。

って思ったけど食べた。割と微妙。そんな美味しくないや。

トイレやお風呂は後ろの指をさされたほうにあった。

その日からクマのような男が何回か部屋に入ってくるようになった。毎日私の食事と服を持ってくる。こいつの服のセンスが無くてマジ萎えたけどご飯がだんだんグレードアップしてるから許した。私はこの不思議な生活がいつ終わるのかなぁ。と待ってた。


でもね暇すぎ。一日に3回はお風呂入ったもん。人間って暇すぎると全然知らない人にも話しかけれるんだよね。

だからクマの人に話しかけたの。

「ご飯美味しい!!次はマカロンが食べたい!!」って。

まぁ無言で去って行ったんだけど。

次の日にわたあめが出た時はうわっ。惜しい!!って思った。


その日からクマの人に一方的にめっちゃ話して終わるっていうのがルーティンになった。


そこから何日監禁されてたか分かんないけど外に出して貰えて、色んな人に会って、なんか日本じゃなさそうで、やばーって思ってたら、知らない人がいっぱい部屋に入ってきて、暴力を振られるってことが多くあった。

マジこれがちょー痛くて、全然折れた。足と腕が合わせて計5回ぐらい折れた。1回も経験無かったから1回は折れていっかなって思ってたけど5回は多すぎ。

で、気づいたら子供をお世話してたんだよね。なんか押し付けられて、あんま子供って好きじゃないからさっさと返したくてクマの人にめっちゃ押し付けてた笑笑 ってかクマの人がめっちゃ手際良かったからクマの人多分子供いるわ。




「それが、ナナさんのここでの生活の話なんですね。」と白いスーツを着た日本人の男の人が言った。

「そうそう!!ってか日本語話せる人にめっちゃ久しぶりに会って嬉しすぎ!!ってか、あの子供マジ誰の子か知ってる?なんかあの目嫌いなんだよね〜。親に返せるならさっさと返したい!!ってか親も親だよ!!育てられないなら産むな!!って感じじゃない?」

「はい。そう思います。」

「だよね〜!!マジほんとに楽しい!!いっぱい喋っちゃってごめんね〜。でも許して!!ご愛嬌❤❤」

「はい。問題ないです。ナナさんの話はとても面白いので。」

「マジ?!照れる。ってか話しすぎたら喉乾いた〜。」

「では水持ってきますね。」

「キャー、ありがとう❤」

そう言って日本人の男は部屋から出て行った。



ナナさんは15年間行方不明になっていた女性だ。行方不明になっていた時の記憶が混濁して、精神病にかかってしまった。誰だってそうなる。

ナナさんの事情を話すとこうだ。

誘拐され、何日も監禁され、恐怖を植え付け、クマという男を愛するようにしくまれたのだろう。ナナさんの話にはクマという男の悪口は一切出てこなかった。

ナナさんは今日本の病院にいる。まだナナさんの中ではあの部屋にいる感覚なのだろう。私が何度顔を出しても初めて会ったかのように話す。

海外まで誘拐されていたナナさんが15年という月日で見つかったのは、息子さんのウェイさんが母の異常に気づき日本まで戻してくれたおかげだ。

ただウェイさんも可哀想に。ナナさんはウェイさんを自分の息子だと認識していない。ましてや嫌いとまで言っている。幸い、ウェイさんもクマのような男もナナさんのものに会いに来ない。それがほんとに良かった。

ウェイさんとはたまにお話し、クマのような男、ウェイさんにとっては父、ナナさんにとっては誘拐した男はまだ話はついておらず、ウェイさんが説得しているそうだ。

上手くまとまればいいのだが。


プルルルルンルン


医者の携帯が鳴った。ウェイさんからだ。

「はい。もしもし。」

「あ。先生、お世話になっております。先ほど父とまた話し合ったのですが。。。。。。。。。。。。。」

あぁ今回も無理だったか。

「今回も難しかったですか?」

「今回は成功しました!!もう二度と母に会わない。という言質まで取らせました!!」

成功したんかーい。なぜ溜めた。

「それは素晴らしいです!!ウェイさんお疲れ様です。さぞ大変だったでしょう。ほんとにお疲れ様です。」

「いえいえ、こちらこそ長引かせてしまって申し訳ありません。今後とも母をよろしくお願いします。」

「はい。かしこまりました。」

「まだ母には会わない方がいいですか?」

「そうですね。精神がまだ不安定の状態でして、追追には回復し、ウェイさんとも会話出来ればと思っております。」

「そうですか。分かりました。定期的に母の体調をこれからもご連絡お願いします。」

「はい。かしこまりました。」

「では失礼します。」

ガチャ

電話が終わり、そろそろナナさんの部屋に戻ろうと歩いていると、ナナさんの病室の前に誰か立っていた。

ドアを全開に開けてナナさんの方をじっと見ているようだった。そこに1人の若い看護師が駆けつけてきた。

「先生!あの人ずっといるので怖くて今から呼びに行こうとしたんです。あの人ナナさんの知り合いですか?」

「いや、ナナさんの知り合いはいないはずだ。あの人は不審者だ。警察を呼んでおいてくれ。」

ナナさんが日本に戻ってきたのはごく一部の人間しか知らない。ナナさんの両親ですら知らないはずだからナナさんの知り合いがくるはずないのだ。


「ナナ。」その不審者の男が口を開けた。

「ナナ。こっちを向いてくれ。」

その男の体型がクマのような体型でわかった。この人はウェイさんの父親、つまりナナさんを誘拐した男だ。と、でも何故。いやそんなことよりナナさんが危ない。ナナさんがパニックになってしまうかもしれない。それか男がまた誘拐をするかもしれない。


「悪かった。」そうポツリと男が言った。

「すまなかった。ナナが好きすぎるあまりにやってしまったのだ。誰かに取られるかもしれない。俺のことだけを見て欲しい。って。どうか許してくれないか。ナナに二度と会えなくなるなんて無理だ。ナナが許してくれるまでいつまででも待つ。だから、お願いだ。」そう言って男は泣き崩れた。






「私もお前とまた一緒に暮らすのとか無理。そんな辛いなら死ねば?」

とナナさんが言った。


プルルルルンルン

ウェイさんから電話がきた。


「すみません、父がそちらに行ってませんか?昨日の説得から見当たらなくて。。。

もしそちらに行ってましたら母には合わせないようにしてください。母は正常だけど異常なので。父が殺されるかもしれないので。」

それを聞き納得した。

そうか。ナナさんはずっと正常だった。狂ったフリをしていただけ。だってその方が相手を油断させて


(「あの人を殺せるかもでしょう。」)そうナナさんがニッコリと笑った。

僕の名前はウェイ。父がマフィアのボスで、母が誘拐された日本の女性だ。

最初に気づいた違和感は母が父を親の仇のような顔で見ていたことがきっかけだ。母はずっとニコニコ笑っていたからその怒ったような恨んでるような顔がとても印象に残っている。

母は基本的に優しかった。どんなに悪いことをしても怒らなかった。ただ自傷行為が激しく、骨折が5回ぐらいしたころに父を説得し、日本の病院に入れた。

父は最初とても反対していたが、このままじゃ母が死ぬぞ!って脅したらスグ入れた。

笑っちゃうよな。母からあんな嫌われているのも知らずに。まぁ自傷行為っていうのは嘘。母が父を殺そうとする度に失敗しているだけ。父には国や会社のためにやって貰うことがまだまだある。死んでもらっちゃ困る。って思って母を遠ざけたんだか、


まぁ今回父は母から直球で言われて自殺した。割と呆気なかった。

母は本当の家族のもとに戻って幸せに暮らしてる。

父は自業自得な気もするし同情なんてしないが、父は僕のことを愛してくれた。母は僕に一切の興味を示さなかった。何をしても怒らないし、褒めないし名前すら呼んでもらったことは無かった。

母はどう見ても被害者だし、父は加害者だけど。どうにもやるせない気持ちがまだ僕の中には残ってる。














ここまで読んで下さりありがとうございます。初めて書いたので拙く、不格好です。前書きや後書きの書き方も間違っていたら申し訳ございません。

ほんとにここまで読んで下さった方はありがとうございます。アドバイスや質問などズバズバコメントくださると幸いです。

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