6月2日 自由
みんなに会うのかぁ。私の中では、楽しさと不安が少し入り混じっていた。みんなに会えるのなら嬉しいけど、今の自分がみんなに誇れるかどうかはまだわからなかった。大学生になってから約2ヶ月。全てが高校生活とは違って自由だった。実家の時とは異なり、何をしても止められることはないし、否定されることはない。だからこそ、今のやっていることが正しいかどうかがわからない。それが一番の不安だった。自分がいいと思ってやっていたことが、意外とそうでもないことなんてよくあることだ。もし、そうだったらどうしよう?私は、そんな小さなことを気にしてしまっていた。
ー6月1日ー
私たちは、サークルのメンバーの中でも一番早く集まっていたのだ。他の人もそろそろ来ると思うけどな。
私 「会うのはいいですけど、誰と会うんですか?」
友家「そりゃあ、全員だよ」
いや、"BIG3"の全員と日程を合わすなんて、かなり困難だろう。私と七海はかなり離れているし。おまけに、真波は、どこで何をしているかもわからない。最近、SNSも見てないしなぁ。
私 「全員と日程合わすなんて無理に決まってるじゃないですかぁ」
友家「いや、いけるよ」
まるで、これからどうなるか知っているような口ぶりだった。
私 「なんで、行けるんですか?」
友家「それは、勘だよ」
私 「全然あてにならないじゃないですかぁ」
あてにならない友家の話を聞いても仕方がない。
友家「じゃあ、俺が聞いてあげるよ」
私 「どういうこと?」
なんかしそうで、とても怖かった。
友家「俺の彼女は、そのBIG3の先輩にあたるわけでしょ?」
私 「まぁ、そうなりますね」
友家の言っていることは間違ってはいない。ただ、その先輩と付き合っているのかは少し疑問だった。
友家「だったら、来てくれるんじゃない?」
私 「まぁ、夏休みとか冬休みだったら、チャンスあるかもしれないですけど」
友家「だろ?」
七海は、大学に進学しているし休みの期間は大体同じだろうな。
私 「でも、みんな忙しいですからねぇ」
友家「忙しいなんて、当たり前だよ」
私 「そうですね」
いつの間にか、友家に圧倒されていた。
友家「おぉ!おはよう!」
少し離れたところから、先輩が手を振っている。私たちの話を遮るかのように、サークルのメンバーが現れたのだった。




