6月4日 サイズ
川崎「今日は、人が多いね」
私 「ですねぇ」
靴を買うかどうかはわからないが、次から次へと店内へと入ってくる。
川崎「この前、三宅と話した?」
私 「はい、この前バイト一緒だったんで話をしましたよ」
不意に三宅の話が出てきて、私は気になった。
川崎「辞めるって言ってた?」
私 「えっ?それは聞いてないです」
まさかだった。前話をした時は、そんなそぶりすら見られなかった。私が人のことを見ていないとも取れるんだけど。
川崎「そっかぁ」
私 「三宅さん辞めるんですか?」
単刀直入にハッキリ聞いた。
川崎「インターンにそろそろ行こうかなって」
私 「そうなんですねぇ。全然知らなかったです」
たしかに、インターンに行くなら今の時期になるよな。どうするんだろう、三宅さん?
川崎「まぁ、迷ってたみたいだしね」
私 「まだ、決まったわけではないんですか?」
新しい靴を見ながら、私に返答する。
川崎「うん。前会った時は、迷ってるって言ってて。でも、インターン行くならバイトは辞めるって」
私 「たしかに、ずっと一緒というわけにはいかないよな」
すいません!!向こうからお客さんの声が聞こえる。先輩である川崎さんより早くと思い、体が動いていた。
川崎「ちょっと行ってくるね」
私 「はーい」
さっき声をかけてきた50代くらいの女性のところに着いたのだった。女性は、靴を試しに履きたいと言っているみたいだ。今度は、私の方に駆け寄ってくる。
川崎「矢田さん!!」
私 「どうしました?」
川崎「これの、24.5のサイズある?」
私 「えっ、、、、、、、と」
川崎さんが見せてきた靴は、最近店内に入ったモノだ。私がかがんだ下にはたくさんの靴が並べられている。こんなにたくさんあるのかぁ。どれだ?川崎さんから渡された靴のケースを見ながら同じモノを探していく。
川崎「あった?」
私 「ちょっと待ってくださいね」
川崎「うん」
あっ、これかぁ。ちょうど一番下の棚に同じモノが入っていた。
私 「川崎さん、同じモノはあるんですけど24.5がなくて」
川崎「そうなの?」
私 「はい」
24か25ならあるみたいだ。
川崎「24と25ならあるかんじ?」
私 「そうですね」
川崎「わかった。そう言ってくるな」
私 「わかりました」
再び、女性のもとへ川崎は歩き始めた。




