5月27日 男性Ⅴ
あれから、定期的に山城から連絡が来るようになった。今すぐ力になれるというわけではないが、何か役に立たれるのであれば、力になりたいという想いがないわけではなかった。
ー5月23日ー
エレベーターの扉がゆっくり開いていく。
三宅「なんか、凄いね」
私 「凄い人の量」
まるで、ライブ会場かと言わんばかりの雰囲気だった。そんなに人の量は少なかったはず。
三宅「これ、受付行ったらいいのかな?」
私 「たぶんそうだと思います。私行きますよ」
受付の女性らしき人の前に、私は歩いていく。
私 「すいません」
私の方に視線を向けた。
女性「どうされました?」
私 「あの、先ほど古谷って人に紹介されたんですけど」
すぐさま、女性は名簿とスマホをチェックし始めた。
女性「申し訳ないんですけど、お名前お伺いしてもよろしいですか?」
私 「矢田と三宅と申します」
再びチェックするが、どうやら見当たらない様だ。電話をかけるも、かけた相手も電話に出てもらえないみたい。
女性「申し訳ございません。今、古谷は誰かと話をしているみたいで」
私 「全然大丈夫ですよ」
さすがに忙しいな。古谷も。仕方がない。
私 「どうする?」
三宅「まぁ、仕方ないんじゃない。あっ、私電話来てるみたいだから、ちょっとかけてきていい?」
私 「大丈夫ですよ」
少し離れたところで、電話をかけにいったようだ。
女性「すいません。待ってもらって。私で恐縮なんですが山城と言います」
私 「私は、矢田颯希と言います。よろしくお願いします」
女性「代表の知りあいですか?」
知りあいなのか?私たちは?
私 「知り合いというか、今日タマタマ会ったんですよ」
女性「今日ですか?」
私 「はい」
驚いているのも理解できる。普通の人なら、今日会った人をいきなり講演会に呼んだりしないだろう。
私 「ここでは何がされてるんですか?」
女性「会社紹介みたいな感じですかね」
私 「会社紹介ですかぁ、、、、、、」
何を言っているのかあまり理解できなかった。
女性「まだ、私たちの会社できたばっかりだから、もっといろんな人に知ってもらおうと思ってね」
私 「あー、なるほど。だから、いろんな人に声かけてるんですね」
女性「そうそう」
ようやく何がしたいのか理解できたのだった。




