5月23日 男性
今日は、三宅と店長の三人。途中で川崎がやってくるらしい。平日ということもあり、店内に人はほとんどいなかった。
三宅「いいね。だいぶできるようになってきたね」
私 「ありがとうございます」
私がレジで、計算をしていると三宅が声をかけてきた。今日も、満面の笑みで可愛らしい三宅。
三宅「わかってきた?」
私 「はい。なんとなくですけど、コツはつかめましたね」
川崎と三宅が丁寧に教えてくれたこともあり、まだ10日もたっていないけど、できるようになってきたのだ。この二人には、本当に感謝しないといけないな。
三宅「それは、よかった。給料も上がったらいいね」
私 「上がるんですか?」
給料なんて、今まで考えずにバイトしてきた。
三宅「最初の2ヶ月から、また上がると思うよ」
私 「うわー、嬉しい」
別にお金が欲しいわけではないけど、なんかテンションが上がっていた。
三宅「颯希って、どんなことにお金使うの?」
私 「えっ、全く使わないですよ」
先月入った給料も、まだ引き出していない。
三宅「じゃあ、お金貯めるの?」
私 「貯めるとかはないですけど」
三宅は、お金をよく使いそうだな。
三宅「私なんて、すぐにお金使っちゃうよ」
私 「何に使うんですか?」
ちょうど店内に入ってきたのは、大学生らしき男性だった。
三宅「私は、服とかコスメかな」
私 「三宅さん、たくさん服ありますもんね」
三宅「そうなのよね、すぐ買っちゃうの」
店内に入ってきた男性は、私たちの方をめがけて真っ直ぐ来る。三宅への返事をせず、男性の方を見つめた。近づいてくる男性は、只者じゃないオーラを感じた。"いらっしゃいませ"。私は、声を出し、男性の方を見た。
男性「すいません」
私 「どうされました?」
男性「今から、講演行くんですけど、オススメの革靴ありますか?」
私 「革靴でしたら、こちらの方にありますよ」
男性は、靴を眺めている。どうしよう、声をかけようかな?
男性「僕、革靴のことはよくわからないんで、オススメ教えてください」
迷わず、茶色の革靴を指差した。
私 「これがいいと思います」
男性「何がいいの?」
正直、安い金額ではない。ただ、オススメはできる。
私 「履き心地、機能性、オシャレさ。この3つを兼ね備えてるのはこれしかないと思います」
いいねぇー!!男性は、ニッコリと笑った。




