5月29日 男性Ⅶ
やっぱりなんとなく毎日過ごすのは私には合わない。学校、バイトにもなんとなく慣れてきた。そろそろ、新しいことに取り組みたいと思っていた。けど、それが何なのか私にはわからない。私自身がこういうものなのか?古谷にいろいろ教えてもらったから、後はやるだけという状況だった。
ー5月23日ー
古谷「ちゃんと来たんだ?」
私 「来ましたよ」
古谷「何してんの?こんなところで」
私たちがゆっくり話していることが疑問の様だった。
山城「何してるの?じゃないよ」
古谷「何が?」
山城「代表が電話出ないから困ってたんでしょ」
慌ててスマホを取り出し確認し始めた。
古谷「ごめんごめん」
山城「もう、ホントに」
古谷「ここにいるのもあれだから、向こう行こうよ」
私は頷いた。
山城「私は、もう一人の子が戻ってくるまで待っとくわ」
まだ、三宅は帰って来ていなかった。
古谷「そういえば、名前だっけ?」
私 「矢田です」
さっきも言ったのに。この人は、すぐ忘れてしまうのだろうか?
古谷「矢田さんは、将来どういう仕事就きたいとかある?」
私 「いや、全くないですね」
古谷「もし、興味がある業種があれば言ってよ。し俺が繋いであげるよ」
私 「ホントですかー?」
妙にテンションが上がってしまった。
古谷「今日も結構いろんな会社きてるし、もしよかったらと思ってさ」
私 「ありがとうございます」
そういえば、何の業種がいいんだろうな?自分でもよくわかっていなかった。
古谷「じゃあ、ベンチャー系の会社もありだね」
私 「ベンチャーってなんですか?」
古谷「あー。難しいよね。ベンチャーっていうのは、最近できた会社みたいに使ってる言葉だよ」
そういう言葉があるんだ。私は、全然知らなかった。
私 「イメージとしては、できたばかりの会社みたいなことですか?」
古谷「そうそうそう。それが近いかな」
私 「そんな会社いっぱいあるんですか?」
ゆっくり頷き話し始めた。
古谷「最近はできたり、つぶれたりの繰り返しだよ」
私 「そうなんですね」
古谷「設立から10年会社が存続する確率って何%かわかる?」
10年かぁ。どれくらいだろうな?
私 「30%くらいですか?」
古谷「違うねぇ。約5〜6%前後って言われてるんだよ」
そんなに低いんだ。意外だ。当たり前の様に続いている会社も実際そうじゃないんだ。




